給湯器の寿命

給湯器の寿命は10年ではなく7年~10年というのが修理のプロの見解です

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給湯器の機器寿命・耐用年数は7年~10年 これが修理のプロの見解です

 

給湯器を修理する仕事をしています。お客さんに質問される内容で1番多いのは「給湯器の寿命ってどれくらいなの?」というものです。

初めて給湯器に修理が必要になった時、平均的に考えて「この故障は妥当なのか、それとも早くに壊れてしまったのか、あるいは長持ちしたのか」というのを知りたくて、このような質問をされているのではないかと思います。

 

現場では、実際にそのお客さんの使用環境や燃焼時間・着火回数などのデータが細かく分かるので、より詳しいアドバイスができるのですが、ヤフー知恵袋のような感じで「給湯器の寿命、耐用年数ってどれくらいなの?」と聞かれると、私やメーカーは「7年~10年です」と答えているのが現状です。

これを聞くと「10年かぁ…」という人が一定数出てくるのですが、10年じゃありませんよ。「7年~10年」です。今回は給湯器の機器寿命・耐用年数についての解説を、できるだけ分かりやすくしていきたいと思います。

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給湯器の寿命・耐用年数は年数で答えるのが難しい

 

あなたは自動車を持ってますか?都会に住んでいると必要なかったりするのかもしれませんが、私の住んでいる地域では自動車が必要不可欠で身近な存在です。

車を持っていないという方はピンとこないかもしれませんが、私としてはこの例えが1番伝わりやすいと思っているので、今回は給湯器の寿命を車の寿命に例えてみたいと思います。

 

では、もしあなたがタクシーの運転手をしていたとして「そのタクシーの車としての寿命ってどれくらいですか?」と聞かれたら、どう答えるでしょうか。…これはちょっと難しいかもしれませんね。

言ってる私自身「タクシーってどれくらいで新車と入れ替えてるんだろう…?とか考えてしまいました。では、質問を変えたいと思います。

 

あなたのお家では2年前に新車を購入しました。その新車が嬉しかったあなたは隣近所にその新車の良い所をアピールし、それに惹かれた隣のお家が遅れて1年後に同じ車種の車を買いました。

あなたのお家では通勤などには車を使用せず、土日の買い物(それも近所のスーパーに出かける)のみの使用です。一方で、お隣さんは毎日の通勤にも使用しており、走行距離で見ればお隣さんの方が明らかに多いと思われます。

この場合、早く寿命を迎えるのは1年早くに購入したあなたの所有する車でしょうか?

 

色んな答えが出るかもしれませんが、多くの素直な方は「いやいや、1年早く買っているとは言え使用している量が違うんだから、お隣さんが先に壊れるんじゃないの?」と思うはず。それが正解です(私の例えが下手で、揚げ足は取れるかもしれませんが)。

機械にはただでさえ「当たり外れ」という概念がありますし、全てが全てそうじゃないにしろ、故障してしまう時期については使用期間や使用頻度の高さなども大きく関係してきます。

以上のことから言いたいのは、車の寿命・耐用年数を「○○年」と答えるのが難しいように、給湯器の寿命・耐用年数もまた、年数では言い表しにくいということです。

 

給湯器の寿命を燃焼時間にすると3650時間

給湯器の寿命を燃焼時間にすると3650時間 1日1時間×10年=3650時間

 

給湯器メーカーの「給湯器の寿命」に対する回答

使用頻度や使用環境が個々のお客さまで異なりますので、寿命・耐用年数 という表現はしておりません。
標準的な使用条件のもとで使用した場合、安全上支障がなく使用することができる期間(設計上の標準使用期間) として、10年を目安としています。

NORITZ - 給湯機器の寿命って何年くらいですか。

 

給湯器メーカーのノーリツでは、給湯器の機器寿命・耐用年数に対して上記のように回答しています。寿命という明言こそ避けましたが、おおよその期間として10年という数字を挙げました。

そして「設計上の標準使用期間」という言葉も出てきています。これはメーカーが算定している一種の使用条件になるのですが、現在生産されている給湯器の機器寿命・耐用年数を語るうえで無視できない要素なので、以下で詳しく解説していきます。

