「シャワーからポタポタお湯が漏れてくる」という場合に、給湯器のメーカーに修理を依頼してくるお客さんが一定数います。実はこれ、給湯器のメーカーに依頼するよりも、シャワー水栓のメーカーか水道屋さんに依頼したほうが話が早いんです。
コンタクトセンターでは「来る者拒まず」という風潮が強いので、自社製品の不具合という可能性が低かったとしても、一応見に行くというスタンスなんですよね。そして出張点検料をいただくという…。
メーカーは「困っているお客さんの所には顔を出す親切」と謳っているものの、私としては「事前にちゃんとした窓口を教えてあげることが親切なんじゃないの?」と思うことも少なくありません。そこで今回は「シャワーからの水漏れなどの不具合は給湯器のメーカーではなく水道屋へ」というタイトルで話を進めたいと思います。
シャワーからの水漏れはシャワーのメーカーか水道屋へ
今回の例は分かりやすい例を挙げたので、多くの人は「シャワーから水(お湯)が漏れてるんだから、それはシャワーの問題でしょう」と気付くと思います。しかし中には「シャワーから液体が漏れてくる=シャワーで使うのはお湯=お湯を作っているボイラーの故障だ」と思う人もいて、給湯器のメーカーに依頼をしてくることがあります。
給湯器のメーカーサービスも水栓の交換くらいは普通にできる人が大多数ですし、簡単な部品の交換もできますが、それをやるかどうかは微妙です。例えばノーリツのユニットバスが付いてて給湯器がリンナイだったら、多分リンナイのサービスは「これはノーリツに連絡してください」って言うと思うんです(ノーリツのユニットバスを採用している家の給湯器がリンナイってことは考えにくいですが)。
そしてその場合の診断は「自社製品異常なし、他社製品が原因による不具合」となり、多くの場合で原因が解決しないまま出張料だけが発生してしまうのではないかと思います。
キッチンの蛇口ならシステムキッチンのメーカー、浴室の水栓やシャワーならユニットバスのメーカーに連絡するのが望ましく、仮にLIXILの水栓をリンナイやノーリツのメーカーサービスが修理するというのは少し面倒な話になります。水栓そのものにも製造メーカーがあるので、そこに連絡するのが一番でしょう。
水道屋ならメーカーを問わずに修理できることが多い
メーカーの名前を背負っていると他社製品に手を出しにくい
少し言い方が悪いかもしれませんが、給湯器やガスコンロの中身に比べたら水栓やトイレの構造は非常に単純なので、そのメーカーの専門家でなくても修理ができます(できることが多いです)。
「じゃあ給湯器のメーカーだってシャワー直せよ」と思うかもしれませんが、メーカーの名前を背負ってしまうと、後々のトラブルになった時(例えばお客さんを取った・取ってない等)に大問題に発展するケースがあるんです。そういうリスクを背負うくらいなら、最初から「それには専門の修理業者がいるので、そちらを頼ってください」となるケースが少なくありません。
もちろんパッキンの交換など簡単に直るようなものなら修理する場合もありますが、設備業界には「人の畑を荒らすな」という暗黙の了解があります。そのためパーツリストと睨めっこして部品を取らなければならないような場合は、弊社の場合は他の業者さんに回す事が多いです。
メーカーの名前を背負っていない設備屋・水道屋なら広く浅く対応が可能
数ある水道業者や設備屋の多くは給湯器の内部の修理はできませんが、給湯器に接続されている配管からの水漏れなどは修理ができます。そして水栓からの水漏れなんかは幅広く引き受けてくれるでしょう。
給湯器メーカーに依頼する場合は「給湯器の内部から水が漏れている場合」に限定した方がいいかもしれません。逆に給湯機外からの水漏れの場合は、水道業者に頼んだ方がスムーズに話が進むケースが多いと思います。
車でいえばメーカーサービスはディーラー、水道屋は幅広い車種を取り扱っている中古車屋さんのようなイメージです。TOYOTAのディーラーに日産の車を修理に持っていく人はあまりいませんが、中古車屋さんなら自社販売した車はどのメーカーであろうとメンテナンスしてくれる…みたいな感じです。
