給湯器は頻繁に購入する物では無いので、交換業者に見積もりを出してもらったとしても「その金額が高いのか安いのか分からない」という人が多いです。そもそもカタログに掲載されている数字が嘘というか、目安にもならない金額なのでお客さんは困ってしまうのではないかと思います。
仮に「30万円です」と言われたとして、その金額を聞いて高いと感じるか安いと感じるかは人によりますし、ここに「弊社にお任せいただけるなら10年保証を付けます!」なんて言われたら、もう訳が分からなくなってしまうという人も多いのでは?
そこで今回は、給湯器を交換する際にぼったくりに遭わない為に「給湯器を損せずに安く購入する方法」についてご紹介します。
給湯器交換の値段・価格について語る前に
100万円の車は高いのか安いのか
「先日車を買おうと思い見積もりを出してもらったら200万円だと言われました。正直、ぼったくりに遭うのが嫌なので、この価格が適正なのかどうかが知りたいです。車が200万円というのは適正価格なのでしょうか?」
車の種類によって価格帯は大きく変わる
上記のような質問をされたとしましょう。たぶんYahoo知恵袋を探せば、似たような質問が山のようにでてくると思います。あなたならどう答えますか?…答えようがないですよね。
大多数の人が「何の車かによる」と思ったのではないかと思います。200万円の車って言われてパッと思い浮かぶのが無いのでアレなんですが、新車のポルシェが200万だったら詐欺を疑ってしまうくらい安いです。
都市部に住んでいる方は「車なんか買うことがないから馴染みがない!」と思われるかもしれません。それなら別に車でなくても食事でも何でも結構です。牛肉なんかも種類や産地によって、金額が大きく変わるのではないかと思います。給湯器も一緒です。
給湯器もいくつか種類があり、価格帯も大きく違う
- お湯を出すことしかできない給湯専用機
- 給湯機能+お湯張りや追い炊きなどのふろ機能を持つ給湯器
- 給湯機能+ふろ機能+暖房機能を持つ給湯器
一口に「給湯器」と言ってもその種類は何種類もあり、蛇口からお湯を出すことしかできない物もあれば、追い炊きやお湯張り、更には暖房機能まで持っている物も存在します。
たまにホームセンターなどの折り込み広告を見て「給湯器がこんなに安く取り付けられるの!?」と思ってしまう人の中に、比較する対象を間違ってしまっている方がいるのも事実です。チラシでは給湯専用機が紹介されていて、実際はふろ機能を持った給湯器を求めている…というミスが決して少なくありません。
もちろん安い業者と高い業者が存在していますが、それ以上に給湯器は機種によって価格が大きく変わるということは頭の片隅に入れておいてください。
給湯器の交換費用は設置状況にも左右される
屋内に設置されている給湯器には、排気を外に出すための排気筒(煙突)が付いていますが、この排気筒の金額は給湯器のカタログに載っている本体価格には含まれていません。なので、給湯器は本体以外にも排気筒などの部材費を考慮しなくてはなりません。
ただし、必要な排気筒の長さは現場によって違います。1m程度で済む場合もあれば5mくらいの長さが必要な場合もあり、設置状況によって必要な部材も変わってくるんです。つまりプロが現場を見てみない限り、その価格が適正価格なのかどうなのかの判断はまず無理と言えます(ちなみにプロが見ても値段に大なり小なりでてくるのですが、これについては後述しています)。
そのため現場を見ていない業者が出す見積もりには、多くの場合で「実際に作業をする場合は、状況に応じて追加料金が発生することがあります」という但し書きが小さく書かれているはずです。
外置きの給湯器の場合でも「配管カバーや排気カバーを新調するかどうか」みたいな部分で追加料金が発生します。
給湯器の交換費用の内容
給湯器の交換費用は給湯器本体の価格に加え、煙突やガス可とう管などの部材費、そして施工業者の作業料などが上乗せされます(その他は別途保証など)。以下ではそれぞれの項目で、どのようにして金額が決まるのかについて解説していきます。
給湯器の本体価格
まずは施工業者によって給湯器本体の仕入れ価格が違います。力を持っている業者だとメーカーとの取引きの分母が大きく、1台あたりの金額が安く購入できていることが多いので、その分本体を値引きしても利益が出やすいという仕組みです。
