外設置エコ給湯器のドレン配管にも凍結予防が必要

外に設置しているエコ給湯器のドレン配管 寒冷地なら凍結予防を忘れずに

雪国の屋外配管には凍結予防ヒータを巻いているという現場が多いと思いますが、給水配管や給湯配管だけではなく、ドレン配管にも凍結予防を施す必要があります

給水配管や給湯配管が凍ってしまうと、お湯が使えずに不便になってしまうという理由がありますが、ただ機器内部の結露を捨てるだけのドレン排水が凍ることで何か困ることがあるのでしょうか。…あるんです。今回はそれについての説明です。

目次

ドレンとは?エコ給湯器ユーザーが知っておくべき知識

給湯器のドレンってなに?

まずはドレンについて説明します。給湯器におけるドレンは「エコ給湯器が内部で結露することによって生じた液体」のことです。ドレン排水と呼ばれたりもします。

従来の給湯器はドレンが発生しませんでしたが、エコ給湯器になって燃費を良くするためにドレンが発生するような仕組みになりました。なぜドレンが発生してしまうのかについてはここでは割愛しますが、興味のある方はエコ給湯器の仕組みの記事をご覧ください。

ドレン配管とは

エコ給湯器のドレン配管の位置

ドレン配管とは高効率タイプ(エコタイプ)の給湯器で施工しなければならないドレン排水用の配管です。上記画像で言えば赤丸を付けた⑤の配管を指します。

ドレンは給湯器の結露であり、その性質は酸性です。そのまま排水してしまうと配管などを腐食させる可能性があるので、給湯器内で中和されてからドレン配管を通って排水される仕組みとなっています。

エコ型給湯器はこのドレン配管が必要です。ただしお家の中に設置している場合は、直接寒い風が当たったりすることがないので、ドレン配管に凍結予防が必要なのは基本的には屋外設置型の給湯器になります。

ドレン配管が凍結予防されていない場合

ドレン配管が凍結予防されていない場合 中和器に水が溜まって給湯器が動かなくなる

配管が凍結し、ドレンの通り道に蓋がされてしまう

雪国住まいの人なら容易に想像できるかと思いますが、配管を伝う水が凍ってしまうとそれがつらら状の氷となり、ドレン配管に蓋をしてしまう可能性があります。

ドレン配管が蓋をされた状態になってしまうとドレンがうまく排水されず、徐々に配管内に溜まってしまいます。最終的には後述しているE290等のエラーに繋がりますが、この段階で凍結を復旧することができれば問題ありません。

中和器から排水されずに水が溜まる

本来であれば中和器で中和されたドレンが排水されていくのですが、配管の出口で凍ってしまっていると排水できず、徐々に水位が上がっていきます。

そして中和器のある位置までドレンが溜まってしまうと、E290を出して機器が止まってしまうという仕組みです。これはエコタイプの給湯器の施工になれていない設備屋などが施工した場合に、よく見られた事例の一つとなっています。

最近はこの手の施工ミスもかなり減ってきましたが、もしエコ給湯器に交換して1年目の冬にE290が出た場合は、こいつが原因かも知れません。

ドレン配管に凍結予防を施すためには…

業者の施工不備ということで取付業者にやらせるのが一番手っ取り早いとは思いますが、ホームセンターなどでも手に入る凍結予防ヒーターを巻きつけるのが楽なのでおすすめです。

ただし屋外コンセントの数によってはヒーターを一本増やすということが困難になる場合があるので、長めのヒーターを購入して給水・給湯・ドレンをそれぞれカバーしなければならないかもしれません。もちろん屋外コンセントを増設してもいいです。

ちなみに配管に巻き付けるタイプのヒーターは非常に便利なのですが、冬場はずっと働きっぱなしで消費電力も無視できなくなってしまうので、電気代を抑えたい人は節電器の導入をおすすめします。

まとめ

ドレン配管の凍結予防をし忘れるとE290が出る可能性がある

最近はエコ給湯器もだいぶ普及してきたので、この手の施工不備は少なくなってきました。しかし全く無いというわけではないので、心当たりのある人はぜひ自宅のドレン配管をチェックしてみてはいかがでしょうか。

ちなみに購入して間もない給湯器だったとしても、凍結でメーカーを呼んでしまうと有償修理になります。このような場合は施工店に真っ先に連絡するのが賢明です。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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