保証期間内でも給湯器の修理料金が発生する場合ってある?

「保証期間=すべて無料」ではない! 保証期間内でも給湯器の修理料金が発生する場合

 

給湯器は購入してから1年(BL品であれば2年)の保証期間があります(メーカーによっては購入後に申し込むことで保証期間が3年になったりと様々)。保証期間とはその名の通り保証する期間のことであって、原則として「この期間内に発生した不具合の修理には、料金は一切いただかない」というものです。

じゃあ保証期間内であれば絶対に修理料金がかからないのかと聞かれると、一概にそういうわけでもありません。今回は保証期間内でも修理料金が発生してしまうケースについて解説していきたいと思います。

目次

給湯器の製品保証期間で保証される内容

給湯器の製品保証期間で保証される内容 「なぜ故障したか」の説明が難しいもの

 

壊れた原因をしっかりと説明できるもの=有償修理

詳しい文面は、保証書や取扱説明書を見ていただければと思います。取扱説明書の裏面が保証書になっているケースが多いです。

基本的に保証期間内の無償修理が適用されるケースというのは「経年劣化という言葉を使うのも難しく、その故障理由がお客さんの使用方法や設置状況などに起因しないもので、有償修理とする場合にお客さんを納得させるのに困難な場合である」という必要があります。

分かりやすく言うと「お客さんの使い方とか設置状況に問題が無くて、お金(修理費用)を貰おうにもお客さんを納得させるのが難しい場合で、元々定められた保証期間内」に適応されるということです。

 

例えは悪いですが、生命保険でも自殺が適用されない場合があるように、給湯器も「わざと壊した場合」は保証が適用されません。

もしこれを認めてしまったら、みんな保証期間が切れる直前にわざと給湯器本体を壊して、新しい給湯器本体に替えてもらうでしょうから(中にはライバル社の本体をわざと壊すという人間が出てきてもおかしくないでしょう)。

そのような場合であれば、私のような修理業者が「いや、これは明らかに人為的な力で破壊されているので保証対象外です」とお客さんに対して説明できるので、原則としてお金は発生します。

 

使用期間が短くて「経年劣化」と説明できない=無償修理

一方で、私たちが壊れてしまった給湯器を診断し「理由はわからないがバーナーが壊れている」となったとしましょう。この場合、年数が経っている給湯器なら経年劣化という言葉を使ってお客さんを納得させるのですが、保証期間内であれば経年劣化という言葉も使いにくいです。

そんな時にお客さんから「何が悪かったの?(バーナーは何で壊れたの?)」と聞かれて、それに答えられないような場合に保証が適用されます。無理やり答えるのであれば「運が悪かった」となってしまうような場合です。

 

給湯器の寿命は7年~10年を基準に設計されていますが、5年くらい使っていれば「早いは早いけど、経年劣化という言葉を使っても問題ない」という部分が出てきます。

家庭によっては平均以上に使っているパターンもありますし、5年も使っていればその辺の材料は探せるのですが、さすがに使用開始から1年だとそんなに使用しているパターンもないですし…。こういう場合に修理のお金を貰おうとしても、到底納得してもらえません。

というわけで、原因不明で「運が悪い、機械にも当たりはずれがある」みたいな説明になってしまう場合は、製品保証の適用で無償修理になることが多いです。

保証期間内でも修理料金が発生するケース

保証期間内でも修理料金が発生するケース ユーザー側のミスや勘違いは保証されない

 

お客さんの使用方法に問題がある場合(破壊行為)

上の方でも軽く触れましたが、お客さんの使用方法が悪くて故障に繋がった場合は保証期間内でも有償修理になります。例えば「お客さんが何かをぶつけてリモコンの液晶部分が割れた」という場合は、壊れた理由がハッキリしていますよね?