単純に施工業者がそれくらいの利益を得ようとしているかによっても変わりますが、基本的には仕入れ値に大きな差が生まれています。基本的にカタログに載っている金額はメーカーの希望価格に過ぎず、給湯器を始めとする家庭用設備の定価なんてものはあってないようなものです。
ちなみに弊社の場合はお客さんの顔色を見ながら、大体定価の60%~70%にすることが多いです。弊社なりに頑張って値引きをしているつもりですが、価格だけを見たら他業者と比べて遥かに高いのではないかと思います。
安いところだと給湯器本体の値引き率の段階で半額以下にしている業者が普通にありますし、私が知っている限りの最安値の業者だと「【PR】給湯器駆けつけ隊」というネット業者が最大91%値引きで給湯器本体を提供しています。
給湯器本体以外の必要部材費
給湯器の外側の部材費は現場によって異なる
本体以外に必要な部材には排気筒や配管部材、外部配管の凍結予防のためのヒーターなどが挙げられます。最近は操作リモコンも本体同梱ではなく、別売りとなっていることが多いです。
排気筒は必要な長さによって金額が変わってきますし、配管部材もそっくりそのまま使用できるケースであればパッキンの交換だけで済みますが、基本的には本体の型式が変わると配管の接続位置も変わることが多いため、配管を切ったりつなぎ直したりという作業が必要になることも少なくありません。
どのように施工するのかは担当者の考え方による
給湯器を施工する際に「どの部材を新調し、どこまで配管を手直しするか」などは、見積もりを作った人間がどのようにして取り付けようと考えているかによって判断されるというのがポイントです。
例えば、現在使われている水道配管が既に劣化している銅配管だったとして、それをフレキやステンなどの部材に変更するという人もいれば、そのままの配管を利用する人もいます。この場合だと前者は部材費が発生しますが、決して悪い業者とは言えないですよね?
配管に保温材が巻かれているのであれば、それを新しくするかどうかでも価格は変わってきますし、ここに関しては「安ければいいというものでもない」ということが言えるでしょう。この時点では「良い仕事をする業者」かもしれないですし、悪く言えば「替える必要のないものまで変える業者、替えなきゃいけないものすら経費削減で替えない業者」かもしれません。
ここに関しては、同じプロ目線で見ないと何とも言えない結果論みたいなところがあるので、お客さん自身が事前にあれこれ気にしていても答えは出ない部分ではありますが、金額が高いからと言って悪い業者とはならないという点だけは覚えておいてください。
給湯器の取付に対する作業工料
取付作業料は弊社の中でも担当者によって大きな差が出てくる部分で、基本的に「自分がいくらで納得するか」という話になってくるので、業者単位ではなく個人単位で変わってくる部分です。ゆえに「あと10,000円値引いてくれたらお願いする」などの交渉術に対して、柔軟に変えられる部分でもあると言えるでしょう。
しかし「1人で交換作業ができるのか、あるいは2人作業になるのか」などの基本的なところに加え、設置状況の良し悪しなども大きく関係してくるので、これについても一概に何円とは言えないです。
あえて漠然とした金額を提示するのであれば、3万~6万の間には収まると思います(ただし暖房機能付きの給湯器の場合は、これ以上になることも考えられます)。
外設置されている壁掛けタイプの石油給湯器なら、本当にやりやすい現場なら2万円~3万円でも良いと思える現場も少なくありません。
給湯器を安く購入する裏技について
複数の業者に交換見積もりを出してもらう
- 給湯器メーカーのサービス(修理業者)
- ハウスメーカー
- 地元の水道屋、設備屋、ガス屋
- インターネット業者
焦れば焦るほど業者側が有利になる
少しでも安く購入したいのであれば、複数の業者から見積もりを貰うのは基本です。主な候補は上記のような感じになるのではないかと思います。
業者サイドからすると「お湯が使えなくて心底困っており、一刻も早く給湯器を交換したい」と考えているお客さんほど、やりやすい相手はいません。この場合は「即決してくれるなら当日または翌日の施工が可能」というアピールをして、とにかくお客さんが他の業者と接点を持たないようにすれば大体決まるからです。
