このページではノーリツ製ボイラー(給湯器)のE632について、考えられる内容を解説していきます。
ここで紹介する事例はあくまで「このような内容であることが考えられる」というものであり、絶対にそうだというわけではありませんのでご了承ください。
また、機器内部の水漏れが原因で部品およびその周辺の電装部などを腐食させている場合は、何のエラーが出てもおかしくないため、これについては説明を割愛しています。
ノーリツ製ボイラー(給湯器)E632のエラー内容
E-632:ふろ水流スイッチ異常
追い炊きなどで動作するスイッチ部分に不具合がある場合に検出されるエラーです。スイッチなのでON/OFFする構造の部品なのですが、追い炊きして水流ができると水流に押されてパタッと倒れてONになるような簡単な構造の部品です。
E252がずっとON状態であるのに対し、本来ONでなければならない状態にも関わらずスイッチがOFFの場合に出ます。追い炊きボタンを押してもお風呂の水が循環しなかったり、お風呂配管に空気が入っていて表示されることが多いエラーです。
基本的には風呂回路のみの不具合なので、給湯は通常通り使えます。お風呂関連で「追い炊きができない」「お湯張りをすると途中で止まる」などの症状であることが多いです。
E632が表示された時に考えられる不具合の内容
風呂の栓をし忘れた場合
風呂配管凍結、呼び水不足
ふろ水流スイッチ(磁気センサー)、ふろポンプ、基盤の不具合
風呂フィルターの破損が原因による風呂通路部ゴミ詰まり、手入れ不備
一般的な家庭の場合、浴槽には200リットル以上のお湯が入ります。そんな時に風呂の栓をし忘れてお湯張りをしてしまった場合に、黙って200リットル前後のお湯を投げ捨ててしまうのは勿体ないですよね?
ふろ水流スイッチはそれを防ぐために取り付けられているという意味合いも持つ部品で、ある程度のお湯を張ってもONしない場合(水流がない場合)にエラー632を出すように設計されています。
ある程度のお湯を張ってからポンプが動いても循環しない場合、給湯器が「さてはお風呂の栓をし忘れているな?」と考え、E632を表示して追い炊き動作を停止します(空焚きも防止)。
多くの場合はゴミ詰まりが原因であることが多い
- 循環フィルターにゴミが詰まっていて水流を妨げている
- ふろ水流スイッチ自体にゴミが入り込んでいてスイッチのONを邪魔している
- 追い炊き配管がゴミ詰まりをしていて水流が弱くなっている
水流が検知できない場合にエラーが出るので、循環不良を引き起こすゴミ詰まりとは非常に距離の近いエラーで、とにかくゴミ詰まりが原因であることが多いのも特徴です。
浴槽内の循環フィルターが破損している場合はもちろん、循環フィルターの網部分にびっしりとゴミが付いているような状態であれば、ポンプの循環力を大きく弱めている可能性があります。
この場合は、ユーザーの手入れ不足によって引き起こされてしまったケースと考えられるでしょう。循環フィルターの掃除は日常的に行うことで、取扱説明書にも記載されているので確認してみてください。
寒冷地の冬は呼び水不足になることが多い
雪国や寒い地域限定ですが追い炊き配管が凍っているせいで水流が作れずにエラーを出す場合、あるいは凍結予防が働いたせいで風呂配管内に空気が入ってしまい水流が作れないというケースも。
追い炊き配管内に空気が入ってしまった場合、自動湯張り機能があればお湯張りするだけで改善しますが、お湯張り機能のない標準タイプ(ふろ追い炊きしかできない機種)の場合は、呼び水という作業をしなければなりません。
呼び水作業は取扱説明書にも掲載されていますし、ユーザー自身で対応することも十分可能な作業内容です。詳しくは別記事にまとめているので、気になる方はチェックしてみてください。
関連記事プロが教える「呼び水」の正しいやり方|追い炊き出来ない場合は必見!
E632が表示された時の対処方法
水流スイッチ部分にぬめりなどが付着し、スイッチがON/OFFできないという症状であれば、市販の配管洗浄剤で改善する可能性があります。
ただしこれはあくまで「乳白色系の入浴剤を使用してしまった」等のぬめりが原因の場合であり、髪の毛などが詰まってしまっている状態の場合は分解清掃が必須なので改善しません。
寒冷地の冬であれば、追い炊き配管が凍結している可能性があります。この場合は浴室を暖めたり、浴槽内に熱めのお湯を落とし込むことで解氷されることがありますが、お湯張り機能がない給湯器の場合は呼び水をしないと追い炊きが動作しないことがあるので注意が必要です。
上記の方法を試したけど改善しなかったという場合は、専門の業者に修理依頼をしてください。
E632の修理金額の目安
ふろ水流スイッチの交換:~20000円
追い炊き配管クリーニング:~20000円
ふろ水流スイッチの交換だけであれば、全部込みで20000円以内で収まるでしょう。分解清掃だけで済む場合は10000円以下で済む場合もあります。
風呂配管の詰まりも市販の配管洗浄剤などで改善する場合があり、この場合だとユーザー自身で対応すれば1000円程度、修理業者がやれば20000円程度になります(ただし市販されている配管洗浄剤は除菌が目的になっているため、過度な期待は禁物です)。
あとは浴槽内のフィルターが破損している場合はフィルター部分(あるいは循環金具ごと)の交換が必要になりますし、配管洗浄も市販の薬剤だけでは足りない場合は作業料が高くなるでしょう。
基本的に「お風呂のフィルターは毎日掃除するし、お風呂の水も毎日交換する」というような衛生的なご家庭の場合だと、そこまでひどいケースになることは少ないはず。逆に「お風呂の水は何日か使用する」という場合だと、ヘドロが詰まってたりして重症になっている可能性があります。
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