自分の希望と違う種類の給湯器をおすすめしてくる業者の心理について

給湯器に限らず、パソコンやテレビなどの電化製品はもちろん、スマホや車など何でもいいのですが…。

よほど自分にとって興味があって詳しいものでもない限り、買い替えの時期に差し掛かったら「何に買い替えればいいか分からない」という人も多いのではないでしょうか。

 

多機能、便利なものに越したことはないんだけど、そういうものは大抵高価だし…。

かと言って安いものを買って「安物買いの銭失い」になるのは嫌だ。

 

そういう人が給湯器を買う際、私の体感では「今使用している機種と同等のものをお願いしたい」と言うお客さんが非常に多いです。

しかし中には「今使用している機種と同等のものをお願いしたいと言っているのに、別の機械をおすすめされた」という声も少なからず聞こえてきます。

 

というわけで今回は「自分の希望と違う種類の給湯器をおすすめしてくる業者の心理について」ご紹介します。

あくまで私が考えるところの…というカタチになりますが、恐らく当たらずとも遠からずだと思うので、このような経験をされた方はぜひ参考にしてみてください。

目次

機種Aではなく、機種Bを勧められた

当ブログにも給湯器に関するご相談が寄せられることがあるのですが、結構な割合で「機種Aで話がまとまっていたはずなのに、後々になって機種Bを勧められた」とか「機種Aで見積もりをお願いしたら、機種Bの見積もりも同時に提出してきて、後者をお勧めされた」という意見がよく寄せられます。

このような場合で「Aがいいと言っているにも関わらず、Bを勧めてくることの本当の狙いって何?」という部分は、かなり気になっている人が多いようです。

色んなパターンがあるとは思いますが、以下では私が思い当たる範囲内で「恐らくこうじゃないかな?」というポイントをご紹介します。

 

単純に少しでも高い機種を売りたい

給湯器には大きく分けて「フルオート/セミオート/標準(石油給湯器の場合)」の3タイプがあり、フルオートとセミオートがお湯張り機能と追い炊き機能を兼ね備えています。

さらにはエコタイプか従来タイプか等の違いもあります。値段で言えばフルオートが1番高く、従来タイプよりもエコタイプの方が本体価格は高いケースがほとんどです。

※石油給湯器の場合は更に「直圧タイプ/貯湯タイプ」などの違いもあり、この場合は直圧タイプの方が本体価格は高くなることがほとんどです。

 

もし今使っているものと同等のものを希望されて、今使っている給湯器が「従来タイプのセミオートタイプ」だった場合、これを「エコタイプのフルオート」に買い替えてもらえれば、単純に給湯器本体の値段で大きな売り上げが期待できるようになります。

そういう場合に「エコタイプの方が燃費は良くなって月々のガス料金(あるいは灯油料金)は安くなるし、フルオートの方が便利な機能がたくさん付きますよ」というセールストークでもって、少しでも高い本体に誘導したいという思惑は十分に考えられるでしょう。

 

会社にある在庫を販売したいという場合

給湯器には色んな種類があるので、完全な後継機種じゃなくても「今使っているものに割と近い後継機種」というものも存在します。

もし会社にある在庫分でそのような給湯器本体を所有している場合、新たに給湯器本体を注文しなくても会社在庫で対応できるのであれば、そちらを優先的に販売したいと考えるケースは少なくありません。

 

長期在庫になっているのであれば一刻も早く捌きたいと考える業者もいるでしょうし、もしかすると「この機種はキャンペーン中で安く手に入る」などの裏事情があることも。

※従来タイプよりもエコタイプの販売実績を作りたいとメーカーが考えている場合は、エコタイプの方が割引率が高い状態で仕入れられることも珍しくありません。

 

あとは単純に、給湯器が壊れてしまったお客さんは「一刻も早くお湯が使える状態にしたい」という希望があるので、在庫があるならすぐに取付作業に入れるという部分も大きいです。

新たに注文というカタチになって納期の関係で2日~3日後の取付工事になるという場合に、他の業者が「うちに在庫あるから明日行こうか?」とか言い出して、そっちにお客さんを持って行かれてしまうということは非常に多いんですよね。

 

当社でも「今お客さんが使っているのはセミオートなんですけど、この給湯器のフルオートなら会社在庫がありまして、もしフルオートで良ければ値段は高くなってしまいますが、今日中に取付工事に入れます」などの打診をしたことが何度かあります。

