このページではノーリツ製ボイラー(給湯器)のエラー562について考えられる不具合や故障内容を解説していきます。
ここで紹介する事例はあくまで「このような内容であることが考えられる」というものであり、絶対にそうだというわけではありませんのでご了承ください。また、機器内部の水漏れが原因で部品およびその周辺の電装部などを腐食させている場合は、何のエラーが出てもおかしくないため、これについては説明を割愛しています。
E562のエラー内容
お風呂にお湯を張るための部品に搭載されているセンサー異常で、ここで検出される数値が異常だと判断された場合に出るエラーです。基本的にはあまり深刻でないケースが多く、多くの場合で「給湯や追い炊きは普通に使えるけど、お湯張りだけができない」という症状であることが多いです。
E562で考えられる給湯器の故障内容
断水(給湯器に対して水圧が掛かっていない)
給湯配管の凍結、詰まり
注湯水量センサ(注湯電磁弁)の故障、不具合
電装基盤の故障、不具合
注湯電磁弁という部品は普段は閉まっていて、お湯張りをするときにだけ開くタイプの部品です。そのため「開く=水が流れてくるのでそれをセンサーで拾う」ということをしているのですが、電磁弁が開いているのに水流を検知できない場合(または電磁弁が開かない場合)にエラーを出します。
多くのケースでは「電磁弁に電圧が掛からない/電磁弁に電圧は掛かっているが開かない」という部品そのものに原因がありますが、そうでなく一時的にエラーを出す場合もあります。
分かりやすい部分で言えば、近くで水道工事が行われていて断水状態だとか、冬の雪国の場合は「水道管が凍結していてお湯張りできない」という可能性も。あとはセンサー自体は正常でも、注湯電磁弁のフィルターに錆やゴミが詰まっている場合などもあります。
給湯器がE562を出した時の対処方法
断水時、または水道工事があった直後から調子が悪い場合
断水状態であれば水道工事が終わるまで待ちましょう。また、断水するような水道工事があった直後から給湯器の調子がおかしいという場合は、錆などが上がってきて入水フィルターに詰まっている可能性があります。
この場合は給湯器本体の入水フィルターを掃除することで改善するかもしれません。ただしこの場合は、「水側の蛇口も水の出が悪い」などを併発している可能性が高く、入水フィルターは外し方を誤ると破損させてしまうことがあるので注意してください。
入水フィルター(水抜き栓フィルター)の掃除方法の一例を以下に掲載しておきます。フィルターの形状や搭載されている場所は給湯器の種類によって異なるので、詳しくはご自身が使用している給湯器の取扱説明書をご覧ください。
凍結の場合
凍結状態であれば暖かくなるまで待ちましょう…というのは冗談で、もし寒波のすごい日に「家の中にある全てのお湯の蛇口から水(液体)が何も出てこない」という症状で、給湯器本体が外に設置されているのであればほぼ間違いなく凍結です。
逆に「蛇口からお湯はでるけどふろ自動を押すとE-412、追い炊きするとE-632」という場合だと風呂配管だけが凍結している可能性があります。
このような場合は暖かくなるまで待つのが最も利口な方法で、あとは手動で普段より熱めのお湯を浴槽にためて、そのお湯が冷める前にお風呂を済ませるという方法がおすすめです。上手くいけば浴槽含め浴室内の温度が上がることで配管の凍結部分に熱が伝わり、凍結が改善するかもしれません。
浴室乾燥機があるなら作動させたり、脱衣所に簡易ストーブを置いて浴室全体を温めてやると、ふろ配管の凍結が改善しやすくなります。
ふろ自動以外で不具合がない場合
E562で最も多いのが「お湯張りだけができない」という故障内容です。お湯張りが使えなくなるのは不便ですが、浴室の蛇口やシャワーで浴槽にお湯を貯めて追い炊きすれば問題なく使用できることがあります。
もし給湯器の使用年数が7年を超えている場合は、部品交換せずにこのまま騙し騙し使用するという選択肢も一つです。これが原因で他の部品に負担が掛かってしまう等はありません。
E562の時の修理金額の目安
注湯電磁弁と注湯水量センサは基本的にはセットで交換することが多いですが、注湯電磁弁一式の交換だと全部込みで20000~25000円程度です(注湯水量センサだけならもう少し安くなる)。
あとは断水、あるいは凍結なんかで呼ばれた場合は「給湯器外に原因がある不具合」という診断になり、我々にはどうすることもできずに出張点検料が発生する場合があります(お客様からは「直してないのにお金が掛かるの!?」と言われることがあります)。
いずれにしても危険なエラーではないので、様子見することで無駄な出費を抑えられる可能性が高いエラーの一つと言えるでしょう。
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