給湯器と暖房ボイラーor給湯暖房機|1台にまとめると便利?

給湯器と暖房ボイラーor給湯暖房機 ボイラーは1台にまとめると便利?

 

お客さんからされる質問の中で多い質問の1つとして「給湯機と暖房ボイラーは1台にまとめた方がいいの?」という質問を受けることがあります。

給湯器と暖房ボイラーがそれぞれ設置されているお家も少なくないのですが、片方が機器寿命を迎えた時に設備屋から「もう片方も寿命を迎えているのですぐ壊れてしまうことが予想できるので、この際1台にまとめてみませんか?」という打診があったりするそうです。

 

最近は給湯器(給湯+ふろ)に加えて、暖房機能を有する給湯暖房機もだいぶ増えてきました。確かに1台にまとめられるんだとすれば便利になる部分もあるのでしょうが、果たして真相はどうなのでしょうか?

今回は給湯器と暖房ボイラーの二段構えをしているご家庭で「この2台のボイラーを1台にまとめようか悩んでいる」という人に対して、私なりのアドバイスをしたいと思います。

目次

給湯器と暖房ボイラーを1台にまとめることのメリット

メリット

ボイラーを2台買うのに比べると金額的に安い

設置スペースが狭くても大丈夫

 

ボイラーを2台買うのに比べると金額的に安い

給湯器と暖房機を1台でまかなうとすれば、主にメリットとして挙げられるのは上記の2点くらいだと思います。というか金額的に安いというのが唯一にして最大のメリットです。給湯器と暖房ボイラーを1台ずつ買うよりも、給湯暖房機1台の方が金額は大幅に安くなります。

 

GTH-C2461AW6H BL

 

これはノーリツ製の給湯暖房機ですが、メーカー希望小売価格が485000円です。「高っ!!」って思った人も多いと思いますが、メーカー希望小売価格なんてこんなものです。

実際に施工するとなれば施工業者がここから大幅に値引いてくれるので、価格的に安い業者に依頼すれば取付作業料込みで半額以下になることも珍しくありません。

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GT-C2462AWX BL

 

そしてこちらがノーリツ製の給湯器(給湯+風呂機能)です。メーカー希望小売価格が386000円です。上で紹介した給湯暖房機と同程度の燃焼能力を持つ給湯器をチョイスしています。

 

GH-C2310WD BL

 

そしてこれがノーリツ製の暖房ボイラーです。給湯暖房機の燃焼能力と若干の違いはありますが、メーカー希望小売価格が258000円となっています。

 

給湯暖房機:485000円

給湯器+暖房ボイラー:386000円+258000円=644000円

 

給湯暖房機1台で運用するのと給湯器+暖房ボイラーの2台で運用するのとでは、本体料金の時点でこれくらいの差があります。何度も言うようにメーカー希望小売価格なんてあってないようなものなので、あくまで参考値ですがこの差は無視できないのでは?

仮に50%OFFの業者に依頼しても、両者の差はまだ80000円ほどありますし…。だったら「この際1台にまとめちゃおうかな」ってユーザーが出てくるのも分かるような気がします。

 

設置スペースが狭くても大丈夫

それに付随して「ボイラー2台分の設置スペースが必要なくなる」というメリットもありますが、2台のボイラーが設置されているような状況であればそもそもボイラー小屋やお家の外に設置されていることが多いので、このメリットを享受できるユーザーはあまりいないような気もします。

仮に一緒に設置されていたとしても「壁掛け給湯器の下に床置き暖房機(重なるような形)」というスタイルが多いので、そこまで設置スペースにこだわるユーザーはいないはず。

給湯器と暖房ボイラーを1台にまとめるデメリット

デメリット

給湯器と暖房機が同時に使えなくなる恐れがある

屋内設置の場合は、リモコン跡や排気筒の穴に処置が必要

 

個人的には「給湯器と暖房ボイラーを2台に分けているのであれば、そのまま2台態勢でいった方が絶対に良い」と思っています。その絶対的な理由が「給湯器が故障しても、暖房ボイラーが生き残ってくれる可能性が高いから」です。

想像してみてください。真冬の寒い日に給湯器が壊れてしまったとしましょう。修理には部品交換が必要で、その部品が届いてから修理をするまでに2日~3日かかると言われてしまいました。その間に「給湯器も暖房機も使えない」というのと「給湯器はダメだけど暖房機は使える」という状況であれば、圧倒的に後者の方が良くないですか?

