給湯器修理で一番高い部品は〇〇|使用年数によっては本体交換推奨

給湯器修理で一番高い部品は〇〇|使用年数によっては本体交換推奨

給湯器には実に多くの部品が取り付けられています。給湯器修理をしたことがある人はお分かりだと思いますが、給湯器の修理は決して安くありません。

部品1点につき5,000円~10,000円の作業工賃がかかるので、出張料を含めると10,000円以内で済むことはほとんどないのではないでしょうか。どんなに安くても部品交換をすれば20,000円くらいにはなってしまいます。

多くの修理担当サービスマンは、交換した部品を実際に見せてくれるでしょう。そして「なんでこんな小さな部品を替えただけでこんなにお金がかかるのか」と驚いた人もいるはず。というわけで今回は「給湯器の部品の中で一番交換するのにお金が掛かる部品」を紹介します。

目次

給湯器の修理作業料が一番高いのは熱交換器

熱交換器

給湯器修理の中で熱交換器の交換が最も手間の掛かる作業

これはどの機種でも共通で、作業料としては熱交換器の交換が一番お金のかかる修理です。上記画像の上部にある銅色の箱のような部品が熱交換器になります。熱交換器内は迷路のようにパイプが張り巡らされていて、このパイプをバーナーで熱することによって水がお湯に変わる仕組みです。

部品自体はバーナーの方が高い機種が多いのですが、この熱交換器の交換作業が一番面倒なので作業料が高く設定されています。機械の中の水を全て抜かなくてはなりませんし、壁掛けタイプならともかく床置きタイプだと部品を外すまでも一苦労です。

熱交換器の交換が必要になるのは漏水か詰まり

熱交換器を交換しなければならない症状の大半が漏水か詰まりです。部品交換する過程で汚れてしまう可能性が高い修理内容なので、修理をする私たちにとってもテンションが下がってしまうことが多いのですが、何より「お客さんのお家を汚すわけにいかない」というのがプレッシャーになります。

特にお家の中にあるタイプの石油給湯器だと、現場を汚さないためにも本体ごと取り外して外に持って行って作業することが多いです(その点、ガス給湯器は部品が小さいのでいくらか楽)。

ちなみに熱交換器は機種によって複数付いています。主に給湯回路とふろ回路で分かれていたり、あとはエコタイプの場合だと二次熱交換器と呼ばれる「排熱を熱交換するための部品」も付いています。

こたろー

エコジョーズやエコフィールなどの高効率型給湯器には、従来型よりも多くの熱交換器が搭載されているので、熱交換器が故障する確率を考えると修理費用は高くなっていると言えます。

給湯器の熱交換器の交換作業料は約20,000円

熱交換器の部品交換となると、作業料はこれだけで約20,000円です。あとはバーナーを交換しようが電装基板を交換しようが、これ以上修理料金が増えることは原則ありません。ただし一点だけ注意店があります。それは別途費用が発生する可能性です。

熱交換器の交換はそれなりに作業スペースを必要とするため、そのまま部品交換するのには設置状況が悪く、給湯器本体を取り外して作業しなければならない場合などは、これに上乗せして本体脱着料金が別途必要になる場合があります。

ちなみに給湯器の1回の修理料金における作業料の上限金額も20,000円程度なので、経年劣化している給湯器の熱交換器交換をする場合は、他の部品も一緒に交換する傾向が強いです。ちょっとしてから別の箇所が故障したときはまた0から修理費用が発生してしまうため、何度も修理作業料を貰うよりも1回で済ませたいという感情が働きます。

例えば15000円の熱交換器と1500円の温度ヒューズを1回で修理した場合と、2回に分けて修理することになった場合の料金の違いは以下の通りです。

  • 【1回で修理完了】熱交換器(15,000円)+温度ヒューズ(1,500円)+作業料(20,000円)+出張料(3,000円)=39,500円
  • 【2回修理】{熱交換器(15,000円)+作業料(20,000円)+出張料(3,000円)}+{温度ヒューズ(1,500円)+作業料(10,000円)+出張料(3,000円)}=52,500円
こたろー

古い給湯器を修理する場合は別のエラーが立て続けに出ることが多いため、最低限の修理をして何度も修理になるくらいなら、最初の1回で大幅に修理をすることが多いです。

逆に一番安い作業は?

