給湯器はモノにもよりますが、大体30万円前後はする高価な生活必需品です。
それも「10年使えて当たり前」という物でもないので、なるべくなら長持ちさせたいと思いませんか?
本記事では給湯器を長持ちさせる方法、正確には「思いがけないカタチで耐用年数に差し掛かる前に故障させないための対策」について、幾つか書いていきたいと思います。
以前まで使用していた給湯器がすぐに壊れてしまい、新しい機械は長持ちさせたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。
お客さんの手でメンテナンスできる部分は限られている
まず始めに知っておいて欲しいのが「お客さんの手でメンテナンスできる部分は限られている」ということです。
私たち業者はお客さんに点検依頼を受けて訪問した際、コンプレッサー等を使用して汚れを除去したり、必要に応じで給湯器内の部品を分解掃除します。
それをするには知識や工具が必要になってくるので、お客さん自身がメンテナンスする場合は、原則として決して給湯器の前面カバーを開けての作業はしないようにしてください(開けるだけなら問題ありませんが)。
もし部品を固定しているビスを無くしたりしてしまうと、修理をする人間の仕事が増えるだけでなく、時にはお客さんが負担する修理料金も高くなってしまう可能性もあります。
お客さん自身に確認してもらいたいこと
水漏れ
機械本体を見て一目瞭然なのは水漏れです。機械の中から水が漏れている場合、直ちに修理依頼することをおすすめします。
よく「使えてるから大丈夫だと思って、騙し騙し使っていた」というお客さんもいるのですが、水が漏れている箇所によっては、その水が基板などにかかって大幅に壊れてしまうケースなども考えられますし、気付くのが遅ければ遅いほど被害は広がってしまいます。
給湯器は洗面所に付いていることもあれば、ボイラーの部屋が用意されているお家もありますし、外に設置されている場合もあるでしょう。
洗面所にでも設置されていない限り、毎日目にするということはないと思うので、もしボイラー小屋や屋外設置の場合であれば、たまに点検してあげてください。
早期発見できれば水漏れを止めるだけで直るケースもありますが、発見が遅れると二次被害や三次被害へと繋がってしまう可能性が考えられます。
排気口の確認
1番気を遣って欲しいのは「給湯器の外観に変化がないか」という部分です。よくあるのは上記画像の赤丸部分、排気口にすす汚れが激しいという症状ですね。
石油を燃料としているわけですから、使っていれば多少はすすけてきます。
ただし異常なまでにすすけている場合は、給湯器内で熱交換器がすす詰まりを起こしている可能性があり、早期に発見できたかそうでないかで修理費用は大きく変わってくるんです。
熱交換器がすす詰まりを起こしていれば、熱交換器の交換(清掃だと再度すす詰まりするのが早いので、恐らくほとんどのケースが交換になるかと思います)が必要です。
早期発見できれば熱交換器の交換だけで済みますが、すす詰まりを起こした状態で長く使用しているとバーナーなどにも影響が出てくるので、早期発見できるかどうかが重要と言えるでしょう。
ちなみに、お家の中にセッティングされている給湯器の場合は、外壁から排気筒が出ていると思います。
先端は雨を避けるために下向き、鳥などの侵入を防ぐために網状になっていると思いますが、そこにすすが積もっていたり、あるいは外壁が異常なまでに真っ黒になっていた場合は注意してください。
給湯器を変に囲っていないか
外置きの給湯器を使用している場合、雨などの影響を受けるのが心配なのか、給湯器本体を囲いたがるお客さんは少なくありません。
私の見解としては給湯器を囲う必要は一切なく、そこまで心配なら家の中に設置した方がいいと思っているのですが、野ざらしになっている分「囲った方が長持ちするんじゃないか?」というお客さんも多いようですね。
結論から言えば、外置き用の機械はそれだけで雨の侵入なども想定した造りになっていますし、むしろ変に囲って排気がショートサイクル(排気をまた機械が吸う)してしまうことの方が心配です。
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どうしても囲いたいという場合は、これくらい排気が逃げるスペースを作ってくれていれば、特に問題はありません(排気がこもってしまうと、すぐにすす詰まりを起こしてしまいます)。