 

給湯器の設計標準使用期間は1日1時間の使用で10年間

車の寿命を考える場合、年数もそれなりに重要かもしれませんが1番重要なのは走行距離なんじゃないかと思います(もちろんメンテナンスをしてるかどうか等も影響してくるとは思いますが)。給湯器において、車で言うところの走行距離に該当するものと言えば「燃焼時間」です。

給湯器には標準設計基準が設けられていて、給湯器の設計基準は「燃焼時間が3650時間(1日1時間の使用で10年間)」とされています。実は給湯器の寿命・耐用年数は「1日1時間の使用で10年」というのが1つの基準になっているのです。

ちなみに他にも「着火回数」などの要素にも左右されるのですが、ここでは割愛します。

 

給湯器の取扱説明書にも機器寿命が掲載されている

設計標準使用期間算定の根拠

 

こちらはノーリツ製給湯器の取扱説明書に掲載されている「設計標準使用期間算定の根拠」です。使用条件について細かに書かれていますが、恐らく使用平均の統計から導かれた設計基準だと思われます。

この情報は最近になって取扱説明書にも掲載されるようになりました。今では各給湯器メーカーの公式サイトにも掲載されていますし、給湯器の寿命に対して説明をしようとしている企業努力を感じます。

 

この表にもあるように、平均で見ると地域差というのも非常に大きな要因となっています。例えば、年間の平均給水温度が15℃で計算されていて、出湯温度が40℃で計算されているのが分かるでしょうか?

たぶん東北・北海道などの雪の降る寒い地域では、年間の平均入水温度はもう少し低いのではないかと思います。給湯器の燃焼能力は入水温度と出湯温度の温度差に影響するので、寒い地域だとそれだけ給湯器の負担は大きくなります。沖縄と北海道では給湯器の耐用年数も変わってくるでしょう。

 

「1日1時間も使っていない!」というユーザーも多い

「1日1時間も使っていない!」 設計標準使用期間はあくまで目安の1つです

 

給湯器の寿命について「平均」を持ち出すとややこしい

世の中にはいろんな年代の人や住んでいる地域が違う人もいて、日中も家に居る人もいれば「家には寝るために帰ってるだけ」という人もいます。給湯器の使用時間を語るなら、ご家族の人数なんかも重要ですよね。1人暮らしと年頃のお子さんを複数人抱えた大家族とでは、その使用時間にも大きな差が出るのが必然です。

それらの人を総合して、平均値を取ったものが1日1時間の使用時間と言われています。ちなみにこの平均値というのは意外と厄介で、世の中には「それ、本当に?」と思うような平均値が多いんですよね。

 

例えば2018年夏の国家公務員の平均ボーナス支給額は約65万円と言われています。一応、建前としては公務員の給料は好景気などに左右されずに、低水準で支給されているんじゃありませんでしたっけ?

つまり民間企業の平均ボーナス支給額はもっと高くなるはずなんですけど、とりあえずややこしいので、ここでは「日本人のボーナス支給額=約65万円」として考えましょう。ここから導き出される私の答えとしては「平均上げまくってる奴、出てこいバカヤロー」です。

 

「自分の家の給湯器の使用時間は平均より少ない」というユーザーが多い

給湯器の使用時間の平均が1時間だと言われると、なぜか多くの人は「じゃあウチは少ないはずだ」とか思いがちですが、世の中は高齢化社会と言われています。老夫婦がそんなにお湯を使っているとは思えませんし、中には老人が一人暮らしというパターンも当然あります。それらを全部総合しての平均値が1時間なんです。

なので絶対とは言いませんが、年頃のお子さんを1人でも抱えている3人以上の家族の多くは、1日あたり1時間以上使っている可能性が高いんじゃないかと思います。ちなみに浴槽のサイズにもよりますが、ゼロから浴槽にお湯張りをして1回でも追い炊きをすればもう1時間くらいじゃないかと思うんですけどいかがでしょうか?

