石油給湯器は大きく分けて2種類!直圧式と貯湯式の違いについて説明する

石油給湯器を選ぶうえで考えなくてはならない項目は多々あります。例えば「燃焼能力」や「グレード」なんかがそうですね。

10年程度付き合っていく機械ですから、もし変に出費をケチって不便さを感じるようになってしまっては元も子もありません。

特に判断を間違いたくないのは「直圧式」と「貯湯式」の選択肢です。

 

大体のご家庭では、給湯器を交換する際に「家を建てた時に選ばれた種類と同じタイプ」を選択していると思いますが、それが正しい選択とは限りませんよ。

 

というわけで今回は、石油給湯器における「直圧式」と「貯湯式」の違いを簡単にご説明します。

目次

はじめに

お家を建てる際に、ちょっとした希望はハウスメーカー等に依頼することはあっても、給湯器の種類まで希望する人は少ないのではないでしょうか。

 

そのため多くのお家で最初に取り付けられる給湯器は、大工やハウスメーカーなどの選定によって直圧式か貯湯式かを選ばれているケースが多いです。

 

配管の距離や取り付け場所によって、選定者がベストと考える製品が選ばれていることと思いますが、それが使用者にとってベストかどうかはまた別の話なわけで…。

自分のための選択肢は多ければ多いほどいいと思いませんか?

 

以下では、それぞれの給湯器の違いについて詳しく掘り下げていきたいと思います。

 

直圧式給湯器とは?

水圧が強い

細かな温度の設定が可能

製品ラインナップに据置型と壁掛け型がある

お風呂を沸かすのが早い

メンテナンス時の修理費用は高め

どちらがいいか迷った場合は直圧式の方が無難

石油給湯器を使用しているご家庭の場合、シェア的に多いのがこちらの直圧式タイプです。

「どっちが便利?」と聞かれたら、間違いなくこっちですね。

台所やシャワーなどでお湯を使用する際に水圧が強く、そして40℃なら40度、42℃なら42℃のお湯がピンポイントで出せます。

 

洗面所やボイラー室など、お家の中にボイラーを設置している場合は少しでもスペースを広くしたいということもあり、スリムな本体の方が好まれると思うのですが、直圧式であれば壁掛けタイプがあるので、お家の中に設置されていても限りなく邪魔にならないように取り付けることもできますよ。

 

給湯器を交換する際に「直圧式→直圧式」であれば問題ありませんが「直圧式→貯湯式」は大幅に不便になることが予想されるので、よほどの理由がない限りはオススメしません(「貯湯式→直圧式」の注意点については後述しています)。

 

ちなみにガス給湯器の場合は、ほとんどが直圧タイプとなっています。

 

貯湯式給湯器とは?

減圧されているため、水圧は一般的な水道よりも弱くなる

細かな温度の設定ができないケースが多い

壁掛けタイプが無く、機器本体は総じて大きい

お風呂を沸かすのに時間が掛かる

メンテナンス時の修理費用は安め

水質が悪い場合は、直圧式よりも遥かに優秀

簡単に言えば、お湯を作って給湯器の中に貯めておくタイプです。

田舎にお家があり、地下水を使用しているというご家庭の場合は、十中八九が貯湯式ではないかと思います

 

理由としては、直圧式の給湯器は内部のほとんどが銅でできているので、ミネラル分が多い地下水だとすぐに配管に穴が空いて漏水してしまうからです。

それに比べて貯湯式であれば、熱交換器がステンレスで作られているので腐食に強くなっています。

 

また、メンテナンスの場合に悪くなる場所が限られていて、直圧式と比較すると熱交換器の交換はほぼしませんから、修理費用も安い場合が多いですね(本体が安いからって説もありますけど)。

 

あとは設定温度が細かく設定できず、大まかな数字で「大体50℃」のお湯を出してそれに水を混ぜて使用するというような機械が多いため、台所などの水栓がツーハンドル(レバーじゃないやつ)だと難儀します

 

あとすぐにお湯を使いたい場合は電源を入れておく必要があるんですが、定期的に燃えるので音が気になるかもしれません。

 

直圧式と貯湯式の違い

大まかな特徴を比較してみる

直圧式 貯湯式
本体価格 やや高い傾向 やや低い傾向
機器寿命 7年~10年 7年~10年
水圧の強さ 水道と同じ 水道より弱い
燃焼のタイミング 使用するとき 電源が入っている間
温度 1℃単位で設定 数段階で設定
燃費 普通 やや悪い