ただし修理に来たサービスマンが1人で外せないほど囲いが重ければ、修理に必要な人員数が増え、修理訪問したがその日は1人では何もできず、後日改めて再訪問というケースも考えられますので、その辺を理解したうえで囲った方がいいでしょう。
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オイルタンクのメンテナンス
オイルタンクも経年劣化で錆び付いてボロボロになってしまいます。
また、外装が錆び付く分にはまだいいのですが、内部がボロボロだと給湯機器に送られる灯油も汚れているケースが考えられるので、この場合は注意しなくてはなりません。
給湯器のオイル入口にはストレーナが付いていますが、あまりにも灯油の汚れが酷く水が混じっている場合などは、電磁ポンプ~バーナなどのオイル通路部を全交換しなければならないことも考えられます。
オイルタンクもボロボロになってきたら交換したり、定期的に水抜きなどのメンテナンスをするようにしてください。
メンテナンスは灯油配達業者でも結構ですし、ハウスメーカーでも結構です。頼みやすいところに頼みましょう。
ちなみにオイルタンクは内容量などにもよりますが、200リットルのタンクなら安ければ5万円以下で新しいものが買えるので、あまりにも錆がひどいうという場合は買い替えた方がいいかもしれません。
循環フィルターのメンテナンス
追い炊き機能付きの給湯器を使用しているご家庭の浴槽には、必ずフィルターが付いていると思います。
そのフィルターは定期的に、できればお風呂掃除の際は毎回掃除してください。
このフィルターの役割としては、追い炊き配管や給湯器内にゴミが入り込まないようにするためで、ここにごっそりゴミが付いていると追い炊きの不具合が生じます。
最悪のケースだと、循環ポンプや熱交換器の交換が必要です。
また、掃除し終わった際にフィルターがしっかりと取りつけられておらず、その後に「追い炊きがぬるい」という不具合が出るケースも多いので、掃除後はしっかりとフィルターをはめるように心掛けましょう。
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凍結防止のための水抜き
例えばお住まいが雪国で、正月中は実家に帰省して家を空けるという場合などは、水抜きをした方が無難です。
短期間不在にするという場合ならブレーカーはそのままにしていくことが多いと思います。その場合であれば、ブレーカーさえ入っていれば給湯器の電源は落としていても凍結予防は働きます。
しかし、凍結予防ヒーター自体が故障してしまっていたら…。
「たら・れば」を言い始めたらキリがありませんが、凍結はよほどの場合でもない限りは使用者の心持ちで十分に回避できるものなので、実際に凍結した後で「水抜きしておけばよかった!」という後悔がすごく大きなものとなってしまうことが多いんですよね。
凍結破損というのは厄介で、どこまで被害が及んでいるのかわからず、水通路部を全部交換しなくてはならないケースもあります。
そして凍結破損は、ご自身の手で防げる不具合でもあります。
水抜き方法は説明書にも簡単に掲載されていますし、不安なら業者に依頼すれば出張費+点検料程度でやってくれると思いますので、真冬時にご自宅を長期間不在にする場合はぜひやっておきましょう。
まとめ
確実にチェックしたい6つの要素は「水漏れ、排気口、給湯器の囲い、オイルタンク、循環フィルター、凍結防止」の6つ
未然に防げる不具合は未然に防げるよう、定期的に点検する
見た目でわからなくても不可解なエラーや燃焼音の違和感を感じたら、カスタマーセンター等にお問い合わせを
お客さん自身の手でメンテナンスできる部分には限りがありますが、それでも大掛かりな修理を未然に防ぐことは十分に可能です。
初期であれば低額で済んだものが、発見が遅くなってしまったために高額修理になってしまったというケースも多く存在します。
業者を呼べば出張料などが発生してしまいますが、カスタマーセンターに問い合わせるだけなら無料です。
問い合わせても「実際に見てみないとわからない」と言われてしまうことが多いかとは思いますが、簡単に解決するケースもありますので、気軽にお問い合わせしてみてはいかがでしょうか?
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