石油給湯器のフルオート、オート、標準の違い|給湯器のプロが徹底解説

給湯器のプロが徹底解説石油給湯器のフルオート、オート、標準の違い

今やほぼ当たり前となりつつある「給湯器のお湯張り機能」ですが、使用したことがある人にとっては当たり前でも、使用したことがない人にとっては「え!?そんな便利な機能があるの!?」と驚いてしまうのではないでしょうか。

自分の家以外のお風呂場にお邪魔するケースってあまりありませんから、未だにお湯張り機能の便利さを知らないという人も少なくありません。

そういう人は給湯器交換のタイミングで「フルオートとオートの違いって何?」と困惑してしまうことでしょう。給湯器は頻繁に買い替える物ではないので、しっかりと検討して後悔の無い選択をして欲しいと思います。

というわけで今回は石油給湯器における「フルオート、オート、標準の違い」についての解説です。

目次

フルオート、オート、標準それぞれの特徴

標準タイプの特徴

  • 追い炊きは出来るが、お湯張りは手動
  • お湯張り機能付きの機器と比べて安価
  • 配管内を清潔に保つのが難しい

まず一番分かりやすいのは標準タイプです。標準タイプは追い炊き機能はあるけど、自動湯張りができないタイプのことを指します。30年以上前はほとんどこのタイプでしたが最近のガス給湯器には標準タイプは無くなり、石油給湯器のみとなりました。

標準タイプの場合、お風呂を沸かそうと思ったら浴槽の近くにある蛇口で浴槽に水またはお湯をため、追い炊きして入浴していると思うのですが、人によっては「水を止めるのを忘れて溢れさせてしまった」という人もいるのではないでしょうか。

定量止水(一定量の水を落とし込んだら自動的に停止する機能)付きの蛇口であれば困ることはありません。しかし定量止水機能付きの水栓は金額的にも高く、設置されているお家の方が珍しいというのが現状です。

もし「ご自身でタイマーをセットして時間が来たら水を止めに行く」ということをしているのであれば、お湯張り機能があればボタン一つで追い炊き配管からお湯を張ってくれるので劇的に楽になります。

ちなみに標準タイプの場合は追い炊き配管内にどうしてもお風呂の残り湯が残ってしまい、ふろ配管内に雑菌が発生しやすく、衛生面で気を付けることが必要です。

特に「入浴剤を使用している/お風呂のお湯は毎日交換しているわけではない」という場合は、配管内にヘドロが溜まっているケースも少なくないので、配管洗浄剤を使って定期的に配管洗浄することをおすすめします。

こたろー

オート以上の給湯器で、毎日お湯張り機能を使用しているご家庭なら、3か月~半年に一回程度の配管洗浄でも構いませんが、標準タイプの場合は毎月ペースで配管洗浄をするのが望ましいです。洗浄剤は市販されているジャバなどで構いません。

オート(セミオート)タイプの特徴

  • お湯張りが可能(浴槽は空の状態から)
  • 本体価格は標準タイプより高く、フルオートタイプより安い
  • 配管洗浄機能付き(手動)

個人的には一番使い勝手が良くて、コスパも良いんじゃないかと思っているのがオートタイプです。メーカーによっては一番グレードの高いものをオートと表現する場合があり、その場合こちらはオートではなくセミオートと呼ばれています。

お湯張りの際は追い炊きのフィルター部分からお湯が出てくるので、ご自身が水を止めたりする必要が一切ありません。最近の新築のお家では浴槽に水を落とし込むため水栓がついていない(シャワー部分のカランでは浴槽に届かない)ケースも多く、お湯張り機能が浸透してきたという事実を象徴しています。

お湯張りの際に風呂配管に水圧がかかるので風呂配管が雑菌だらけというケースも少なく、標準タイプと比べると遥かに衛生的です(ボタンを押すことで追い炊き配管に水圧をかけて洗浄してくれる「配管クリーン機能」が付いている場合も多い)。

