給湯器が勝手に動く|使ってない給湯器から音がする原因

給湯器が勝手に動く|使ってない給湯器から音がする原因

給湯器の動作音や燃焼音は故障の前兆を伴っていることが多く、神経質な人であればちょっとした音の大きさの変化に気付くというケースも少なくありません。そして日中はそこまで気にならないかもしれませんが、夜の寝静まった時間に給湯器から音が聞こえてくると、不安に感じてしまうという人も多い事でしょう。

実際に各家庭を修理で回っていると「給湯器を使っていないのに音がするんだけど?」と言われることが結構あります。大抵の場合は問題ないことが多いですが、正体不明の音が鳴るというのは怖いですよね。

というわけで今回は「使っていないのに給湯器から音がするという場合に考えられること」についてご紹介します。

目次

まずは「どんな音が鳴るのか」「音の発生するタイミング」をチェック

給湯器の音と一口に言っても、その種類は様々です。燃焼音なのか振動音なのか、はたまた電子音なのか…。まずは音の種類と発生するタイミングをチェックしましょう。

給湯器を使用した前後では音が鳴ってもおかしくないケースが多いので、「まったく触っていないのに音が鳴るのかどうか」は極めて重要です。音の種類の判別は主に以下の3パターンに分かれるので、どれに該当するかを確認してみてください。

  • 燃焼音:火が付いていないかどうか
  • 振動音:プレパージ、ポストパージの可能性や循環ポンプ動作音
  • 電子音:リモコンの電源が勝手にON/OFFしていないかどうか

給湯器を使っていないのに燃焼音が確認できる場合

燃焼、青い炎

水漏れ・お湯漏れがないかどうかの確認

「給湯器を使っていないのに燃焼音がする」という場合は、給湯器が燃焼していないかどうかを確認しましょう。確認方法として最も簡単なのは、リモコン(操作モニター)の表示を確認することです。

もし給湯器が燃焼しているのであれば、リモコンにも小さく炎のマークが表示されます。もし「お湯を使っていないのに炎マークが点灯している」という場合は、お湯配管のどこかから水漏れ(お湯漏れ)していることが考えられるので注意が必要です。

水道メーターがクルクル回っていないかどうかを確認したうえで、速やかに水道業者を手配することをおすすめします(どこかで水が漏れているなら、水道メーターが回り続けているはずです)。

水道メーターの位置は各家庭によっても異なりますが、上記画像のような位置に埋設されていることが多いです。

水道メーターと止水栓
水道メーターと止水栓

中には水道メーカーがあってその中にはいくつかのパイロット(円形のゲージ)がありますが、この中の1つは水を使用しているときに回転し続けるメーターになります。

配管内に空気が入ったりしていると揺れたりすることがありますが、基本的には「水を使用していないとき=静止、水を使用しているとき=時計回りに回転」するメーターです。

水を使っていないにも関わらず、このメーターが回転している場合は、お家の中の配管のどこかから水漏れしている可能性があり、その配管が給湯配管だとお湯を使っていないのに給湯器が燃焼するということになる場合があるので注意してください。

こたろー

水漏れ(お湯漏れ)がある場合は直ちに業者を手配することをおすすめします。このときは給湯器メーカーではなく、水道業者の方が話が早いことが多いです。

使用している給湯器が石油給湯器の貯湯タイプの場合はOK

  • 直圧式:蛇口を開けたときだけ燃焼し、その瞬間にお湯を作る給湯器
  • 貯湯式:常にタンクの中にお湯を作っておき、必要に応じてそのお湯を出湯する給湯器

石油給湯器には直圧式とセミ貯湯式の二種類が存在します。セミ貯湯式は電気ポットやケトルのようなイメージで、給湯器内部にあるタンクの中に常にお湯を作っておくタイプです。

直圧式の場合は蛇口を開けたときしか燃焼しませんが、セミ貯湯式の場合は「リモコン電源を入れている限り、内部のお湯の温度が下がると自動的に燃焼する(電源ON中は保温する)」ため、お湯を使用していなくても燃焼します。

即湯システムを組んでいる場合もOK

一般家庭ではあまり見ませんが、主に美容室などで「シャワーの最初に冷たいお湯が出てくるのが嫌だ」という場合に即湯システムを組んでいる場合があります。この場合は蛇口を開けなくても、給湯器が燃焼することがあります。