水道屋には見積もり無料の所も多い
水道屋さんの中には、見積もり無料や出張料無料を謳っている所も多いです。それに対してメーカーはと言うと、保証期間内でもない限りは原則として出張・診断料がかかります。そういう意味では「メーカーは最後の手段にして、まずは見積もり無料の業者に見てもらう」というのが賢い方法かもしれません。
私が見ている限りでは、メーカーによってある程度の金額が決められているメーカーサービスよりも、水道屋さんに頼んだ方が安く修理できることが多いと感じています。
水漏れ対応している水道業者の紹介
水道救急センター
基本料金は一律5000円+作業費・材料費ということなので、一見すると高いような印象もありましたが、公式HPから申し込むと「初回利用者は5500円割引キャンペーン」などが充実しているので、実際にはこれよりもだいぶ安くなるという印象です。
対応エリアが限られてしまうものの、東京23区や関東地方は広くカバーされているので、ここにお住いの方で水のトラブルで悩んでいる人は、とりあえず見積りを出してもらうのもいいでしょう。
\ 見積り無料 /
水道の修理屋さん
この手のサービスは実際に現場を見てみないと正確な判断ができないため、概要料金の説明もざっくりしている業者が多いのですが、水道の修理屋さんは「水漏れのトラブル:290円~」など細かい提示がされていて好印象です。
関東の中でも東京、神奈川、埼玉のみ対応なので利用者は限られますが、早朝や深夜にお願いしても別料金が取られないのが強みと言えるでしょう。仕事が休めないという東京近辺にお住いの方におすすめです。
\ 見積もり無料 /
水の救急サポートセンター
多くの業者に見られる「料金は一律〇〇円~」という表記ではなく、トイレの詰まりなら〇〇円、水栓の水漏れなら〇〇円と、ある程度の細分化した料金表を公式ページに掲載してくれているのが良心的だと感じました。
あとはカバーしている範囲がとにかく広いです。多くの業者は「関東だけ/関西だけ」という業者も少なくないのですが、ここは北は北海道、南は沖縄まで幅広くカバーしています。担当店舗から現場まで距離がある場合は、見積もりをするのにも出張料が発生することもあるようですが、これについては訪問する前に必ず教えてくれるそうです。
別料金は掛かりますが夜9時以降の修理にも対応しているようなので、どうしても仕事が休めないという人にはおすすめです。
\ 見積もり無料 /
複数から見積もりをもらうのがおすすめ
よほど急ぎじゃなければ複数の水道業者から見積もりをもらい、修理内容の説明を受けることをおすすめします。というのも、この手の修理は人によって判断が異なるうえに料金の高低を一社で判断するのは難しいからです。
はっきり言って大幅な修理をチラつかせる詐欺まがいの業者も少なくないですし、かと言って安い最低限の修理をするから修理業者として優秀とも言えません。あれもこれも交換するという水道業者は論外としても、今回の修理以外に傷んでいる部分などはしっかりと調査できる業者が望ましいです。
つい先日もマグネットを配っていた某水道業者が業務停止命令を下されるなど、わりと詐欺まがいな営業活動を堂々と行っている水道業者は少なくありません。向こうも「水が漏れている=急を要する」ということを理解しているので、複数社を比較・検討するくらいの余裕を持つことをおすすめします。
まとめ
機械のことはともかく、目に見える部分からの水漏れなら水道屋の方がおすすめ
詐欺に遭わないためにも複数の水道業者を検討するのが望ましい
水漏れとは言っても、例えば「給湯器の内部から水漏れ」や「ウォシュレットを使用した時だけ水漏れ」などの場合はメーカーに頼んだ方がスムーズだと思いますが、配管のつなぎ目やカランからポタポタ水が漏れてくるなどの場合は水道屋に頼んだ方が早くて安いと思います。
シャワー水栓を丸ごと交換するという場合もメーカーを頼るより水道業者の方が安くできることが多いので、ぜひ参考にしてみてください。
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