給湯器の修理をしていたり、キッチンなどの水漏れを直す修理をしていると「クラシアンってどうなの?」と聞かれることがあります。
おそらく全国区で「水のトラブルと言ったらクラシアン」というような部分があるのではないでしょうか。各都道府県に実店舗も構えていますし、元・金メダリストをイメージアップキャラクターに採用したりするなど、知名度は抜群に高いです。
そんなクラシアンについて、修理のプロである私から見て「クラシアンは安い?それとも高い?」「クラシアンってどうなの?」という質問に、正直に答えていきたいと思います。
クラシアンとは?
創業してから25年以上の実績ある水道業者です。主にトイレやキッチン、浴室などの水回りのトラブルに対応してくる水道トラブル解決業者ですね。
水道業者の多くは地元密着型で、主に「地元近辺の固定客相手に商売している」という会社が多いのですが、クラシアンは全国区の水道業者と言っていいでしょう。
「暮らし安心クラシアン♪」というCMも誰しもが1度は見たことがあるのでは?
クラシアンってどうなの?
まず初めに
まず始めに断っておきたいのは「物を直す」という行為について、高いか安いかを比べるのには「全く同じ作業として比較しなければならず、それを比較することは難しい」ということは覚えておいてください。
同じ材料を使っているラーメンで「美味しい700円のラーメンと、美味しくない500円のラーメンで安いのはどっちか?」って聞かれて、後者を安い方だと答えるのには抵抗がありませんか?
それと一緒で、丁寧な作業をして高い業者と、雑な仕事をして安い業者を比較するのは難しいのです。
クラシアンが丁寧なのか雑なのかは、私が実際にクラシアンに依頼したことがないので分かりませんので、その辺はご了承ください。
給湯器の修理はできない
クラシアンは水道トラブルを解決する業者であって、水道配管からの水漏れは直せますが、給湯器本体からの水漏れは直せません。
私が修理訪問したお家で修理見積もりを出したところ、お客さんから「少し検討します」と言われ、恐らくお客さんはその流れでクラシアンに依頼したのでしょう。そのあとクラシアンを通して、同じお客さんから依頼が来たという経験があります。
「あ、お久しぶりです」という感じで、ちょっと気まずかったですね。
このように「水のトラブル」と言われると何でもできるように思ってしまいますが、水のトラブルの中でもクラシアンが対応できるもの・対応できないものがありますので、事前に確認することが重要です。
ちなみにクラシアンのホームページを見てみると、対応できる場所別のトラブルの部分に「給湯器の水漏れ・修理交換」という項目がありますが、その次のページに注目です。
給湯器の修理では、水漏れと給湯器の交換にしか対応していないようです。
しかも水漏れの項目を見てみると「パッキン、給水管、給湯管の交換など」と書かれていますが、これは正確に言うと「給湯器の外側の配管の修理」であって、給湯器の修理ではありません。
個人的な意見ですが、これを見ると「古い給湯器の修理依頼が来たら、給湯器の交換に話を持っていく」という目論見を感じます。
まぁこれがいいか悪いかは別にして、クラシアンを頼ろうとしている場合は、クラシアンで対応可能なことなのかを見極めることが重要です。
料金が高いか安いかについて
上記画像は、クラシアンの公式ページから引っ張ってきた画像です(2020/09/23時点のもの)。
出張料、点検料、お見積りが全て無料となっています。ちなみに私の会社では、出張料も点検料もいただきますが、上記画像のように作業金額を提示する場合は「6600円(税別)~」となります。
ハッキリ言って、作業料が最低でも8000円からというのは高いです。
文面を見る限りだと「どんな不具合であっても、出張料や点検料、見積もり料金は不要だけど、作業料は最低でも8000円から」という意味じゃないですか?だとしたら、簡単な不具合の時に8000円もかかってしまうのであれば、料金は安くないです。
例えば、配管の繋ぎ目のパッキンが劣化していた場合、これに8000円ですよ?
