給湯器には燃焼音がうるさいものとそうでないものがあります。
さらに言うなら、燃焼音以外にも音を出す部品は幾つか考えられますし、最初からうるさいと感じていたわけでなければ経年劣化によって騒音が大きくなっているという可能性も。
お家の中に設置されている給湯器であれば「お風呂に入っている時にうるさくて仕方ない」という悩みが出てくることもあるでしょう。外置きの機械ならご近所さんから苦情を言われてしまうかもしれませんね。
ここでは給湯器がうるさくなってしまう原因について詳しく解説していきたいと思います。
ガス給湯器<石油給湯器
「ガス給湯器と石油給湯器ってどっちがいいの?」と悩む人は少なくありませんが、燃焼音に関して言えばガス給湯器の方が静かです。
石油給湯器も壁掛けタイプであれば気化式バーナーというのを採用していて、液体燃料の石油をガス状にして燃焼させるタイプが主流となっています。
これは石油をそのまま(液体のまま)燃やすよりも、ガス状にした方が音を抑えられるからそうしているわけですが、ガスなら最初から気体なのでその手間がないということを意味しています。
なので「燃焼音が静かな物がいい!」という人で、特に石油機器にこだわりがないという人であれば、ガス給湯器を選ぶのが無難でしょう。
音を出す部品について
「給湯器がうるさい!」と一口に言っても、なにがどううるさいのかは見てみないとわかりません。給湯器内の部品でも音を出すと考えられる部品が複数存在します。
内容によっては、危険とまでは言いませんが「使ったことによって故障の範囲を広げてしまう可能性」があるので、該当する症状について以下から情報を拾ってみてください。
燃焼音がうるさい
給湯器の燃えている音がうるさいという場合です。お湯を使おうとした際にバーナーから出る音を指すことが多いです。
石油給湯器が経年劣化してくると散見される症状ですが、気化式バーナーが採用されている石油給湯器やガス給湯器の場合だとバーナーの経年劣化や缶体閉塞などが疑われます。
主に故障前の前兆であったり、燃焼状態が良くないことを示す前兆であることが多く、直ちに使用できなくなってしまうような不具合の場合はエラー番号を伴うことが多いので、早急に点検を受けることで大きな不具合に発展するのを防げるケースも少なくありません。
釜鳴がうるさい
前項の「燃焼音がうるさい」と状況は似ていますが、こちらは燃えている音ではなく、熱交換器が発している音になります。
音が鳴り出すタイミングはバーナーと一緒で、火が付いている際中です。音の種類としてはケースバイケースですが、電車が走るような音だったり、やかんが鳴るような音だったりもします。
熱交換器が内部で詰まっている可能性などが考えられますが、新品の状態でも確認されるケースが多く、バーナーが原因の燃焼不具合と比べると毎日鳴るというわけでもないことが多いです。
「釜鳴がする」と言われて修理訪問するも、音が鳴らずに原因が特定できないということも多いので、再現したり再現しなかったりの厄介な不具合ですが、エラーが出ていない限りは危険ということはありません。
ファンモーターがうるさい
ファンモーターとは、給湯器内に付いている扇風機のような部品です。異音や「音がうるさい」系の修理依頼で1番多いのはコイツになります。
ファンモーターはお湯の蛇口を開けた瞬間に動き出す部品なので、火がつく前から音を発しますから、すぐに分かると思います。症状が出たり出なかったりということも少ないです。
音の種類としては「ブーン」とか「ブオーン」とか、とにかく様々ですが「扇風機のようなものが回っているところに負荷を掛けたらこんな音がするんじゃないか?」と思えるような音であれば、ファンモーターの可能性が高いのではないかと思います。
虫が大量に詰まっていたり、コウモリや鳥が煙突を通って侵入してくることもあり、部品の劣化以外にも外部的な要因で音を出すケースも。
多くの場合はそのまま使用しても事故に繋がるということはありませんが、エラーが出ている場合などは早急に点検を受けることをオススメします。
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ガス給湯器から聞こえるブーンという音は不具合の前兆の可能性あり
循環ポンプがうるさい
こちらも何かが回っているような音ではありますが、ファンモーターの出す異音と比べると重低音だったり、キュルキュル音であることが多いです。
ふろ機能付きならふろ循環ポンプ、暖房機能付きなら暖房ポンプ。ふろ機能と暖房機能の両方を持った機械であれば、どのタイミングで音を出しているのかが重要になります。
エラーや水漏れなどを伴っていない場合は、大きな不具合に繋がることもほとんどなく、異音の中では症状が軽い不具合であることが多いです。
電磁ポンプがうるさい
石油給湯器で灯油を切らしてしまった場合などに多く見られる症状です。灯油を切らしていなければ、単純に干渉しているだけかもしれません。
電磁ポンプは振動しながら動くので、その振動が機器の側に伝わって音を出してしまうことがあります。ビスが緩んで音を出してしまうこともありますし、電磁ポンプが経年劣化している可能性も。
音としてはビー音が多く、イメージとしてはスマホや携帯電話のバイブレーションを給湯器本体に押し付けたときのような音です。
大きな不具合に発展してしまう可能性は低いと思いますが、電磁ポンプが故障してしまう前兆だった場合、完全に壊れてしまったら点火できなくなるので注意が必要です。