 

給湯暖房機は両機能が使えなくなる可能性がある

多くの家庭用設備は取り付けた時期がほぼ一緒なので壊れる時期も大体似てきますが、それにしても同時に壊れるということはほぼありません。そのため多くの場合で「給湯器は故障したけど暖房ボイラーは使える/暖房ボイラーは壊れたけど給湯器が使える」という状況になります。これが不幸中の幸いというやつです。

一方でこれが給湯暖房機であった場合、故障の内容によっては「給湯も暖房も使えない」ということが起きてしまいます。冬の時期にこれはキツイです。

主に安全装置が故障した時にこのような状況になってしまうのですが、給湯回路の部品が壊れただけで暖房機能も使用できなくなってしまうのは大きなデメリットと言えるでしょう。個人的にはリスクを分散するという意味でも、今2台に分けているのであれば無理に1台にする理由はないと思います。

 

2台→1台の場合は手直しも必要

お家の中や小屋の中に2台のボイラーが設置されている場合、排気筒の穴も2箇所空いていると思います。1台のボイラーを取っ払うということは、その穴を塞ぐ手間も出てくるということです。

穴を塞ぐための専用部材もありますが、やはり外から見たら「なんかあった感」が丸出しで、個人的には決して見栄えが良いとは言えないと思っています。

 

リモコンも2台分は必要なくなるので1台は取っ払うことになりますが、その奥には穴が開いているので、これも化粧板などで隠してやる必要が出てきます。これも見栄えの良いものではありません。

そこまで手間をかけて2台に分けたという状況があるのであれば、何も無理に1台にしなくてもいいと思います。

同時に故障した&金銭的に困っている場合は別

同時に壊れた&金銭的に困っている場合 2台→1台への変更もアリ

 

 

これまでは「2台の方がいい」というスタンスで書いてきましたが「1台にまとめた方がいいかもしれないパターン」もあります。それは「給湯器も暖房機も同時に壊れたという状況で、2台同時に購入するよりも1台で済ませた際の金銭面に魅力を感じるという場合」です。

1台はまだ生きているのに「どうせ機器寿命が近いから…」という理由で交換に踏み切れるようなご家庭であれば、金銭的に安く済むという部分にそこまで大きなメリットは感じていないと思うんですが、2台同時に壊れてしまった場合で金銭的な余裕が無いのであれば1台で済ませるのもアリだと思います。

どこのご家庭も「金銭的な余裕がある!」と言えるご家庭は少ないとは思いますが、もし「お湯も暖房も使えなくなる瞬間」に対して怖いと感じるのであれば迷わず2台に分けた方がいいでしょう。「怖いことは怖いけど2台も買う金銭的な余裕はない」という場合は1台でいいと思います。

 

まとめ

給湯暖房機は、給湯器と暖房機を2台買うよりも安く設置できる

給湯暖房機は、給湯器脳と暖房機能が一緒に使えなくなるリスクがある

 

金銭面での負担を減らすか、少し高いお金をかけてリスク回避を取るかという話です。個人的には「暖房が壊れたけどお風呂に入れたから助かった」というお客さんを数多く見ているので、やはりリスクヘッジは重要だと思います。

それにまだ壊れていない機械を一緒に替えるってのも、なかなか勇気が要ることだと思いますし…。本当にお金がないなら給湯暖房機1台という選択肢になるはずなので、迷うくらいなら給湯器と暖房機の2台に分けることをおすすめします。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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