いきなり質問ですが、給湯器の電源は切っておいた方が機器は長持ちすると思いますか?
普段修理でお客さんのお家を回っていると、給湯器の使用方法について色々聞かれることがあるのですが、結構な頻度で質問されるのが「お湯を使わない時は、給湯器の電源を切っておいた方がいいの?」という質問です。
普通の電化製品であれば「使用しない時は電源を切っておくのが望ましい」と言えそうですが、急に使用することも少なくない給湯器では一体どうなのでしょうか。
今回は、それに答えていきたいと思います。
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使わない時は電源を切るのが基本だが…
テレビにしろパソコンにしろ、使わない時は電源を切るのが基本です。
そしてテレビやパソコンに関しては、精密機械なので使わなければ壊れないという物でもありませんが、電源が入っている時間に比例して故障する可能性が高くなるような気がしますよね。
しかし給湯器は「電源を入れる=作動」というわけではありません。
電源が入った状態で蛇口を開けたりしない限りは、給湯器としての動作に入らないのです。
給湯器の電源は入れっぱなしでOK
電源入れっぱなしだから壊れやすいというデータは無い
基本的にガス給湯器や直圧タイプの石油給湯器において「電源を入れっぱなしだったから、早く壊れてしまった」ということは考えにくいです。
仮にあったとしてもその差は微々たるもので、例えるなら「AさんはBさんよりもカップ麺を食べる頻度が高かったから、早くに死んでしまった」というくらい不確定なものだと思います。
故障には様々な原因が考えられるので、使用頻度や使用環境などによって故障する方が遥かに要素として大きく、それらに比べたら普段から給湯器のリモコンの電源を入れていたとか切っていたなんてことは微々たるものと言えるでしょう。
石油給湯器の貯湯タイプの場合は注意が必要
しかし、もし使用している給湯器が石油給湯器の貯湯タイプだとすれば「電源を入れる=燃焼動作に入る」ということに繋がるので、結果的に燃焼時間が増え、給湯器本体の寿命に起因するということが考えられます。
今使っている給湯器が直圧タイプか貯湯タイプかわからないという方は以下の記事をご覧ください。
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「電源を入れておかないと凍る」は半分間違い
雪国や寒い地域にお住まいの方だと、よく「夏場は電源を切ることが多いけど、冬場は凍結が怖いから電源を入れておく」という人がいます。
結論から言うと、電源を切っていたからと言って給湯器内で凍結するとは考えにくいです。
というのも、給湯器内には凍結予防ヒーターが取り付けられており、これはコンセントからの通電があれば作動する状況になっているので、リモコンの電源が入っていようがいまいが関係なしに動作するものです。
つまり給湯器のコンセントを抜いたり、ブレーカーを落としたりされるとまずいですが、リモコンの電源の入り切りは凍結とほとんど関係ありません。
あまりに高頻度で入れたり切ったりしなければOK
これまでは「別に切らなくていいよ」という立場で書いてきましたが、もちろん使わない時は切るという場合でも問題ありません。
むしろ就寝時や外出時は切った方がいいでしょう(家に誰もいないときにお湯配管に穴が開いたとしたら、リモコンに電源が入っていると燃焼動作に入ってしまうため)。
ただゲームのコントローラみたいにバカみたいに連打したり、あとは1分毎に入れたり切ったりなどの使い方でなければ特に問題ないです。
10年以上前くらいの機械では「液晶部分の劣化が激しく、電源を入れっぱなしにしている度合いが高いほど、表示部分が故障しやすい」と思われるリモコン機種もありましたが、今では随分と改善されたと言っていいでしょう。
まとめ
給湯器のリモコンの電源は、入れっぱなしでも特に機器寿命が短くなるということは無い
外出などにより家が不在になる場合は、電源を切ることを推奨
基本的には電源の入り切りよりも「どれだけの使用頻度で合計何時間使用しているか」などの方が遥かに大きい要素なので、リモコンの電源は入れっぱなしでも問題ありません。
ただし外出時などは切っておいた方が安心できるという人も多いでしょう。この辺りはそれぞれの使いやすさで使い分けていただいてOKです。
なお、リモコンのオン・オフは凍結に関係ありません。