風が強い日など一時的な可能性も
音の中には「風が強い日に一時的に音がうるさかっただけ」というケースもあります。
この原因の多くは、排気筒から入ってきた風がファンモータに負荷をかけたケースが多いのですが、その時に不安を感じたお客さんが修理依頼をし、後日伺ってもその症状が全くでないということがあるんです。
基本的に給湯器に何かしらの不具合が出ている場合は、絶対とは言わないまでも割と頻繁にその症状がでます。
「少しでも早く不安を解消したい!」という気持ちは分かりますが、我々も修理訪問したときにその症状が確認できないとどう対応すればいいのか分からないこともあるので、様子を見てみるという選択肢も有効な場合も多いです。
まとめ
- 給湯器がうるさい場合は、故障の前兆や経年劣化であることが多い
- あまりにも再現性が低いのであれば、様子見も1つの手段
騙し騙し使った結果、本来であれば簡単に直ったものが結果的に大規模な修理に繋がってしまうということは十分にあり得る話ですが、異音に関しては再現性が低いケースも多く、私たちにとっても修理が難しいことも少なくありません。
エラー番号を伴っているのであれば早めの対応をオススメしますが、それ以外で「一ヶ月に数回うるさいと感じることがある」程度であれば、様子見するのも1つではないかと思います。
あとはバーナーの音だと不安かもしれませんが、おふろポンプの音だと分かれば安心できるという部分もあると思うので、この記事を参考にご自身の給湯器から発されている音がなんの音なのかを調べてみてください。
コメント
コメント一覧 (2件)
質問にて失礼致します。
お風呂の給湯器のピーという音が鳴るという件についてです。(やかんが沸騰したときの音)
機種、ノーリツ エコジョーズ
お風呂をためる、追い焚きする時に音が鳴ります。他のシャワーや、キッチンでお湯を使うなどの時には鳴りません。
このことから循環器ポンプ?の影響のように思えるのですが、特にエラー表示もなく、
お湯はちゃんと溜めることができますし、温度もしっかり温かいです。
お風呂はちゃんと使えるので問題は無いのですが、お風呂を沸かす時だけ音が鳴り今後壊れないか心配です。
電源抜き差しや、ジャバ等で循環器ポンプの掃除も試みましたが、音は鳴り止みません。
窓を閉めていても聞こえる音なので、結構周りに響いています。
今まで音以外は問題なく使用してきましたが、最近になってピーという高音から少し低いピー音に変わってきていることに気付きました。
これは業者に見て頂いた方がよろしいでしょうか?
この場合どれくらいの修理費用でどこの業者に頼めばよろしいでしょうか?
私自身で何か出来ることはありますでしょうか?
ご質問たくさん申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。
斉藤拓也さん、コメントありがとうございます。
ノーリツ製エコジョーズは機種によっては給湯回路とふろ回路の熱交換器が分かれているので、ピー音の原因は循環ポンプ以外にも考えられます。ただし「お湯張り完了近くになってからしか音が鳴らない(追い炊きのときのみしか鳴らない)」というのであれば、斉藤さんのおっしゃる通り循環ポンプの可能性が高いと思われます。
いずれにしても給湯の使用で音が鳴らないのであれば、可能性として循環ポンプ、ふろ熱交換器、ふろ側バーナー、ふろ側ファンモーターなどが怪しいです。音が鳴っているときに給湯器本体を触って振動などが確認できないでしょうか?振動が確認できるのであれば循環ポンプやファンモーターの可能性が高いです(あくまで可能性の話ですが)。
もしこれらのどれかが原因の場合、高音から低音になったり、エラーを出さずに動くことが十分に考えられます。そしてジャバなどをやっても改善しないのであれば、ユーザー側で出来る対処法はほとんどありません。ファンモーターの場合は煙突が潰れているとか、一時的な強風で音が大きくなる可能性もありますが…。
これらのどれかが原因だったら、早期発見で最終的な修理費用が安くなることが多いので、壊れてしまったときに修理したい(まだ買い替えたくない)のであれば、早めに点検してもらった方がいいかもしれないです。
修理依頼はノーリツのメーカーサービスになります。点検した結果、異常なし(経年劣化)のように診断された場合は、出張料と点検料で6,000円程度です。もし交換した方が良い部品があったり、修理が必要という判断になった場合は、修理したらいくらいになるかの見積提示があります。
修理をする場合は見積もりの金額が発生し、修理をしない場合は出張診断料の約6,000円を支払うという感じですね。依頼先はノーリツに連絡すれば、斉藤さんのお住まいの近くの担当ショップから折り返し連絡がくると思います。
以下にノーリツWEBサイトの修理受付フォームのアドレスを記載しておきます。そのページには電話番号も記載されているので、電話かWEBか選んで連絡してみてください。ちなみにもし購入して1年ないし2年以内という場合は施工不良の可能性もあるので、この場合はメーカーじゃなくて施工店に連絡した方がいいです。
https://form.noritz.co.jp/m/repair01?ktr_sid=7833d8da04439291ebb5242b048b4b8f&ktr_rpt=1