給湯器から熱いお湯しか出ない、シャワー等のお湯が熱いときの原因

給湯器のシャワーが設定温度より熱い! そうなってしまう原因を解説

 

「給湯器から熱いお湯しか出ない」という症状の多くは、エラーを出すこともなく、ユーザーを悩ませる症状の1つです。給湯器の温度調整不具合には「設定温度より熱い、設定温度よりぬるい」という2パターンが考えられますが、特に前者はシャワーで火傷をしてしまうリスクが考えられます。

実はこの症状、給湯器自体の故障も当然考えられるのですが、もしかすると使い方が悪くてそうなっているという可能性もあります。そこで「熱いお湯しか出ない/ぬるいお湯しか出ない」という人には、修理業者を手配する前にぜひ確認してもらいたいことがあるんです。

今回はシャワーや蛇口からのお湯が設定温度よりも熱いお湯しか出ない場合の原因について簡単に説明します。

 

 

目次

給湯器の温度調整の仕組みについて

まずは簡単に「給湯器のお湯がどのような形で調整されるか」について簡単に説明します。給湯器では通常、リモコンで何度に設定していようが70℃前後の熱いお湯を作っており、設定温度になるように水を混ぜたり湯量を絞ったりして出湯しています。

温度調整に関わっている部品は主に2つです。以下のどちらかに不具合が出ていると、シャワーやお湯の温度が熱かったり冷たかったりという症状になります。

 

お湯に水を混ぜている部品(水比例弁等と呼ばれている部品)

出湯量を絞っている部品(水量サーボ等と呼ばれている部品)

 

これらの部品にもエラー番号は搭載されていますが、多くは「給湯器自体は正常だと思って誤作動している」という状況になってしまい、エラーを出すことばかりではありません。

エラーが出ていないということで「給湯器の故障じゃないのかな?」と思う人がいるかもしれませんが、仮にぬるいお湯しか出ないという症状で普段よりも設定温度を上げて調整しているという場合、ふと症状が直ると蛇口やシャワーからは熱いお湯が出てくることが想定されるので注意が必要です。

 

シャワーが熱いという場合にまず確認すべきこと

シャワーが熱いという場合には、給湯器が悪いパターンと給湯器以外に原因があるパターンが考えられます。まずはそれをハッキリさせたいので、以下の項目について確認してみてください。

 

熱いのはシャワーだけなのか全ての蛇口なのか

まず調べて欲しいのが、設定温度よりも熱いお湯が出るというのが「シャワーだけなのか/全ての蛇口でそうなのか」です。もしシャワーだけならシャワーに問題があることが考えられますし、全ての蛇口でそうなのであれば給湯器に問題がある可能性が高くなります。

もし給湯器に不具合が出ているのであれば、お湯が出る箇所は全てで同じ不具合が出ないとおかしいので、まずはそれを確認してみてください。

設定温度は給湯器の設定温度かどうか

 

よく「設定温度よりもシャワーが熱い」という修理依頼をもらってお客さんのお家に訪問すると、設定温度というのは給湯器では無くてシャワーのサーモ部分ということがあります。例えば「給湯器の設定温度を60℃くらいにしていて、シャワーのサーモ部分で40℃に合わせているのに、実際に出てくる温度が50℃くらい」というケースです。

このような場合は給湯器の不具合ではなく、シャワーのサーモバルブの不具合と考えられます。もしかするとサーモバルブの不具合ですらないかもしれません。サーモバルブにはあたかも「この温度になります」という感じで温度の目盛りが刻まれていますが、その数字は目安であって正確なものではない可能性が高いです。

 

もしシャワーのみで設定温度通りのお湯が出ないと考えている場合は、一旦給湯器の温度設定を40℃くらいにしてもらって、シャワーのサーモバルブを目一杯上げてください。上記の画像で言えば「H」の位置まで回すことになります。

その時の温度が給湯器の設定温度になるようであれば、給湯器ではなくてシャワーのサーモバルブが故障している可能性が高いです。意外とシャワーのサーモ部分の仕組みは知らないお客さんも多いので、気になる方は以下のリンク記事を読んでください。

参考シャワーのサーモでは温度を低くしかできないって知ってた?

 

出湯量を極端に絞っていないかどうか

 

シャワーに限らず蛇口から出るお湯もそうなのですが、給湯器がギリギリ動作する程度の出湯量でお湯を出せば、設定温度よりも熱いお湯が出ます

節水を心掛けて蛇口で湯量を絞っているという家庭は少なくありませんし、最近のエコ給湯器には最初からエコモードと呼ばれる節水機能が搭載されていたりするので、それが原因で温度調整機能に不具合が出ているのかもしれません。

そこで蛇口を全開に開けて、非常に勢いの強い状態で試してみても温度が熱いかどうかを確認するのが有効です。ただし極端に熱いという症状が出ている場合は火傷してしまう可能性があるため、洗面器と水温計を使って計測するなど安全面には十分に注意して行ってください。

 

メモ

給湯器の温度調整をする部品に「出湯量を絞る部品」があると書きましたが、場合によっては「給湯器で出湯量を絞って温度調整したものを、ユーザー側が更に出湯量を絞って温度調整している」という状況が想定されます。給湯器の出湯量を絞るという行為は、給湯器から出るお湯を熱くする可能性があるので注意してください。

 

サーボモータの不具合なら部品交換で2万円前後

 

もし給湯器に不具合があるという場合、温調に関わっているサーボモータが故障している可能性が高いです。上にも書きましたが、温度調整に関わっている部品は2つあります。そのどちらかの交換が必要なのであれば、大体の目安が1点あたり20000円前後の修理となるでしょう。両方交換する場合は30000円くらいになることが多いです。

ただし私の体感上、最近の機種は温度調整部品の精度・耐久性が非常に上がっているように感じているので、古い機種でもなければ給湯器外に不具合があることが多いんじゃないかと思っています。

 

給湯器の耐用年数は7年~10年となっていて、この時期に温度調整をする部品が故障してしまったという場合、これらを交換してもまた別の場所が故障してしまう可能性が大いに考えられるので、修理金額が20000円を超える場合は給湯器全体を交換することも考えた方がいいでしょう。

関連記事給湯器の寿命は10年ではなく7年~10年というのが修理のプロの見解です

 

まとめ

シャワーが設定温度よりも熱い場合は、まず「その症状がシャワー以外でも出るのかどうか」を確認する

シャワーだけなら、給湯器の温度を下げてシャワーのサーモ部分を目一杯上げた状態で正常な温度が出るかどうかを確認する

もし節水している場合は、一旦正常な水圧に戻して確認する

 

まずは上記の3点を確認し、シャワー以外でもその症状が確認できた場合は給湯器の修理が必要になるでしょう。一方でシャワー以外の部分では正常なのであれば、シャワー水栓のサーモ部分の修理・交換になるんじゃないかと思います。

もしシャワー水栓が怪しいという場合であれば、給湯器のメーカーに電話するのではなく、シャワー水栓のメーカーや水道屋さんに連絡した方が話は早いかもしれません。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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