 

人間は良い方向に捉えたがる生き物だ

自分の事となるとポジティブ/ネガティブって分かれるんですが、なぜか自分の所有物などになると人は一気にポジティブになるような気がします。この仕事をしていて痛感するのは、お客さんに対して曖昧な表現をしてはいけないということです。

例えば、修理料金の説明で「1つ1つの部品代は調べないと分からないから、具体的な金額は現時点ではお答えできません」と話したとしましょう。すると多くの場合で「大体の金額でいいよ(とりあえず大まかな額でも知っておきたい)」と言われます。

 

もし私が「大体5万円~7万円弱くらいです」と答えようものなら、それを奥さんが飲み込んで、旦那さんとの家族会議を経ている間に脳内で変換されていることも珍しくありません。翌日に正式なお見積りとして電話で「67000円です」という頃には、お客さんの中では「5万円って言ったじゃないの!」となるケースが本当に多いです。

注文した部品が届く日時についても同様です。「部品が届き次第、再訪問させていただいて修理に入ります」とお客さんに説明すると、必ず「部品ってどれくらいで届くの?」と聞かれるので、ここで曖昧に「4日~7日くらい」と答えてしまうと、多くのお客さんは「4日」と捉えます。

 

実際に私も似たような経験があり、通販で買った荷物を19時~21時の間に時間指定で配達してもらった時なんですけど、こっちは荷物が来るというので19時から待ってるじゃないですか?結局、配達されてくるのは20時55分とかなんですよね。

いや、配達員さんはもちろん悪くないし、文句なんか言う資格はありませんけど、なんかやり場のない怒りというか寂しさを感じるというか…。それに近いのかなぁって思います。

 

そして給湯器の寿命を「7年~10年」というと、それがお客さんの中で噛み砕かれて「10年」になり、旦那さんとの会議を経て「10年ちょっと」という拡大解釈に繋がることも珍しくありません。

なので、多くの人は「ウチは1日1時間もお湯を使っていない!」と言いますが、そのうちの大多数は自分の想像以上にお湯を使っていると考えた方がいいです。

 

もちろん本当に使っていないユーザーもいます。しかし、ここで言う設計標準使用期間はあくまで目安の1つです。

設計標準使用期間は保証期間とは違いますし、ちょっと乱暴な言い方をすると「人間の平均寿命」みたいに捉えてください。食事バランスも良いし、規則正しい生活をしていて適度な運動もしているのに病気になってしまう人が少なくないのと一緒です。

 

何をもって給湯器の寿命とするのか問題

何をもって給湯器の寿命とするのか問題 壊れたら?それとも交換したら?

 

給湯器の寿命は「交換するまでの期間」ではない

以前に「給湯器(家庭用ボイラー)の寿命が20年だと思っている人に驚きの真実を教えます」という記事を書きました。内容自体は本記事と同じで「給湯器の寿命が20年って言ってる人もいるけど実際は7年~10年です」ってことを書いています。

この時に軽く、給湯器の寿命について触れている他サイトを覗いてみました。すると、意外と「給湯器の寿命=給湯器を買い替えた時期」として説明しているサイトが結構あったんですよね。

 

私の中での給湯器の寿命は「給湯器の部品が立て続けに壊れ始めることが多い時期」と解釈しています。そしてこれは給湯器メーカーの見解と同じです。

もし給湯器を買い替えた時期を寿命としてしまうと「修理できる限りは修理を繰り返せば、部品が取れる限りは寿命を迎えない」ということになるので、これは無理があるんじゃないかと思いました。さすがに20万円で買える給湯器を修理するのに15万円も払ってしまったら、それはもう寿命と言えるのではないでしょうか。

ちなみに給湯器には部品の保有期間というものがあり、部品もいずれは取れなくなってしまうことが予想されます。古い給湯器を修理するということは、部品が取れなくなるリスクを背負うということにもなるので、年数の経った給湯器(特に取れない部品が出てきている給湯器)は交換するのが無難です。

関連記事プロが教える給湯器部品の保有期間|部品がないって本当?

