不具合

「蛇口を開けてもお湯になるまでの時間が長い」のは給湯器の故障なのか

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修理で各家庭を回っていると、お客さんから色んな質問をされることがあります。

その中でも結構聞かれるのが「手を洗おうと思ってお湯を出すと、いつもお湯になるまでの時間が長いんだけど、これってどうにかならないの?」ということです。

中には「昔よりもお湯になるのが遅くなった気がする」という人もいますし、中には「こういうものだってのは理解してるけど、どうにかできるならどうにかしたい」という人も。

そこで今回は「蛇口を開けてもお湯になるまでの時間が長い」のは給湯器の故障なのかという疑問について、答えていきたいと思います。

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エラーが出ていないなら故障である可能性は低い

まず初めに結論から言うと「エラーが出ていないのであれば、給湯器の故障である可能性は極めて低い」ということが言えます。

ただし給湯器がエラーを出すのには条件があって、多くの場合は「数回、点火動作に入ったけど何らかの原因で火が付かなかった時にエラーが出る」ので、一部例外も起こり得ます。

それは、故障の前兆が現れていて調子が悪く、1回ではうまく点火できないことがあるけど2回目の点火動作で正常動作するという場合です。

機種やエラーの内容にもよりますが、多くの給湯器と点火系のエラーの場合は「3回、またはそれ以上の点火動作でも火が付かなかった時にエラーを出す」という仕組みのため、1回で点火できていないという例外が起きている場合は「蛇口を開けてからお湯になるまでの時間が長い」と感じることがあります。

ただし、この場合で給湯器がエラーを出さずに、しかも1回目をミスして2回目で正常動作し続けるなんてことは、ほとんど起こり得ません。

そのため、よほどのことが無ければ「蛇口を開けてからお湯になるまでの時間が長い」と感じても、それは給湯器の不具合でない可能性が高いです。

 

蛇口を開けてからお湯になるまでの時間が長いわけ

例えばシャワーなんかでも、出した瞬間にお湯になるわけじゃないというのは、多くの人が理解していると思います(たまに仕組みを理解していない人もいますが…)。

これは、給湯器からお湯の出口(キッチンのカランやシャワーなどお湯が出る所)までの配管に距離があるからです。

シャワーを開けた瞬間にお湯を出すのであれば、シャワーの根元に給湯器が付いていないと難しいです。厳密に言えば根元に給湯器が付いていても1秒~2秒程度は水が出てしまいますが…。

例えば上記の図で、左側の四角が給湯器、右側の丸がお湯の出口だと思ってください。

普段、給湯器と蛇口の間には水が沢山入っていて、水圧が掛かっている状態です。蛇口を開けると給湯器が初めて点火動作に入ります。

給湯器が点火動作に入ると、配管内に残っていた水が蛇口やシャワーから出ていくのと同時に、給湯器で作られたお湯が徐々にこちらへと向かってきます。

この時、蛇口やシャワーから出ているのはまだ水です。

そして上記の図のような状態になって、初めてお湯が使える状態になります。これが、蛇口を開けてからお湯になるまでに時間が掛かる理由です。

この状態で蛇口やシャワーを止めると、配管の中にはお湯が残っている状態になりますが、時間が経てば徐々に熱が奪われて冷たくなっていくので、完全に水になった状態でお湯を出すと、また最初の図のような状態になります。

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さっきまでお湯を使っていたのに一瞬冷たくなる理由

前項で説明した理屈は、なんとなく理解しているというお客さんも少なくありません。

そんな方から寄せられる質問の中には「さっきまでお湯を使っていたのに、一旦止めてから再びお湯を使い始めると一瞬冷たくなることがある」というものがあります。

これに関しても不具合である可能性は低く、機械の仕様上であることが多いです。以下で、詳しく解説していきます。

まず、お湯が出ている状態は上記図のようなカタチです。

給湯器で作ったお湯で配管内が満たされており、あとは給湯器で作った分のお湯が蛇口やシャワーから出続け、給湯器が燃え続けているという状態になります。

ここで一旦、給湯器を止めてみましょう。

お湯を止めた直後はこんな感じになります。ここで再度、蛇口を開けるとお湯が出てくるのは理解できますよね?

配管に残ったお湯が出てくるわけですから、さっきまで給湯器が燃えてたという状況の直後であれば、配管内のお湯はまだ冷めていないので、蛇口を開ければお湯が出てきます。

問題は、この直後に蛇口を開けた時に給湯器側で起こっている現象です。

給湯器が燃え始めるための条件は「水流を検知すること」なので、蛇口を開けて給湯器内に水が少し流れ込んでから点火動作に入ります。

つまり蛇口を開けてから給湯器が点火するまでの間に流れる部分は水ということになるんです。

給湯器の前で点火動作を確認してもらうと分かりますが、蛇口を開けて水流を検知したらプレパージと呼ばれる動作(ファンが動き始める)が起こり、その後でスパークしたり燃料を噴出したりなどの点火動作に入ります。

一昔前の給湯器と比較すると、遥かにその動作はスムーズになっていますが、プレパージという安全上の動作(排ガスが残っていた場合に点火動作に入って小爆発などを起こさないため)がある以上、蛇口を開けた瞬間に火が付くというワケではありません。

数秒程度は点火準備に時間が掛かるので、その数秒間に「バーナーで温められない水」が出てきます。それが一瞬冷たくなる水の正体です。

 

「蛇口を開けたらすぐお湯にしたい」という人へ

ちなみに配管内のお湯に関して100%お湯にするということは難しいですが、蛇口を開けた瞬間にお湯にするためのシステムは存在します。

主に病院や美容室などで多く用いられている設備で、即湯システムと呼ばれているものです。新たに即湯用の配管を設けることで、その中を常にグルグルお湯を回すという仕組みとなっています。

お湯が必要になったら、給湯器でお湯を作る間に即湯用のお湯から使用することで、実質的なロスをなくしているというわけですね。

病院や美容室など「お客さん相手に、一瞬でもお湯が水になるのは困る」というような状況なら導入することも多いですが、一般家庭ではそこまでする必要はないように思います。

「どうしても…」という人は、修理に来てくれたメーカーサービスや工務店などに相談してみてください。

 

まとめ

  • 「蛇口を開けてもお湯になるまでの時間が長い」のは給湯器の故障ではないことが多い

結論は以上です。最近は技術も進化してきて、そのロスは限りなく少なくなってきてはいますが、まだまだ完全になくなったとは言い難いのが現状です。

とりあえず「故障じゃない」というだけでも安心できたのではないかと思います。どうしても気になるという人は即湯システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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