給湯器は雨に濡れても大丈夫!?雨の日に給湯器の調子が悪くなる件について

 

給湯器には屋内タイプと屋外タイプがあり、多くの人は「給湯器を外に設置すると、家の中に設置するのと比べて長持ちしないんじゃないか?」と考えるようです。

しかも長年使用してきた給湯器の場合、「雨の日になると給湯器の調子がおかしくなる」と感じるユーザーもいるようで、実際に私も修理で回っていて「雨の日に火が付かないことがある/雨の日になると給湯器の調子が悪くなる」という依頼を受けたことが少なくありません。

そこで今回は、給湯器は雨の影響を受けるのか、給湯器が雨の日になると調子がおかしくなるという症状について、私が担当した修理現場の実例を交えながら簡単に説明したいと思います。

目次

屋外タイプと屋内タイプで耐用年数に大きな差はない

 

まず「給湯器の屋外タイプと屋内タイプはどっちが長持ちするの?」という質問に対しては「0か100かで答えるなら屋内タイプの方が長持ちはするけど、そこまで大きな差じゃない」と答えます。

というのも、確かに10年くらい使用していると見た目的にも腐食していたりしてボロボロになっているケースも見られますが、雨水が入ったせいで故障に繋がったという現場を、私はほとんど見たことがありません

 

ただ「落雪でボイラーが変形してしまった」「外置きの給湯器を囲ったら、それが原因で不完全燃焼に繋がった」という、屋外タイプならではの不具合は何度も見たことがあります。

それらを考えれば、屋外タイプよりも屋内タイプの方がいいという言い方をできるかもしれませんが、アクシデントなしの耐用年数で言えば大差はないです。

一部例外として、海岸沿いに住んでいるという方や落雪の被害を受ける設置状況にある場合は、時給湯器の寿命うんぬんの話じゃなしに屋内タイプをおすすめします。

 

「雨の日に給湯器の調子が悪くなる」真相

 

「雨の日に給湯器の調子が悪くなる」という修理依頼に関しては、梅雨時期になると1件か2件くらいあります。私個人で1件か2件なので、当社全体や日本全体で見れば決して少ない数字ではないはず。

ただ、見た目が明らかに腐食していて雨水が機器本体に入りまくっているという状況を除けば、このような依頼の多くは「ユーザーの気のせい」であることが多いです。

 

たまに「雨が降って湿度が高くなると、湿気にやられて火が付きにくくなる」ということを言う人もいますが、個人的にはこれは全く問題無いと思っています。

その理由としては、給湯器を修理しているプロなら全員、給湯器の内部で水漏れしながらも使えている給湯器を山ほど見ているからです。外で雨が降っている程度の湿気で使えなくなるようなことは、通常では考えにくいと言えるでしょう。

E-110、E-111なら雨水が機器内に侵入しているかも

 

給湯器のエラーのE-110、E-111なら、雨水が機器内に侵入している可能性があります。

多くの給湯器は雨水が侵入するような構造にはなっていませんし、横殴りの雨だったとしても重力がある限りは上から下に降るはずなので、本来であれば雨水は入りません。

(給湯器本体に設けられている吸気口は、下からホースで水をかければ水が入ってしまいますが、上からならバケツの水をかけても問題ないです)

 

しかし給湯器本体に変形があったり腐食があったりすると、隙間から雨水が侵入することも考えられます。あとは、1度でも給湯器本体を修理している(あるいはお客さん自身でカバーを開けたことがある)という場合は、ビスの締め方が緩かったり、水漏れ防止のパッキンがうまく機能していないせいで雨水が侵入している可能性も考えられますね。

火が付くときは電圧が掛かって火花を飛ばしているので、雨で濡れた箇所によっては正常に火花が飛ばず、着火できずにE-110、E-111ということがあるかも(私は見たことがありませんが)。

関連ノーリツ製ボイラー(給湯器、暖房機)のエラー110、111、113について

 

電源が入らない→コンセントの抜き差しで復帰なら漏電の可能性あり

私が何回か見たことがあるのは「雨の日になるとリモコンで電源が入らなくなり、コンセントを抜き差しすると使えるようになる」というもの。

これは機器で漏電していて、機器内のブレーカーが作動しているというものでした。これは完全に雨水が侵入していたのが原因で、その雨水によって機械が漏電し、安全装置が働くという状況です。

 

電源系統の不具合に関して言えば「雨の日に決まって調子が悪くなる」という場合だと、一概に気のせいだとは言えないことの方が多いですね。

でも、それはどちらかというと「雨の日に調子が悪くなるんじゃなくて、晴れの日に不具合に気付きにくい」というだけのような気がします(言い方を変えれば「晴れの日に調子がいい」という話)。

 

まとめ

屋外タイプの給湯器は雨の影響で壊れたりしないような作りになっている

「雨の日に調子が悪くなる」というのは、基本的には雨が関係ない不具合であることが多い

「雨の日に調子が悪い」という依頼を受けて、必ずしも訪問できる日に雨が降っているとは限らないので、私はよく「給湯器の中にティッシュを敷き詰める」ということをします。

これで、もし次に雨が降ったらティッシュが濡れて雨水が侵入しているかどうかが判断できるのですが、多くの場合は気のせいです。

ただ、電源系統の不具合に関してはあながち無関係とも言い難い部分があるので、雨の日に給湯器の調子がおかしくなると感じる人は、まず給湯器の外観におかしな部分がないかどうかをチェックしてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

コメント

コメントする

目次