見積もりを複数もらった上での価格交渉が有効
これを防ぐためにも、複数業者と比較することは必須条件と言っていいでしょう。頼れる業者を全く知らないという方は、メーカーサービスに修理依頼をして見積もりを作ってもらった時に「比較検討したいから、他にどんな業者がいるか教えてくれ」と聞けば、よほど意地悪な人に当たらない限りは幾つか教えてくれると思います。
そして複数の業者の値段を見比べて、安いところに頼むというのが最も安くできる方法ではないかと思います。1回くらいなら「A社は〇〇円でやってくれるって言ってるけどもうちょっと安くならない?」と交渉すれば、まだ下げられるかもしれません。
ちなみに業者によっては、見積もりは無料とは限らないので依頼する前に確認しておくことが重要です。
自分で給湯器を購入する方法
インターネットで後継機種の値段を調べる
今は給湯器の本体がインターネットで安く買える時代です。意外と知られていないのですが、実は給湯器って「ネットで買うとめちゃくちゃ安い」です。これを知らない人が大勢いるので、地元の水道業者や設備屋が何とかなっているみたいな部分も少なくありません。
ただし「ネットで給湯器を購入しても取り付けができない」とか「給湯器に種類がありすぎて何を買えばいいのかわからない」という人が大多数なので、設備関係の仕事に携わっている人でもなければ、インターネットで給湯器を購入するというのは決して簡単ではない行動となっています。
簡単に後継機種の型番を知るための方法
ちなみに後継機種の種類を知るのに手っ取り早い方法は、修理に来てもらった業者に買い替えの見積書を貰うことです。そうすると給湯器本体の型式の情報が得られるので、その型式でインターネット検索すればネット上での価格相場がすぐにわかります。
給湯器の交換を検討するタイミングとして、普通は修理業者の人から「修理しない方がいい」とか、あるいは「修理は出来るけど高額修理になる」と言われて本体の交換を検討する場面になると思うので、そういう判断をした業者の人に後継機種を聞くのがベストです。
もし「使用年数もかなり経ってるし、修理業者を呼べば無駄に出張料も取られるし、この際だから思い切って買い替えよう」というパターンであれば、メーカーのコンタクトセンターにでも電話をして聞くといいです。
「今〇〇-△△って機械を使っているのですが、この後継機種って何になりますか?」と聞けば教えてくれるでしょう。あとはネットでの販売価格を調べ、それをプリンターで印刷でもしておけば完璧です。
給湯器本体をネット購入し、取付だけお願いしたらいくらになるかを聞く
給湯器を手に入れる前に地元の水道屋、設備屋に連絡して「本体はこっちで用意するから取付だけやってもらえない?」と聞いてみましょう。弊社にも最近はこの手の依頼が本当に増えたように思います。
メリットは全部を一任する場合よりも価格が安くなることが多いことです。デメリットは「取付作業だけならお断りします」と言う業者が少なくないこと、それから本体以外に必要な部材がある場合にトラブルになることがあることです。
- 業者側からすると、給湯器本体販売分の儲けがなくなってしまう
- 本体しか用意していないと聞いていたのに、リモコンも一緒に用意していた
優しい業者さんであれば「本体以外にこちらが用意すべき部材はありますか?」と質問すれば教えてくれるでしょうが、それはあくまでその業者さんが考える部材ですので、最終的に別の業者に依頼するという場合にも注意が必要です。
そして事前に見積もりを貰っていた業者に、後で取付作業だけを依頼する場合も注意が必要です。見積もりの内容から本体を自分で用意して、そこに掲載されている作業料をアテにして「取付だけお願いしたい」と言われることもあるのですが、この場合は本体を購入してくれる場合の作業料として提示しているので、多くのケースで取付作業だけとなれば金額が変動します。
給湯器本体込みで作業料が50,000円だったからと言って、お客さん自身が給湯器を用意した場合も50,000円で作業するということにはなりません。大抵の施工業者は料金を上乗せするか、お断りするかになるかと思います。