給湯器を使っていないのに振動音が確認できる場合

プレパージ、ポストパージの可能性

例えば一瞬だけお湯の蛇口を開けてすぐに閉じた場合、お湯は使っていなくても給湯器からは動作音が確認できると思います。最初に確認できる音は何かが回るような音です。

給湯器が動作する際は、点火する前に酸素を取り入れるためのプロペラが作動し、燃焼後は排気を出すためにプロペラが作動します。これを「プレパージ、ポストパージ」と言うのですが、蛇口を閉じてから1分くらいは普通にプロペラが回り続けるので、まずはこの可能性がないかどうかを確認してください。

循環ポンプによる凍結予防動作の可能性

リモコンに「*」のマークが点灯している
リモコンに「*」のマークが点灯している

さっきまでお湯を使っていたということがなく、プレパージやポストパージの疑いも一切ないという場合、今度は循環ポンプの動作音が怪しくなってきます。

特に寒い地域に住んでる場合、冬時期に確認できる動作音の場合は、給湯器の凍結予防が働いている可能性が高いです。これについても、給湯器のリモコン表示で凍結予防が作動しているかどうかを確認できます。

上記画像はノーリツ製の浴室リモコン(RC-G001SE)の凍結予防動作の表示です。リモコンの種類、メーカーの種類によって表示方法は異なりますが、何かしらの表示はあるので心当たりがある場合は取扱説明書を確認することをおすすめします。

給湯器を使っていないのに電子音が確認できる場合

リモコンが勝手に付いたり消えたりするという場合

給湯器リモコンの種類や設定によっては、電源のON/OFFでスイッチ音を伴っている場合があります。この状況で勝手にリモコンが付いたり消えたりする不具合があると、お湯を使っていないのに電子音が鳴るという症状になるでしょう。

この場合は給湯器から音が鳴るというよりも「給湯器が勝手に電源ON/OFFを繰り返す」という表現に近く、リモコンの故障やリモコン線の接触不良が怪しいです。

もしリモコンの交換となればそれなりの修理費用が発生しますが、リモコン線が腐食しているだけなら簡単な手直しで直せることも多いですし、勝手に電源が落ちてしまうとなれば「シャワーで髪を洗っている最中に水シャワーになってしまう」などのリスクもあるので、早急に修理することをおすすめします。

カチカチという甲高い音がする場合

電子音とは少し種類が異なりますが、なにかのスイッチをひたすらON/OFFした時の物理的な「カチカチカチカチ…」という音がする場合は、給湯器内の電装基板が故障している可能性が高いです。

これは一部の給湯器や暖房機に見られる症状ですが、基板内でのスイッチング動作が上手くいかず、基板は一生懸命オン信号を送っているのにオンにならない(一瞬オンになってもすぐにオフになってしまう)という症状です。

音を出しながらも使用できるケースはありますが明らかな故障の前兆のため、なるべく早くに部品交換することをおすすめします(E710等を伴う場合が多いです)。

機種によっては固着防止で動作することも

一部の暖房ボイラーに多いのですが、機種によっては「ファンモーターの固着防止のためにコンセントが差さっていれば勝手に動作する」ということがあります。もちろん勝手に燃焼するということはしませんし、あくまでファンモーターが回ったり、ポンプが回ったりする程度です。

暖房機の場合、春先から秋にかけて全く動かないのに冬になって急に動かすというケースが多く、その間にファンモーターなどが固着してしまうことがあります。これを防ぐための準備運動のようなカタチで、通電さえしていれば一定時間ごとに動作するという機種があるので、思い当たる場合は取扱説明書を確認してみてください。。

使ってない給湯器から音がする原因 まとめ

  • 使っていないのに給湯器から音がするという場合は、まず本当に使っていないのかどうかの確認から
  • 勝手に動くのが正常というケースも多いため、リモコン表示に特殊なマークなどが出ていないかも確認すること

私は毎日のように各家庭の給湯器の点検・修理を行っていますが「使っていないのに給湯器から音がする」という依頼のほとんどは、給湯器の仕様上であることが多いです。

あとは「床下でお湯配管に穴が空いていて、実際にお湯を使っているのと同じ状況だった」というケースもありました。この場合は漏水による水道料金とガス料金(または灯油料金)が発生してしまうため、早急に修理対応することをおすすめします。

音が鳴る場合はどんな音がどのタイミングで鳴るのか。本当に燃えていないかや、液晶パネルの表示を確認してみてください。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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