フルオート(オート)タイプの特徴

  • お湯張りが可能(浴槽は空でなくてもOK)
  • 一番高価なタイプ
  • 配管洗浄機能付き(手動と自動の切り替えが可能)

こちらもフルオートと呼んだりオートと呼んだり少しややこしいですが、価格的には一番高いものとなっています(ノーリツ製給湯器の場合は、更に上位にプレミアムというグレードができました)。前項のオートタイプと異なる点は「浴槽が空でなくてもお湯張りができる点」です(浴槽内にどれだけのお湯が入っているかを計算する機能を有する)。

個人的には「空じゃない状態でお湯張りをする機会ってそんなに無いんじゃない?」と思ったりもするのですが、どんなに水位が減っても決まった湯量に自動的に調整してくれる機能を持っています。

例えば「小さいお子さんが遊び倒して浴槽内のお湯の量がだいぶ減ってしまった」とか「うちのおじいちゃんはシャワーを使えないから浴槽内のお湯を使ってしまう」などのシチュエーションであれば、ボタン一つで元の湯量に調整してくれるというメリットがあります。

あとは浴槽内のお湯を捨てる時に自動的に配管洗浄してくれたりとか、フルオートならではの機能も存在します。…が、お風呂にお湯が張られている状態で停電になったら誤作動を起こしてしまうなどのデメリットもあり、個人的には「セミオートで十分じゃない?」という考えです。

こたろー

この誤作動は簡単に直すことができるのですが、給湯器の説明書を読まないお客さんからの修理依頼が多く、お客さんからすれば無駄な出費になってしまうケースが少なくありません。

オート(セミオート)以上をおすすめする理由

私は石油給湯器を買い替えたいというお客さんに対し、オート(セミオート)以上をおすすめしています。第一に便利だからという最もな理由があるのですが、最も大きな理由は「追い炊き配管が衛生的に保ちやすい」という理由があるんですよね。

特に「お風呂のお湯は毎日交換しているわけではない」というご家庭に注意して欲しいのが残り湯の雑菌です。人が入浴した後のお風呂は時間経過と共に爆発的に雑菌が増えていきます。

風呂水中の細菌数

風呂の残り湯は使っても良い?

2日間使用したお風呂のお湯を捨てる時、浴槽は空になった状態で洗剤などで洗うことができますが、お風呂の配管や給湯器の内部は洗われていません。そして少しではありますが雑菌だらけのお湯が残っています。この繰り返しによってヘドロ状の汚れが配管内に溜まってしまい、不具合を引き起こしてしまうケースもあるんですよね。

セミオート以上であれば配管クリーン機能が付いていますし、毎日のお湯張りで配管内に水圧がかかるので、ヘドロ状の汚れが溜まってしまうほど汚れるケースはそんなにありません。

なので迷うくらいならセミオート以上を購入するのがベストだと思っています。また配管クリーンとは言っても除菌できるわけでは無いので、定期的にジャバなどの洗浄剤を使って掃除してあげることをおすすめします。

まとめ

お湯張り機能は非常に便利なので、お金に余裕があればオート(セミオート)以上がおすすめ
お湯張り機能+定期的な配管洗浄で衛生管理はOK

お湯張り機能を付けるとなるとメーカー希望小売価格で5万円前後の金額差が生まれますが、それはあくまで希望小売価格なので値引き後の金額差はもっと小さくなります。

例えば値引き後の金額差が3万円だったとしたら、10年使用すると仮定すると1年あたり3000円の負担増となります。お風呂を毎日入れ替えるとすれば1年あたり365回のお湯張りですから、1回あたり10円を切るんですよね。

もし蛇口でお湯をためているのであれば溢れさせてしまうリスクも軽減しますし、自動湯張り機能は絶対的におすすめです。ぜひお湯張り機能付きを検討してみてください。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど。住宅設備を修理したり取付する仕事をしています。

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