給湯器のフルオートとオートの違い|どっちがおすすめ?

給湯器のフルオートとオートの違い 今買うならどっちがおすすめ?

 

給湯器の買い替えを検討している方の中には、一生懸命カタログとにらめっこをしているという人もいるのではないでしょうか?給湯器のカタログは、アルファベットや数字の羅列が分かりにくかったりします。

そして多くのお客さんに「フルオートとオートの違いって何?」ということをよく聞かれるんです。確かに分かりにくいですし、業者さんやメーカーは値段的に高いフルオートをおすすめしてくるもんだから、なんだか不信感があるという人も少なくありません。

そこで今回は、すごく簡単に「給湯器のフルオートとオートの違い」を説明したいと思います。

目次

給湯器のフルオートとオートの違い

値段と機能が少し違う! 給湯器のフルオートとオートの違い

 

フルオートとオートの値段の違い

ノーリツ製のGT-C2462●WX BLにて値段の違いを見てみたいと思います(●にはAかSAが入ります。Aはフルオート、SAはセミオートの意)。

 

  • GT-2462AWX BL  :386000円(フルオート)
  • GT-2462SAWX BL:341000円(オート)

 

上記はそれぞれ同一機種のフルオートとオートの希望小売価格(マルチリモコンを含まない金額)で比較しました。両者の間に45000円の差があることが伺えます。

希望小売価格でこそ4万円もの差が開いていますが、販売価格となるとここから大幅に値下げがあります。基本的にボイラーの定価なんてものはあってないようなものなので、この両者の金額差はもっと小さくなると考えて差し支えありません。

 

フルオートとオートの機能の違い

フルオート(オート) オート(セミオート)
自動たし湯
ごきげんオート
自動ふろ配管クリーン
  • 自動たし湯:お湯が減ったら自動的に足してくれる機能
  • ごきげんオート:ぬるさを感じる前に追い炊きしてくれる機能
  • 自動ふろ配管クリーン:浴槽のお湯を捨てる時に、追い炊き配管の中も洗浄する機能

 

機能の違いとしては、上記に挙げた3つの機能を有するのがフルオートです。これはノーリツ製の給湯器を例にしていますが、リンナイ製も大体似たようなものです。

ごきげんオートはともかく自動たし湯と自動ふろ配管クリーンに関しては、手動のものがオートにも付いているので「全部自動でやって欲しい!」という人以外には、そこまで必要な機能でもないような気がします。

 

そして表にはない大きな違いは自動湯張りの仕方で、オートは空っぽの浴槽にお湯を溜めることを前提に作られているのに対し、フルオートはどんな状態からでも一定の湯量のお湯が張れるという特徴を持っています。

個人的には「空っぽじゃない浴槽に湯張りしたいと考えるシチュエーションって何かあるかな?」と数分間考えてみましたが思い当たりませんでした。もしあなたが「3つの機能は必要ないし、お湯張りをするのも必ず空っぽの状態で行う」というならオートで問題ないでしょう。

フルオートを選ぶうえでの注意点

フルオートを選ぶうえでの注意点 フルオートには〇〇が必要!_

 

フルオートは様々なことを自動でしてくれる機能を有していますが、オートと違って浴槽内に水またはお湯がどれだけ入っているかを調べる部品が付いています。

フルオートにはこれが付いているので、残り湯がある状態でお湯張りをしても設定湯量にでき、オートはこの部品がないために空っぽの浴槽にお湯を張る前提となっています。

 

ここで注意しなければならないのが、もし浴槽内にお湯が入っている状態で停電などによって給湯器の電源が落ちてしまった場合、フルオートの場合は浴槽内のお湯の計算で誤差を起こしてしまうので、リセット作業(水位リセット)が必要になるんです。

これは説明書にもしっかりと書いてあるのですが、お客さんの中には「お湯張りが上手くいかない、故障したかも!」ということで修理依頼をしてくる方が大勢います。その点、セミオートはそういう心配が要りません。

 

水位リセットの手順

 

ちなみに水位リセットのやり方の一例は上記のような感じです。

フルオートとオートのどっちが便利かという話になればフルオートに軍配が上がると思いますが、便利になっている背景には部品が多く搭載されているという事実があり、それだけ複雑化しているということが言えます。

複雑なものほど壊れやすく、フルオートにしか搭載されていない部品が壊れるということはセミオートなら故障していなかったと言い換えられることもあるので、この辺りも踏まえて検討するのがおすすめです。

悩むくらいならオートがおすすめ

悩むくらいならオートがおすすめ オートをおすすめしたい理由

 

個人的には「自動たし湯/ごきげんオート/自動ふろ配管クリーン」に魅力を感じないので、初期費用が少しでも安いならオートを選択します。ただしこの3つの機能に魅力を感じるという人なら、フルオートにする価値があるかもしれません。

最近はエコ志向が強くなってきていて、節水や節電を心掛けている人が少なくありません。そういう人からすれば、毎回お風呂のお湯を捨てる時に自動で数リットルのお湯を流す配管クリーンは、「必要な時にONにするから普段は切っておきたい機能」だったりもします。

このような場合はオートで問題ないです。フルオートを選んだのに、フルオート特有の機能をオフにして使っている人も少なくないので「だったらオートでいいのでは?」と思うことが結構あるんですよね。

 

また、業者さんによっては「取り扱いはフルオートだけど、その辺の業者のオートの金額より断然安い」というところもあるので、その辺は臨機応変に対応してみてください。

ちなみに石油給湯器の場合は、お湯張り機能のない標準タイプというものもありますが、個人的にはお湯張り機能のあるオート機能が優秀だと思います。

【関連記事】

石油給湯器におけるフルオート、オート、標準の違いって何?

 

まとめ

「自動たし湯」「ごきげんオート」「自動ふろ配管クリーン」に魅力を感じるならフルオート

業者によってはフルオートをオートよりも安く取り扱っている場合もある

 

私の場合は不要な機能が付いて少しでも高いのであればオートでいいという考えですが、値引き後の金額がそんなに変わらないということはザラにありますし、見積もりを複数社から取ったら某業者のフルオートの金額が1番安いなんてことも珍しくないです。

ふろ配管クリーンは少し魅力的な気もしますが「勝手にお湯が流れる=水道代は増える」という考え方もできますし、ボタン操作すればオートでもできることをフルオートは自動でやってくれるというだけの話です。もちろんその機能はON/OFFできるので、単純に金額で決めてもいいと思います。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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