金額的にはネット業者が最安値
業者名 | ||
最大値引き率 | 最大91%OFF | 最大80%OFF |
商品保証と工事保証 | 10年のW保証 | 10年のW保証 |
貸出サービス | 〇 | 〇 |
分割払い | 〇 | 〇 |
ガス/石油 | 〇/× | 〇/× |
対応エリア | 42都道府県 | 関東、関西、+α |
公式サイト | 【PR】 | 【PR】 |
これは当ブログでおすすめしている給湯器交換業者の比較表です。これが私が知る限りの最安値で給湯器を提供している業者になります。東京や大阪などの大都市なら問題ありませんが、地域によっては対応していないのがネックです。
ただしどこの業者よりも安い金額で給湯器の交換・買い替えが可能なので、給湯器交換を検討している方はぜひ参考にしてください。前項で「自分で給湯器を買うのが安い」と書きましたが、色んな手間を考えたらこのような激安施工店に依頼した方がトータル的にお得です。
安いだけじゃなくて10年間の保証が付いてきたり、相見積もりによる価格交渉が可能だったりするので、安心して任せることができるでしょう。
給湯器の交換費用を安くすることに対する注意点
業者も人間であるという点
私も給湯器を自分から買ってくれるというお客さんは大事にしたいと思いますし、その後のメンテナンス等は「自分が責任を持って面倒を見て行こう」という気持ちです。ただ、あまりにも何回も価格交渉をされたり見積もりを何種類も求められると、正直言って「こんなお客さんとこの先10年も付き合っていたくないな」と思うこともあります。
色々手を掛けたのに最終的に「本体はこっちで用意するから取付だけして」と言われると、心のどこかでイラっとしてしまう部分もゼロではありません。もちろん仕事なので手を抜くことはしませんが、気持ちの良いサービスを提供できるかどうかはまた別の話です。
あくまで私の場合ですが、散々いいように使われて挙句の果てに「本体は用意したから取付だけして」という展開になった場合は、通常よりも少し高い作業料を請求すると思います。
「価格が安い=得をした」ばかりではない
確かに同じ物を買うという観点で見れば、価格は少しでも安い方が得かもしれません。ただしサービスや技術など目に見えない部分となると、価格が安いことが必ずしも得になるとは言えないです。
例えば、あなたが何かの病気にかかって手術が必要だと言われたとしましょう。手術にかかる費用はA病院が10万円、B病院が5万円だとして、A病院はボッタクリなんでしょうか。給湯器の取り付けなども一緒です。
配管など給湯器外もしっかり点検して、悪いところがあれば直したうえで本体を取り付けてくれる業者と、最低限の本体の入れ替えしかしない業者とで値段が一緒というのは考えにくいですよね。どうしても前者の方が高くなってしまいます。全部が全部そうだとは言いませんが、安いには安いなりの理由が存在するということも頭に入れておいてください。
当ブログで紹介している施工業者は、メーカーから直で給湯器を仕入れていたり、活動範囲を絞ったりすることで安値を実現しているので安心です。
給湯器を安く購入する方法 まとめ
ネットで購入すれば安く手に入る場合が多い
取り付けの見積もりは必ず複数社から貰って比較する
給湯器交換を安くする方法は幾らでもありますが、あまりやりすぎると煙たがれるのも事実です。
予め見積もりを貰う際に「何社か見積もりを貰ってから決める」と明言しておくことで、それぞれの業者が最初から下手な見積もりは出せないと考えるでしょうし、中には「もしウチより安くする業者がいたら、そこに依頼する前にウチに一報もらってもいいですか?」というくらいの、やる気を見せてくれる業者も出てくるかもしれません。
安くしてくれる業者が良い業者とは限りませんが、ぼったくりに遭わないための基本は「焦りを見せないこと」です。「一刻も早くお湯が使えないと困る」というお客さんは、多少高い金額を提示しても「明日すぐ取り付けられる」と言えば成約しやすいというのは業者も分かっているので、足元を見られないようにしましょう。
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