 

10年を超えて同じ給湯器を使用する場合は点検が必要

2009年以降、給湯器を設置した際には所有者登録が必要になりました。これは給湯器の使用が10年を迎える時に、給湯器メーカーからユーザーに対して「耐用年数を迎えています」という通知を行うためです。

ちょっと前までは10年以上使える給湯器も珍しくなかったのですが、今のエコ給湯器は10年使う前に必ず交換が必要になる中和器も搭載されていますし、10年を超えて使用する場合は点検を受けるように法整備されています。

 

2020年現在、点検は有償になるので受けるかどうかはユーザーに委ねられていて、点検を受けなかったからと言って罰則もありません。

しかし経済産業省が「10年を経過してそれでもまだ使用する場合は…」という条件を出していることからも、給湯器は10年使えて当たり前というものではないことがお分かりになるのではないでしょうか。

関連記事給湯器のエラー888、88は点検時期のお知らせ|表示は簡単に消せる

 

給湯器は探せばいくらでも安く購入できる

 

多くの人は「何十万円も払ったのに、たった7年~10年しか持たないの?」と言います。この言葉の意図としては「給湯器の価値を見ないで他の電化製品と比べて高い」と言ってるんじゃないかと思うんです。

世の中の大半の物は「自分が思っているほどの価値がないもの=高い」と言われるような気がします。私にとっては嵐のコンサートチケット(最前列)が10万円って言われたら、間違いなく高いと思って買いませんが、世の中には「それ以上のお金を出してでも欲しい!」と考える人も山ほどいることでしょう。

 

一方で給湯器は、価値がないから高いと言われているわけではない製品です。給湯器がなくなって困らないという人はいないと言っても過言ではないと思います。だからどんなに高くても買うことは買うんですけど「今やパソコンが2万円~3万円で買えるような時代なのに、なんで給湯器だけがこんなに高いの!?」って意味で言ってるんじゃないかって思うんですよね。

で、パソコンって言うのは色んな会社が開発していて、それを売る家電量販店なんかもあったりして、機能を削れば削るだけ安くできるじゃないですか?最悪「ワードとかエクセルがなくたってネットができればいい」っていうユーザーが山ほどいるわけです。

でも車を売るのに「ブレーキを機能を無くしたから安くします!」とか、給湯器を売るのに「安全装置で経費削減したので安いですよ!」とかじゃ話になりません。

 

するとどうなるかというと、販売するのに価格面での工夫や差別化というのが難しくなるので、取り扱う人間も限られてきます。お客さんにとっては「購入の窓口が減る」って考えた方がいいです。購入の窓口が減ると価格競争が起きにくくなります。正確に言うと「価格競争はあるのですが、知っている人しか知らない情報」となります。

ヤマダ電機とかケーズデンキとかコジマ電気でバンバン価格競争をするから、パソコンとかは安い金額で購入する方法を知っている人が多いんです。給湯器もそれらと一緒で、安く購入する方法はいくらでもあります。ただそれが、多くの人に知れ渡っていないだけです。

 

 

これは私が今まで見てきた中で、最安値の販売価格&取付価格を誇っている「いえすと 給湯器交換なら満足度No1の実績 年中無休で即日にも対応」というネット業者の販売価格です。

たぶんここからガス給湯器を購入すれば、定価価格40万円くらいの給湯器が、取付作業料と10年保証込みで20万円以下になることが多いと思うんですけど、多くの人はこれの1.5倍以上の価格で給湯器を購入しているのではないかと思います。

 

なぜ安くできるかという理由や詳しい情報については別記事のリンクを貼っておきますので、興味のある方はご覧ください。

参考関東エリア・関西エリアで給湯器の交換をするなら「いえすと」が激安!!

残念ながら関東エリアと関西エリアにしか対応していません。

 

まとめ

給湯器の寿命は、給湯器の部品が立て続けに壊れ始めると予測される時期を指す

給湯器の寿命は、燃焼時間や着火回数に大きく左右される

給湯器の寿命は、年数で言うなら「7年~10年」である

 

給湯器の寿命は年数で答えるなら7年~10年となりますが、極端に言えば「1日2時間の使用なら5年」というのが寿命となります。

中には本当に使っていないのに早く壊れてしまうパターンもありますが、給湯器は使用していないとは言え、常に水圧などがかかっている状態ですので、他の電化製品なんかとはまた指標が違うということもご理解ください。

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