それをお客さんが黙っていたとしても、我々が修理に伺って明らかに外観が破損しているリモコンを見れば「何かぶつけたんだろうな」というのが一発でわかるわけです。

これを保証として認めてしまうと、ほとんどのお客さんが保証期間ギリギリにわざとボイラーを壊すことを認めてしまうことになるので、このような場合には保証期間は適用されません。

「お客さんの使用方法に問題がある場合」というのは、必ずしもお客さんがわざとやっている場合という意味ではありません。

 

お客さんの使用方法に問題がある場合(使用ミス)

「お風呂のフィルターが上手くハマっていなかったせいで不具合が起きた場合」「お客さんが使用法を理解せずに故障だと思っていたものが正常だった場合」なども、原則は有償修理となります。

いわゆる「お客さんの使い方に問題があって、給湯器本体には何も不具合が無かった」という場合ですね。この場合は修理をする必要がないので、修理費用は掛かりませんが出張点検料が発生します。

 

「テレビが付かなくなった!」と騒いで修理業者の人を呼んだら、結果的にリモコンの電池が切れてただけというような場合に、修理業者もボランティアじゃないですから出張料を請求されることは珍しいことでもありません。

ちなみに給湯器ではリモコンが電池で動いているわけではないので、このような電池切れという初歩的なミスは起こりにくいのですが、意外と多いのが石油給湯器における燃料切れです。

このあたりの「故障かと思ったら故障じゃなかった」というよくある例については、給湯器の取り扱い説明書の後ろの方に記載されているので、修理依頼をする前に確認しておくことをおすすめします。

参考記事故障かと思ったらまずチェック!!給湯器の修理を依頼する前に知っておきたいこと

施工状況に問題がある場合

メーカーサービス(給湯器の修理業者)が給湯器を設置してくれた場合は、ほとんど施工不備はありませんが、あまりわかっていない設備屋が施工した現場では給湯器の施工方法が悪いせいで故障が発生する場合があります。

例えば給湯器の配管の施工ミスだったり、囲いを付けて排気がこもったことによる不完全燃焼など、その設置状況であれば機械を修理してもまた故障してしまうのが明らかな場合は修理料金+設置状況の改善費用が発生します。

ただしこれはお客さんサイドとしても納得のいかない話だと思うので、大半は悪い取り付け方をした設備屋が修理費用を負担するケースが多いです。そのためにも保証期間内に給湯器の故障が発生した際は、必ず給湯器を取り付けた会社に連絡するようにしましょう。

関連記事取り付けて間もないのにボイラー(給湯器)が壊れた場合は施工不良の可能性も

 

災害が原因の場合

一方で災害が原因で壊れた場合も、保証期間は適用されません。例えば大洪水が起きてボイラーが完全に水没したとなれば、壊れるのが当たり前だからです(壊れた原因も説明できますし)。

一方でグレーゾーンなのが落雷です。これは原則としては有償修理になるのですが、我々が診断しても「これは落雷が原因で壊れた」と断言できるケースは非常に少ないんですよね。

本当にその給湯器本体に雷が落ちて、外装も真っ黒に焦げているなんて場合はわかりますが、そうでもない限りはまずわかりません。基盤が焦げていたとしても、それが落雷によるものだと断言できる人間はいないでしょう。

 

そして、ほとんどの場合で基盤が焦げているなんてことにはなっておらず、見た目的には全くわからないケースがほとんどです(そういうこともあって落雷の修理だと「どこまで壊れているか」の判断が難しく、修理日数を要する可能性があります)。

結果的に言うと、落雷で故障した場合において保証期間内であれば「雷の可能性も考えられるが原因不明」として無償修理、保証期間外の場合は「原因不明だが雷の可能性が考えられる」として有償修理となることが多いです。

ちなみに「雷が原因で壊れたかも」と思い当たる節があっても、余計なことを言わなければ得になるケースもあるので覚えておくといいですよ(モラルの問題ですが…)。

関連記事もし雷が凄かった日から給湯器が使えなくなっても「雷のせいかも…」とは言わない方がお得ですよ

 

まとめ

保証期間内だからってお金がかからないとは限らない

 

意外と多いのが「故障だと思って修理依頼されたが、それは不具合じゃなくて仕様だった」というケースで、お客さん自身が取扱説明書を読んでいれば解決していたというパターンです。

これはお客さんも「なんだ、そんなことだったの」というリアクションになりますし、下手するとものの5分などで解決して出張料+点検料を取られてしまうということになります。

我々もさすがに出張料と点検料を貰うのは申し訳なく「出張料だけでも…」というカタチにする場合もありますが、原則としては出張料と点検料で5000円程度はかかるものなので注意してください(5分で原因が解決しても、本当に不具合がないかどうかの点検はしていきます)。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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