このページではノーリツ製給湯器のエラー200について、考えられる内容と対策について解説していきます。E200は給湯残火安全装置のエラーで、給湯回路に詰まりなどがある場合に表示されることがあるエラーです(暖房ボイラーではE203が表示されますが、どちらも同じ内容のエラーです)。
ここで紹介する事例はあくまで「このような内容であることが考えられる」というものであり、絶対にそうだというわけではありませんのでご了承ください。
ノーリツ製給湯器 E200エラー内容
- E-200:給湯残火安全装置作動
- E-203:暖房空だき安全装置作動
残火安全装置(ハイリミット)は、熱に反応して作動するタイプの安全装置です。主に熱交換器やバーナー等の熱くなる部品に取り付けられており、対象の部品が異常に熱を持った場合に作動します。
かつては空焚きを防止する目的で搭載されていましたが、今の給湯器は残火安全装置以外にも空焚きを防止する機能が搭載されているため、現在は「熱交換器が詰まっている時などに作動する安全装置」という意味合いが強いです。
自然復旧するタイプもあれば、一度作動してしまうと交換せざるをえないタイプもあり、それらは機種によって異なります。
浴室に設置されているガスふろがま・バランス釜の場合、空焚きをしてしまうとハイリミットや温度ヒューズが作動し、一切のお湯が使えなくなってしまうため注意が必要です。
E200で考えられる不具合の内容
- 熱交換器詰まり、バーナー詰まりによる作動
- ハイリミットそのものが故障
- 使用上の不具合(バランス釜ユーザーのみ)
熱交換器詰まり、バーナー詰まりによる作動
残火安全装置という名前の通り、本装置は「残火」を検知する目的の安全装置です。給湯器は使用している期間が長くなれば長くなるほど、内部の熱交換器やバーナーに燃えカス成分が詰まってしまいます(石油給湯器なら煤が詰まり、ガス給湯器にも煤詰まりが存在します)。
この煤はフライパンに付いた焦げを連想してもらうと分かりやすいですが、ずっと熱されていることで過剰に熱を持ってしまうので、各種安全装置がこれに反応してエラーを出してしまうというのがE200が表示される主な流れです。
場合によっては「詰まりに火が付いてしまい、給湯器が燃焼を止めても給湯器内に火が残っている」ということで、安全装置が作動することもあります。
ハイリミットそのものが故障
ハイリミットは他の安全装置類と比較すると部品自体も丈夫で、搭載されている位置も悪くありません。そういう事情からハイリミット自体が故障してしまうことは珍しいのですが、無いとは言い切れないのでご紹介しておきます。
安全装置類は単純な構造になっていることが多く、外設置の給湯器だと経年劣化によって端子部分が腐食してしまったりするのですが、ハイリミットが腐食するということはほとんどありません。非常に丈夫に作られている安全装置です。
逆に言えば「それだけ簡単にはエラーを出さない部品」という捉え方もできるので、E200を見たらすぐにメーカーに連絡することをおすすめします。
使用上の不具合(バランス釜ユーザーのみ)
ガスふろがま(バランス釜)では、浴槽が空の状態で追い炊きしてしまうとハイリミットが作動し、部品交換するまで使用不可になります。この場合はヒューマンエラー(使用ミス)が原因となり、保証期間内でも有償修理になってしまうので注意してください。
最近の給湯器は浴槽が空の状態で追い炊きをしても、浴槽内に水がない場合は追い炊きできない仕組みになっているので問題ないのですが、バランス釜にはそのような機能がないため、ユーザー自身でちゃんと浴槽内に水が入っているかどうかを確認する必要があります。
バランス釜の場合はエラー表示ではなく、電池を入れる部分のランプの点滅回数でエラー内容を示唆します。
E200が表示されたときの対処方法
E200はユーザー自身で対応できることは無いので、直ちに修理業者を手配してください。
もしバランス釜をお使いの場合に限っては「空焚きしてしまったか否か」について、修理依頼する際の電話で伝えておくと修理業者が助かるかもしれません(空焚きしたことが原因だとわかれば十中八九ハイリミットの交換だけで済むため)。
電源の入り切りで復旧することは考えにくいですが、その場合は接触不良の可能性があります。その一部で「水漏れなどによってハイリミットのコネクタ線が腐食している」という可能性が出てくるので、いずれにしても早急に修理依頼することをおすすめします。
E200の修理金額の目安
- 考えられる故障部品:ハイリミット、電装基板、熱交換器(缶体)、バーナー
- 修理参考料金:13,000円~60,000円程度(税込)(出張費:上限3,300円+故障診断料を含む)
ハイリミットだけの問題であれば、どんなに高くても10,000円~15,000円程度です。部品代は1,000円しない種類が多く、そこに10,000円弱の作業料と出張料が乗っかるのが通常修理になります。
熱交換器の詰まりが原因の場合だと、最低でも「熱交換器の交換または調整+安全装置の交換」が必要です。熱交換器が詰まった原因が燃焼不具合だとすればバーナーや燃焼部品の交換も必要になり、この場合は高額修理になります。
熱交換器が掃除で済むか交換が必要になるかは現場判断ですが、掃除の場合はまたすぐに詰まってしまうこともあるため、確実に再発を防ぐという意味で部品交換することも少なくありません。
ノーリツ製給湯器のエラーE200 まとめ
- 給湯器のエラーE200は残火安全装置のエラー
- 熱交換器やバーナーの詰まり、燃焼不具合が原因になっていることが多い
- ガスふろがま・バランス釜ユーザーは使用上のミスに注意
安全装置類の中では比較的そこまで見られないエラーですが、経年劣化による燃焼不良が原因の場合は高額修理になりやすいエラーです。給湯器の機器寿命・耐用年数は7年~10年なので、7年以上使用している給湯器の場合は、修理だけじゃなくて買い替えの選択肢も検討してみてください。
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