給湯器を付けて間もなく壊れてしまったという場合には、保証期間が適用されます。これは給湯器に限らず、どんな電化製品もそうですよね。ただしその保証期間はモノによってまちまちで、給湯器の場合は原則、使用開始から1年間(BL品なら2年間)です。
もしあなたの給湯器が1年くらいで壊れてしまった時、正確な取付年月日を覚えているという人は別ですが「1年経ったか経ってないか微妙なライン」という人や「1年ちょっとだ!」という人もいることでしょう。
そういう人の中には「知らないフリをして1年以内に取り付けたと言ってしまおう」という人もいるのではないかと思います。今回はそのような嘘がバレてしまう可能性についてのお話です。
給湯器の大まかな取付時期は分かる
機器本体の製造年月日による判断
給湯器本体のフロントやサイドには、型式などが書かれたシールが貼られており、ここには「この機械がいつ作られたか」という年月日も書かれています。
もちろん生産されてすぐに施工されるパターンばかりではありません。取付業者が在庫していた給湯器を取り付けるケースも多いのですが、多くの場合はこの時期とある程度はリンクするので、あからさまな嘘(もう3年以上経っているのに1年以内と言い張る)は、この時点で疑いを持たれることになります。
一般的に半年くらいの誤差(機器本体の製造年月日は1年ちょっと前だけど、お客さんは使用して11ヶ月と言い張っている場合など)は珍しくとも何ともないので、この場合はお客さんの態度を見て考えます。
あくまで私の場合ですが、正直に「1年ちょっと経ってしまっている」と言われたら「何とかしてやろう」と考えることもあるものの、強い口調で「1年は経っていない」と言われると「本当かどうか調べてやろう」という気持ちになります。
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所有者登録による判断
多くの人は給湯器を取り付けた際に所有者登録をしていると思います(ハガキで郵送するやつ)。所有者登録とは、機器の設置から10年経った時に点検を受けなければならないという決まりが出来たことによって、その対象となる人に案内を送るためのものです。
この所有者登録では機器の情報とそれを使用しているお客さんの情報を管理しているので、設置時期が記載されています。ゆえに所有者登録を済ませている場合だと、嘘をついたらバレる可能性が高いでしょう。ちなみに「所有者登録なんかした記憶がない」という人は、取扱説明書が入ったビニール袋を確認してみてください。
これが未開封の状態で残っていれば、中に所有者登録のハガキが入っていますし「ビニール袋がなく説明書しかない」という場合や「ビニールごと残ってるけどハガキは見当たらない」という場合などは、お客さん自身が書いていなくても業者が代筆した可能性もあります。
この所有者登録用のハガキには設置開始日を記載する欄がありますし、それがなくても「所有者登録をした日からカウントが始まる」ということを考えたら、まず誤魔化すのは難しいと思った方がいいです。「なんで所有者登録が必要なの?」という人は、こちらのリンクをご覧ください。
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修理業者は燃焼時間や通電時間を知ることができる
実は修理業者しか知らない方法で、その給湯器の燃焼時間や通電時間を知ることができます。
燃焼時間については「まだ10年も経っていないのに壊れた!」というクレームを付けられた場合に「あなたのお家は〇〇時間燃焼しているから、通常のご家庭の10年分以上に相当しますよ」という説明ができるように…という理由からだと思われます。
一方で通電時間についても「本当は保証期間が過ぎてるけど、しれっと保証期間内って嘘をついてみよう」という人がいるのを見越して、確認できるようにしているのかもしれません。
給湯器が取り付けられてからコンセントプラグが刺さっていた時間を見ることができるので、給湯器を使わない時はリモコンの電源を切るというだけでなく、機器本体のコンセントプラグを抜いているという場合以外は、取付年月日が1日単位でバレてしまうでしょう。
保証期間を1日でも過ぎている場合は有償?
仮に使用開始日を誤魔化したのがバレてしまったり、あるいは正直に保証期間を少し過ぎていることを打ち明けたとして、1ヶ月オーバー程度のものをフルでお金を取るサービスマンはいないんじゃないかと思います。
もちろん原則は有償なので、毅然とした態度で「1日でも超えたらそれは保証期間外です」というサービスマンもいるでしょうし、むしろその方が正しいんですけど私にはそういう判断はできません。
警察だって制限速度50kmの道で51km出してたからって捕まえないじゃないですか?それと一緒で、大なり小なりの猶予はあるような気がするんですよね。もちろん強い口調でお客さんが嘘を言っていたのが発覚したという場合は、こちらも少しカチンとくるので懲らしめてやろうと思うこともあります。
でも正直に「1年は超えてるかもしれないけど、1年ちょっとかな…」くらいの曖昧な感じであれば、実際に1年ちょっとだったとしても何とか保証対応できないかと考えてあげたくなります。
実際に「1ヶ月くらいのオーバーならセーフ」とか言い出してしまうと、「じゃあ1ヶ月と一週間は?」みたいな話になっちゃうんで、本来なら例外を認めないのが正解なんですよね。
このあたりの判断は担当者によっても変わるとは思いますが、少なくとも「嘘をついて逃げようとした相手に気を遣ってあげるようなサービスマンはいない」と思うので、金の斧も銀の斧も断った方が得をするかもしれません。
まとめ
嘘は調べられたらバレるので、微妙な場合は曖昧に答えるのがOK
結婚記念日や自分の年齢すらも忘れてしまうような人が、給湯器を取り付けた日を覚えていることなんてまずないですから、多くの人は取付日なんか覚えていません。
嘘だとわかっていても、曖昧に「たぶん1年は経ってないんじゃないかな」くらいなら、こっちも調べないでそれを信用する可能性もありますし、仮に調べて1年ちょっとだとしても何とかしてくれるサービスマンもいると思います。
なんにせよ嘘は良くないので、嘘を言うのではなく「知らないのを演じる」のがいいでしょう。
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