エコジョーズにして後悔してしまう瞬間|後悔しない機種選びをするために

 

給湯器を選ぶというのは、10年に一度の大イベントです。しかしながら、多くの人にとって「毎日使用する物なのに関心が低い」ような気がします。

スマホを選ぶときは真剣になったりするのに、給湯器を適当に選んでいるんだとしたら勿体ないですよ。特に施工業者の言うままに選んでしまったのでは、後で大きな繋がってしまうかもしれません。

 

今回はガス給湯器の中の「エコジョーズ」にポイントを絞ってご紹介したいと思います。エコジョーズを選んで後悔した人、失敗した人の意見を挙げつつ、どうすれば良いかについてまとめてみました。

ガス給湯器の交換に悩んでいる人、エコジョーズにしようかエコキュートにしようか悩んでいるという人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

エコジョーズって何?

 

多くの人は「エコジョーズって何?」という感じなのではないでしょうか。エコジョーズとは「エコなガス給湯器」だと思ってもらってOKです。ちなみにエコな石油給湯器はエコフィールといい、エコキュートというのは電気でお湯を作る機械のことを指します。

従来のガス給湯器と比較するとエコジョーズは格段に燃費効率が向上しており、4人家族の一般的な使用料で考えると年間2万円~3万円程度のガス代が節約できるとPRされています。

以下のリンク記事に「エコジョーズのメリット・デメリット」をまとめているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

関連記事給湯器修理のプロが「エコジョーズのメリット・デメリット」について分かりやすく説明する

 

エコジョーズを選んで後悔してしまうパターン

ドレン排水のための配管を増設しなければならない

 

石油給湯器からエコジョーズに交換する場合、あるいは従来型のガス給湯器からエコジョーズに交換する場合に、後悔してしまいがちなポイントの1つが「排水管を1本増やさなければならない」という点です。

従来の給湯器は「給水、出湯の2本」の配管、あとは風呂機能があるなら「風呂水の往きと戻りが2本」と、暖房機能があるなら「暖房水の往きと戻りが2本」で、最大でも6本の配管が床下や地面から出てきて給湯器と接続されていました。

 

エコジョーズは、これに加えて1本の排水管が必要となります。屋内に設置するなら、床に穴をあけて床下で既存の排水管と接続するという作業が必要になりますし、屋外に設置するなら必要に応じて排水管を埋設して既存の排水管と接続することになるでしょう。

お客さんによっては「そこまで大きな工事になるなら従来型でも良かったのに」という人もいます。大事なお家の床に穴を空けられてしまうということに抵抗がある人も少なくありません。

 

一軒家ならまだいいのですが、これがマンションとなると排水管を増設するのが大変な現場も多く、ドレン排水切り替えユニットという物を使ったりします。

これを購入すると別途15000円~20000円程度の費用が発生しますし、各メーカーで機械が異なるので「今までリンナイのエコジョーズを使ってたけど、ノーリツのエコジョーズに替えようと思う」という時に困るかもしれません。

中和器の交換が必要になる

エコジョーズは従来型のガス給湯器と比べて燃費が良くなっていますが、燃費を良くするために従来型よりも多くの部品が搭載されています。

そのうちの1つに「中和器」と呼ばれる部品があるのですが、これは使用時間が定められており、給湯器を一定時間稼働させると必ず交換が必要になってしまう部品です。

関連記事ノーリツ製ボイラー(給湯器)のエラー920、930について

 

従来型の給湯器なら運が良ければ10年間無故障なんてこともありましたが、この中和器の存在によってエコジョーズで10年間無故障というのは、ほぼ可能性が無くなったと言っても過言ではないでしょう。

ちなみに中和器寿命による中和器交換の修理費用は、大体15000円前後となっています。

 

そもそもガス代がそんなに安くなっていない

 

こちらはリンナイの公式ホームページに掲載されている、従来型のガス給湯器とエコジョーズの光熱費を比較した棒グラフです。1年間で約12200円安くなると記載されていますが、これには前提条件があります。

その前提条件に少し悪意があるというか、よく言えば「よく見せるための工夫」になるんでしょうけど、実はこれ「LPガスの使用が前提の料金」なんです。

一般的に都市ガスとLPガスを比較するとLPガスの方が高いですから、「なるべく高くなるようにシミュレーション結果を出して、コスパを良く見せようとしている」ような気がしないでもないんですよね。

 

年間で約12000円ということは、月々1000円程度のガス代を節約できるということになるじゃないですか?月々8000円くらい使っている人なら1000円の節約も現実的でしょうけど、月々4000円の人が1000円を節約できるかどうかと言えば疑問が残ります。

若いお子さんがいる3人以上の家族ならペイできても、お年寄りの2人暮らしなどの環境で、各メーカーが謳っているようなコスパを実現できるかどうかは、また別の話です。

 

エコジョーズとエコキュートならどっちがいい?

 

最近の新築住宅では、エコキュートが流行っているように思います。オール電化のお家が増えていて「そもそもガスを必要としない」というご家庭で、エコキュートを選択しているケースが多いです。

ガスコンロではなくIHを採用するのであれば、エコジョーズよりもエコキュートの方がいいかもしれません。逆に「IHよりもガスコンロがいい」というのであれば、エコキュートを採用するメリットはあまり無いと言えるでしょう。

 

ガス機器が給湯器しかないという状況であれば、その給湯器をエコキュートや電気温水器に交換することで、家にガスを引かなくてもいい状況になりますからね(ガスの基本料金すらも発生しなくなる)。

「ガスコンロを始めとするガス機器が一切不要」という人は、エコキュートのメリット・デメリットを調査したうえで、検討してみることをおすすめします。

 

まとめ

エコジョーズで後悔するのは「事前説明をよく聞かなかったパターン」に多い

エコジョーズは一長一短、人によってメリットとデメリットがある

 

何でもそうですが、使用する人によってメリットとデメリットがあります。ご家族の人数が多く、ある程度のガスを使用しているというのであれば、エコジョーズの方が元は取りやすいことは間違いありません。

ただ、各メーカーはエコジョーズを売りたいがために「普段からガスをそんなに使用しない家庭にまで『お得ですよ!』と言って売りつけている背景」みたいなものも存在します。

いずれにしても、後悔しているお客さんの多くは「詳しく説明を聞かずにエコジョーズを選択してしまい、後から色々としって後悔している」というケースが多いような気がするので、ちゃんとした説明を受けたうえで検討するのがおすすめです。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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