このページではノーリツ製給湯器のエラーE370について、考えられる内容と対策について解説していきます。E370はバーナーに搭載されている気化器(気化サーミスタ)異常のエラーで、余熱動作ができないときに出るエラーです。
ここで紹介する事例はあくまで「このような内容であることが考えられる」というものであり、絶対にそうだというわけではありませんのでご了承ください。
ノーリツ製給湯器 E370のエラー内容
E-370:気化サーミスタ異常
石油給湯器の壁掛けタイプ限定のエラーで、余熱に関わっている気化器の異常です。気化器はバーナーと一体化になっており、液体燃料の灯油をガス状にする特性を持っています。
この機能を有する給湯器はリモコンの電源を入れると「予熱します」という音声が流れ、お湯が使用できるようになるまで1分~2分程度待たなければならないタイプの給湯器です。
気化サーミスタが機能しておらず、灯油をガス状にできない状態であればお湯を使うことができません。「予熱します」と言ったっきり予熱が終わらない、あるいは給湯器の電源を入れた瞬間にE370などの表示がされるケースが多いです。
E370で考えられる不具合の内容
- バーナーの不具合
- 電装基板の不具合
基本的にE370は気化器(気化サーミスタ)の異常ということになるのですが、気化器はバーナーと一体化しているので、修理するとなればバーナーごと交換するということになります。実際にE370を出しているバーナーを外して確認してみると、気化器が熱で変形していたりすることもあり、経年劣化によって燃焼状態が良くなかったことが伺えるケースが多いです。
あとは電装基板が原因でE370を表示している場合もあり、バーナーの交換だけでは済まないことも少なくありません。燃焼不良によって熱交換器とバーナーが詰まっていて、さらに基板の交換も必要になればこれだけで修理費用は10万円近くなってしまうでしょう。
ちなみに壁掛け石油給湯器のE370は、給湯器全体の故障内容を見ても非常に多く見られる不具合の一つです。多くの場合で「バーナーの経年劣化によって燃焼状態が悪くなり、その負担が気化器にかかってしまった」というパターンが多いような気がします。
石油給湯器ユーザーはE370の故障をきっかけに新しい給湯器を交換する人が多いです。
E370が表示されたときの対処方法
ユーザー自身で対処できることはありません。
このエラーは何も悪くないのに偶然出ることがあるという内容のエラーではないため、早期に部品交換などの対処をすることで、被害を最小限に食い止めることができる可能性があります。
もし「電源を入り切りしたら使用できるようになった」という場合でも、すぐに使用できなくなる可能性が高く、あるいは騙しだまし使用することで熱交換器が詰まるなど被害が拡大してしまう恐れがあるので、直ちに修理依頼をするようにしてください。
E370の修理金額の目安
- 考えられる故障部品:バーナー、電装基板
- 修理参考料金:30,000円~80,000円程度(税込)(出張費:上限3,300円+故障診断料を含む)
バーナー部分だけで済めば30,000円~40,000円程度。バーナー+基板で50,000円~60,000円が大体の目安でしょうか(機種によって部品代が多少前後します)。
燃焼状態が良くなかった状態で使用している期間が長ければ長いほど、熱交換器が詰まりを起こしている可能性があり、その場合は熱交換器や安全装置類の交換も必要になります。バーナー+基板+熱交換器だと10万円コースです。
年数の経過している石油給湯器の場合、修理せずに買い替えた方がいい内容であることが多いと言えるでしょう。給湯器の機器寿命は7年~10年となっています。
ノーリツ製給湯器のエラーE370 まとめ
- 給湯器のエラーE370は気化器と呼ばれる部品のエラー
- 気化器だけの交換は難しく、バーナーごと交換になる
- 燃焼状態が悪かった場合は煤詰まりを併発していることが多く、熱交換器の交換が必要になることも
- 経年劣化によるE370は買い替えになりやすいエラーの一つ
E370は経年劣化している給湯器に引導を渡すことが多いエラーです。石油給湯器の場合、ユーザーにとっては一番か二番に見たくないエラーコードと言っても過言ではありません。
症状も余熱が終わらずにお湯が一切使えないというケースが多いため、E370を確認したらすぐに修理依頼することをおすすめします。使用年数が7年以上に差し掛かっている場合は、買い替えも含めて検討してみてください。
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