非常に大雑把ではありますが、直圧式と貯湯式の大まかな違いを表にしてみました。

同性能を持つ給湯器同士を比較すれば、直圧式の方が金額的に高くて性能も上です。

 

耐用年数に関してはほとんど大差はありませんが、個人的には貯湯式の方がシンプルな分、長持ちすると思っています。

かと言って10年以上使用できて当たり前というものではないため、過度な期待は禁物です(詳細は後述)。

 

1番の違いはその名の通り、水道の圧力がそのままか減圧されているかの違いですね。

「シャワーの水圧が弱いのは嫌だ!」という人が貯湯式のボイラーを使っていると、あまり望ましい状況とは言えないです。

 

それから貯湯タイプは水栓から出すお湯を機械の中で作って貯めておいているため、時間が経過してぬるくなったら温め直すために着火します。

電源を切っていれば勝手に燃えることは無くなりますが、今度はお湯が使いたい時にすぐ使えないという不便さを感じるでしょう。

 

上の方にも書きましたが、どっちにしようか悩んでいる理由が価格的な問題であれば、頑張って直圧式にした方が後悔せずに済むと思いますよ。

貯湯式で慣れていれば別ですが、直圧式に慣れているにも関わらず、この先10年間も貯湯タイプと付き合っていくのは苦行と言っても過言ではありません。

 

機器寿命についての補足

一般的に給湯器の寿命は7年~10年と言われていますが、直圧式に比べると貯湯タイプは10年以上使用できるケースが多いです。

理由としては熱交換器が丈夫かどうかという部分が大きいと思います。

 

例えば使用8年で10万円を超える修理になってしまう場合、買い替えるか修理するかで悩むお客さんは多いんですよね。

これが5万円の修理となれば「今は余裕が無いから」という理由で、買い替えではなく修理に傾く率はグッと高まるでしょう。

 

給湯器で高い部品の代表格は「熱交換器」「バーナー」「リレー」です。

直圧式は熱交換器が銅で作られていて、経年劣化によって穴が空き漏水してしまうケースが少なくないのに対し、貯湯式はパイプ接続部のパッキンだけで直る場合が多いので、修理金額に大きな差が出ます。

 

なので、貯湯式だからと言って15年も20年も持つケースは非常に少ないものの、7年そこらで買い替えを検討するご家庭が少ないという意味では、貯湯タイプの方が長持ちする傾向にあると言えるでしょう(地下水を使用している場合は、この限りではありません)。

 

貯湯式→直圧式の注意点

例えば「長らく貯湯式を使っていたけど、水圧が強い直圧式というのがあるならそれに替えたい」という方もいらっしゃるのではないかと思います。

よほどのことが無い限り問題はありませんが、古いお家の場合は水圧に配管が水圧に絶えられるかどうかの注意が必要です。

 

これまで私が施工してきたお家で、貯湯タイプから直圧タイプに交換して配管が水圧に耐えられなくなった現場というのは見たことがありませんが、同僚の現場でそのようなことがあったという話は聞いたことがあるので、事前に施工会社に相談することをおすすめします。

 

また、地下水を使用している場合は問答無用で貯湯式を選んだ方が無難です。

特に貯湯タイプであれば「地下水の使用に特化した給湯器」も用意されているので、併せて確認することをオススメします。

参考井戸水や地下水使用の場合はそれに対応している石油給湯器がおすすめ

 

まとめ

「本体が安いから」という理由だけで貯湯式にすると後悔するかも

機器寿命は原則的にはどちらも一緒

地下水使用以外の理由で悩むなら、とりあえず直圧式でOK

個人的には直圧式の方が遥かに便利なので、直圧式をおすすめします(ただし地下水の場合は痛い目に遭うので注意してください)。

 

金額で悩んでいる場合は、直圧式の中にもお湯張り機能の有り無しや燃焼能力などで安くすることができるので、施工店に問い合わせてみるのもいいでしょう。

カタログに載っているのは定価なので、交渉次第ではグンと安くなりますよ。

 

何より10年も連れ添う機械ですから、目先の金額に囚われて悪い判断をしてしまわないよう、十分に注意してください。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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