寒い時期になると、給湯器が突然動かなくなってしまうということが多々あります。
「何もこんな寒い時期に故障しなくても…」と思うかもしれませんが、その中の一部は大したことがない不具合である可能性も残されているんです。
このページでは「冬によく見られる給湯器、暖房機の故障内容、不具合の内容」をまとめて、それぞれがどのような内容のエラーなのか、どうすれば改善するのかについて簡単にご紹介したいと思います。
はじめに
まず初めにご説明しておきたいことがあります。
それは「給湯器の電源を入れていないと、凍ってしまう可能性がある」と考えるユーザーが多いという点です。
これは多くの人がしている勘違いで、給湯器には100Vで作動するヒーターが取り付けられているので、コンセントプラグが差さっていて通電している状態なら、給湯器内部では凍らないように設計されています。
給湯器の外で凍ってしまう可能性はありますが、これは給湯器本体の電源を入れてても凍りますので、給湯器の凍結予防を考えてリモコンの電源を入れているという場合は、切っても特に問題はありません。
※石油給湯器の貯湯タイプの場合は、設定温度を1か2にした状態で電源を入れっぱなしにしておくことが望ましいです。
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冬によくある故障内容
E-140(過熱防止装置作動)
冬によくあるというか、年間を通してよく見られるエラー番号です。
多くの場合で全く使えないようになってしまいますが、仮に電源の入切で使えるような状況だとしても、ただちに修理依頼をすることをおすすめします(すぐに使用できなくなってしまうのが目に見えているため)。
いわゆる安全装置のエラーであり、年数が経っている給湯器の場合は「危険だから作動したというわけではなく、安全装置そのものが壊れた」というケースも少なくありません。
関連記事ノーリツ製ボイラー(給湯器、暖房機)のエラー140について
凍結破損
冬に多いというよりは「冬にしか発生しない故障内容」ですね。
空き家などの管理不足で発生してしまうことが多い他、一人暮らしをしている学生さんがお正月に実家帰省をする際に、やらかしてしまうケースも散見されます。
凍結について簡単に説明すると、水は液体の状態よりも個体になった方が膨れる(大きくなる)ため、配管内に水が入っている状態で水が凍ってしまうと、逃げ道を無くした水が配管を破ってしまうというものです。
冷凍庫で水を凍らせる際に使用するアイテムはプラスチック製であることが多く、ある程度の柔軟性を持っているうえに密閉されていないので割れたりしません。
給湯器の場合は、常に水で配管内が満たされていることが多いので、そのままだと凍ってしまう可能性があります。
しかし水抜き作業をして「凍るものが無い」という状況を作ってやることで、凍結を防止することが可能です。
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追い炊き配管の凍結・呼び水不足
「お風呂が追い炊きできない」「お風呂にお湯張りができない」というのも、冬期間によく見られる種類の不具合です。
もし使用している給湯器が標準タイプ(お湯張り機能のない給湯器)なら、呼び水不足と言って「配管内を満たしていた水が抜けてしまったせいで、ポンプが空回りしている状況」になっていることが多いですね。
この場合は、追い炊きボタンを押しても一切浴槽内のお湯が循環せず、ちょっと時間が経ったらE-632を出して給湯器が停止してしまいます。
これを解消するには「お風呂の追い炊き配管を水で満たしてやる」ということをすればいいのですが、現場状況によってお風呂の循環フィルター(浴槽内にあるフィルター)の形状が違うので、一概に説明することはできません。
多くの現場で「循環フィルターを外して、シャワーホースでボイラー側に水を送ってやる」ということをすれば解決しますが、そもそも循環金具を外さなければならない場合などもあるため、固定しているビスを無くさないようにするなどの注意が必要です。
E-043(暖房水不足)
冬の期間に1番多いエラーかもしれません。
いわゆる「不凍液(暖房水・循環液)が不足した際に出るエラー」です。
多くの場合で不凍液を追加してやれば復帰しますが、不凍液が無いという場合なら水でも問題無いでしょう。
ただし不凍液を薄めるというリスクを知った上で、自己責任で行ってください。
関連記事暖房ボイラーのエラー043で水を足すことのリスクを説明する
あとは「暖房水が不足している原因が、配管からの水漏れの場合」も注意が必要です。
このケースだといくら補充しても根本的な問題が解決されていませんし、漏れている場所によっては二次被害・三次被害と被害が拡大してしまう恐れがあります。
状況によっては「たまたま空気が咬んでいてエラー043が検出された」というパターンもあるので、1回不凍液を追加しても症状が改善しないという場合は、修理依頼をした方がいいと思いますね。
まとめ
凍結などは普段の心持ちで回避することが可能
給湯器外の凍結は避けられないことも多い
雪国だとどうしても「蛇口を開けても、お湯どころか水も出ない」ということがあります。
これはほぼ凍結で間違いありませんが、修理業者を呼んでもどうすることもできないケースが多く、修理依頼の段階でお断りすることも少なくありません。
温かくなれば改善する可能性もありますが、どうしても用入りの場合は「目で見える配管に手当たり次第にお湯をかける」ということが超有効です。
給湯器が使えないのでコンロやIHヒーターで沸かしたお湯を使用することになると思いますが、熱すぎると配管の素材によっては影響が出てしまうので、ちょうど良い温度で行うと良いでしょう。
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