  • 分解清掃、軽い調整:3,000円~4,000円程度
  • パッキンなどの非性能部品の交換:3,000円~5,000円程度
  • 水メカや安全装置などの性能部品の交換:10,000円程度

「じゃあ一番安い作業にはどんなのがあるの?」というと、水通路部のパッキン交換とかは機種によっては5,000円を切りますし、部品を交換しない調整だと3,000円~4,000円くらいです。

具体的には「エア抜き、水抜き依頼、リモコン線の手直し、フィルター詰まりの掃除」などが該当します。これらは金額的には安いですが作業内容も楽なので、我々にとって美味しい修理というわけではありませんが特に不満も無い修理です。

ただしお客さんからしたら、作業料だけでなく出張料も加わるので「フィルターを掃除しただけで10,000円くらい取られた」というように不満に感じる人も少なくないだろうと思います。

簡単に済むような内容の場合、取扱説明書の「故障だと思ったら」の部分を読んでいれば、ユーザー自身で解決できるケースが少なくありません。修理依頼をする前に、まずはセルフチェックをおすすめします。

使用から7年以上が経過した給湯器の修理はよく考えよう

使用から7年以上が経過した給湯器 高額修理が必要な場合はよく考えよう

給湯器の機器寿命、耐用年数は7年~10年

給湯器の機器寿命、耐用年数は7年~10年です。これは給湯器の設計基準が「1日1時間の使用で約10年使えるように…」という基準で設計されていることによるものです。

1日あたりの給湯器の使用時間は、全国的な平均を考えると1時間を少し上回るのではないかと思います。ゆえに10年を持たずして給湯器が故障してしまうという家庭が多いというのも一つの事実です。

それを踏まえて、使用から7年以上が経過した給湯器を修理する際は慎重に検討することをおすすめします。特に熱交換器などの高額修理に踏み切る場合は、ここ以外の部品が壊れてしまうリスクを考えなければなりません。

高額修理後、トラブルになるケースは少なくない

修理の説明をする修理業者は「修理じゃなくて本体交換した方がいい」と簡単に言います。これは新しい給湯器を売りたいという感情もありますが、一番は「あちこち修理が続いた時にトラブルに発展することが多いのを理解しているから」です。

こっちは「だからあの時、修理しないで本体を新しくすれば良かったのに…」ということは口が裂けても言えません。しかしお客さんの中には「あの時、あなたがもっと強く本体交換を勧めていれば…」みたいな憎まれ口に繋がることも少なくないんですよね。

修理して長く使えるケースもありますがそうならないことの方が多く、しかも「あの時、本体交換しなければ良かった」というカタチで後悔することはほとんどないので、使用年数の経った給湯器を修理しようとしている場合は「次、別の箇所が壊れても後悔しないかどうか」を基準に検討することをおすすめします。

高額修理で元を取ることはほぼ不可能

例えば8年使用した給湯器を直すのに10万円かかるという場合、この10万円分の元を取るためにはどれくらい使用すればいいと思いますか?実は最近の給湯器は10年の保証延長をセットに見積もられているケースが多く、給湯器交換業者を厳選すれば80%以上の値引き率で新しい給湯器が手に入ります。

機種にもよるので一概には言えませんが、大体20万円も出せば10年安心して使える新品の給湯器が手に入るので、いかに高額修理のコスパが悪いかが分かるのではないでしょうか。

こたろー

即金で20万円も用意できないという場合は、施工業者にローン払いや分割払いを相談してみると、意外と柔軟に対応してもらえることが多いです。

給湯器修理で一番高い部品は〇〇 まとめ

  • 部品交換で一番高いのは熱交換器
  • 給湯器修理で部品交換をする場合、安くても10000円程度の作業料が発生する
  • 一回の修理なら作業料に上限があり、出張料も一回分

熱交換器の交換は高額修理にはなりますが、我々にとってもあまり美味しいと感じない修理です。お客さんからは「こんなに取るのか!」と思われ、我々は「これしか貰えないのか」と思うことが多い修理内容と言っていいかもしれません。

正直、年数が経っているものについては修理せずに買い替えて欲しいという気持ちもあります。買い替えてくれた方が面倒な修理をしなくて済みますし…。何より経年劣化している給湯器を修理して、間もなく別箇所が故障してしまった場合のトラブルが本当にきついです。

そういう考えもあって、買い替えを進めるサービスマンも少なくないはず。私は全部喋ったうえでお客さんに選んでもらっていますが、年数が経っている給湯器で熱交換器の交換はあまりおすすめしません。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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