弊社では出張料も点検料もいただきますが、もしパッキンの交換だけであれば「出張料3000円+作業料3600円+パッキン代金20円」みたいな感じです。本当に簡単な部分のパッキンなら、作業工料が2000円程度までダウンすることも考えられます。
出張料や点検料、見積もりが無料だと謳うのは素晴らしい企業努力だと思いますが、結果的には「成約したお客さんから後でその分もらっている」というだけの話です。
給湯器の交換はそれなりに安い
給湯器の交換に関しては、私の住んでいる地域に定期的にクラシアンの広告が入ってくるのですが、本体の金額だけを見るならかなり安いです。
もちろん探せばネット業者でもっと安いところはいくらでもあるんですが、ネット業者の多くは「対応地域が限られている」ため、クラシアンほど広範囲で活動していないというのがデメリットなんですよね。
そのため、私が住んでいるような田舎で活動しているネット業者はいないということを考えると、金額だけで見たらクラシアンに頼むのも悪くないのかなぁと思います。
ちなみに私が知る限りの最安業者はコチラです。対応地域が限られていますが、もし対応地域に住んでいるという方は見積もりを取ってみてください。
参考関東エリア・関西エリアで給湯器の交換をするなら「いえすと」が激安!!
技術力について
25年以上のキャリアがあって、各都道府県に活動拠点があって、色んな人間が働いているという点から考えても、決してレベルが低い会社だとは思いません。
私自身、クラシアンのスタッフが実際に作業しているところはみたことがありませんが、私のようなメーカーサービスだと「他の業者が直せなかったもの」「他の業者のミスの後始末」が回ってくることも多いのですが、私個人の話で言うとクラシアンの尻ぬぐいをさせられたという現場は1件もないです。
地元の水道業者だと「こんなものも直せないで水道業者を名乗ってんの!?」と驚かされることも少なくないのですが、クラシアンが関わった現場でそういう現場を見たことはありません。
「出張料無料=安い」は正しいのか?
色んな業者の中には「出張料無料」「見積もり無料」を謳っている業者が少なくないです。
それは、お客さんにとって魅力を感じる要素だからであり、それを謳い文句にすればお客さんが食いついてくるのを理解しているからなんですが、この言葉の裏を理解すれば多くの人が言葉の罠であることに気付きます。
出張料無料がなぜ成立するかと言うと「成約率から算出される必要経費を、成約した人間に払ってもらうから」です。簡単に言うと「見積りを出したけど逃げられてしまったお客さん(タダ働きしてしまった経費)分を、実際に成約したお客さんから貰っているから」です。
つまり、このような業者の多くは「本来の費用よりもちょっと高い金額を見積もりにしている」ということになります。
もちろんそれでも十分に安い場合もありますし、中には「どうせうちが最安で、ウチに依頼してこないことなんかほとんどないから見積り無料でいいや」という自信たっぷりな業者もいるのでアレなんですけど、多くの場合は「出張料を無料にする分、作業料という名目に加えちゃえ」という所が多いのも事実です。
全国CMをしている分の料金は誰が払うのか
例えば、化粧品とか健康食品とかがあからさまで分かりやすいんですけど、あれって本来の商品に金額分の価値は無いことがほとんどです。
8000円の商品なら「商品代が1000円くらいで、3000円くらいが広告費、4000円が利益」ってところでしょうか。ちょっと利益と広告費の割合は不明ですが、なんで化粧品が高いかって言うとギャラの高い若くて綺麗なタレントをCMに使っているからという理由が大きいと思います。
まぁそれだけCM効果が大きいってことなんですけど、ハッキリ言って「大々的に宣伝費を使っている商品やサービスが安いなんてことはない」です。
クラシアンを宣伝している元・金メダリストの方がどれだけのギャラを貰っているかはわかりませんが、パチンコ屋の営業なんかでタレントを呼ぼうと思ったら、1日に数百万円のギャラが発生するような世界です。
その広告費はどこから捻出するのか、今一度考えてみてください。
まとめ
水道トラブルで8000円~という料金設定は高い
私の考えでは「作業料が8000円で出張料や点検料は不要」という会社よりも、実際に頼むなら「出張料と点検料はかかるけど、作業料が5000円」とかの会社の方がいいと思いますが、あなたはどちらですか?
見積もり料金が無料で良かったと思う場合というのは、その業者に頼まない場合だけです。そういう意味でも、クラシアンの修理料金は決して安いとは言えないでしょう。
ただし、上の方にも書いたように高いから悪い業者というわけではありませんので、そのあたりはご了承ください。
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