長期在庫を処分したかったというケースであれば、お客さんに正直に事情を説明したうえで「セミオートと同じ値段でフルオート(長期在庫)にしませんか?」と打診したこともありました。

 

お客さん希望の後継機種に問題がある場合

給湯器は機械なので、当然ながら当たり外れがあります。しかし、この場合で言う当たり外れと言うのは、いわば個体差のことです。

給湯器の場合は更に「機種による当たり外れ」も存在します。機種によっては「この機種、やたら故障多くない?」と感じる機種が存在するのも事実です。

 

そのようなデータが出揃っている場合、業者側としては「本当の後継機種はAだけど、Aはメチャクチャ評判が悪いからAは売りたくない」と考えることもあるでしょう。

ただしそれを正直にお客さんに打ち明けてしまうと「別の機種は大丈夫なの?」とか「そういう事例があるならちょっと不安だから、別のメーカーにしてくれない?」などの話に発展してしまう恐れがあります。

 

色んなメーカーと繋がりが強く、どのメーカーでも最大限の割引率で入手できるような業者であれば、いくらでもそのような対応も可能だとは思いますが…。

多くの業者は「特定のメーカーを贔屓することによって大きな割引率を手に入れている」というケースが多いと思います。早い話が「リンナイ製なら7割引きで手に入るけど、ノーリツ製は6割引きでしか手に入らない」等の場合です。

 

これなら多くの業者は割引率の大きいリンナイ製を売りたいと考えます。ただし本当の後継機種はトラブルが多い機械だという認識があるので、別の機種を勧めるというパターンです。

これに関してはあまり無いケースですが、まったくのゼロではないですし、本音をお客さんに打ち明けにくいという意味では、多くのお客さんが不信感を抱いてしまうケースに繋がると思います。

 

基本的には業者側の都合かクレーム回避のため

お客さんがA機種を希望しているのにも関わらず、ゴリ押しでB機種を勧めてくる場合、基本的には「B機種を売った方が業者にとってのメリットが大きい」という場合がほとんどなのですが、一部で「今後のトラブルをなるべく避けたい」という思惑があるケースもあります。

給湯器は決して安い買い物ではありません。そして簡単に返品できると思われても、業者側としても困ることが多いです。

 

全てを納得してもらってからでないとトラブルに発展してしまう恐れもありますし、取付段階で作業工料というものが発生する買い物でもあるので、後々トラブルになった際に「返品したい」と言われてしまうと、極めて厄介な問題になってしまいます。

取付工賃、そしてその後の取り外し作業でお金が貰えないだけでなく、その在庫を別のお客さんに販売するのか等の問題も残ります。

 

それからお客さんの希望以外の機種をゴリ押しすることは無いにしても、希望に無い給湯器本体を含む何パターンかの見積もりを出すことは非常に多いです。

例えば、お客さんで給湯器に詳しいという人はほとんどいないので「今使ってるのと同等のタイプでいい」と簡単に言うケースが多いのですが、ここで本当に同等の機種しか案内しなかったとしましょう。

すると後々、そのお客さんが近所の人との世間話などから「今は給湯器にこんな便利なタイプがあるらしいよ」という情報を仕入れた場合、人によっては「なぜ買い替えの際に説明してくれなかったの!?」というクレーム事案に発生することもあります。

それを防ぐために、1パターンではなく数パターンの提示をするというのは、トラブル回避の王道です。後々「言った・言わない」の問題に発展しないためにも、頼まれていない見積書を一緒にお渡しすることもあります。

 

まとめ

希望以外の給湯器をお勧めしてくる場合の大半は業者都合

お客さんのことを考えているケースも無くは無いが、本音は隠していることが多い

以上が私の見解になります。

私自身も買い替えの話をお客さんにすることは非常に多いですが、基本的には「今使っている機種の後継機種、1ランクアップさせた場合の機種の2種類でお見積りを作りましょうか?」と打診するケースが多いです。

あとは従来タイプをお使いであれば、エコタイプに交換した場合のお見積りも提案します。

 

いずれにしても「お客さんがA機種がいい」と決めたものに対して「Bにしませんか?」ということは、ほとんどありません

もしそういうことをされたのであれば、その理由をしっかりと業者に説明してもらい、その説明のどこかに違和感があったのであれば「何かを隠している」と思って間違いないと思います。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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