給湯器の販売取付激安店で有り得ない事態を目撃した話

ハッキリ言って当社で給湯器を買い替えるとなると金額は高いです。なので、複数社から見積もりを取られてしまうとほぼ間違いなく負けます。

 

ただ、そこで地元の業者たちと価格競争するのではなく、お客さんの中に一定数いる「ちゃんと修理できる人から買いたい」という層を取りこぼさないように心掛けていて、そういう人たちが「これくらいの金額差なら、高くてもちゃんとした仕事をしてくれそうだ」と納得してもらえる範囲の金額差に抑えることを意識しているんです。

 

ある時、有り得ないくらい安い金額で取付している業者を発見し、その現場で修理に呼ばれたことがあるのですが、その施工の仕方に驚かされたことがあります。今回はそのお話です。

目次

本体価格36万円→全部込みで15万円

型落ちではなく現行の機種で、比較的高いシェア数を誇る壁掛けタイプの石油給湯器なんですが、定価36万円のものが取り付け費用込みで15万円だったという現場です。

安い業者であれば本体価格から60%以上の値引きをしている業者は珍しくないんですけど、そこに作業料や必要部材費が乗っかるので、石油給湯器の現行機種でここまで安いのには驚きました。

 

ちなみにこれは私が買い替え見積もりを出したお客さんの中に、律義にも「色々やってもらって悪いんだけど、よそですごく安いところがあったから、そこにお願いすることにしました。良くしてもらったのにごめんなさいね」という電話をくれた人がいて、後ほどその人のお家に修理訪問することになるのですが、その際に請求書を見せてもらったことで発覚したものです。

 

交換したばかりの機種なのにエラー110、120でお湯が使えず

ちなみにその現場は私が修理訪問して買い替え診断をした現場で、その当時の症状が「落雪で排気筒が潰れて排気閉塞を起こし、不完全燃焼による煤詰まりでE-110、E-120」という現場でした。

修理するとなれば10万円を超える修理で、機器本体も年数が経っていたので「修理じゃなくて買い替えた方がいいですよ」とアドバイスし、買い替え見積もりを出しています。

 

そしてお客さんは色んな業者を比べて、最終的には金額的に安い所にお願いしたらしいのですが、取り付けて2日目に故障した機械とまったく同じエラーが出て困ってしまったという状況です。

取付業者に真っ先に連絡したものの「エラーは機械のことだからメーカーに電話してくれ」とあしらわれてしまったとのこと。

 

取り付け方が悪くてエラーが発生

結果から言うと、排気筒が潰れてるせいで不具合を起こした現場なのに、その排気筒が前と同じ物を使っていたせいで壊れてしまったという案件でした。

さらに言うならオイルホースも交換しておらず、経年劣化でカチカチになったものが使われていましたし、1番驚いたのは「台所と風呂場のリモコンもそのままだった」ということです。

 

普通は既設の配管などはそのまま使用することが多いものの、排気筒は交換するのが常識です。

さらにリモコンは給湯器本体を購入すれば付いてくるもの(別売りの機種もありますが、このケースでは付属してくるタイプの機種でした)なので、当たり前のように交換するべきなんですけどね。

 

最初は「こんなに安くできるなんて、よほど仕入れが安いのかな?」くらいにしか思っていなかったのですが、色々と粗が出てきて最終的には「これで15万円も取ったのか」と思ったほど。

恐らく…恐らくですよ?どこかの現場に1度取り付けた後でキャンセルになって取り外した機械(リモコンは取り外し忘れた)を自社で保管してたか、そういう商品をネットオークションで安く仕入れたとかじゃないかなと思いました。

 

まとめ

物を買うだけなら安い方が得なのもわかるが、その後のサービスは値段だけでは判断できない

例えば電化製品店で商品を買うという場合は、少しでも安く購入した方がお得と考える人も多いでしょう。

「ポイントが付く」とかそういうのも、結局は損得勘定によるものではないでしょうか。

 

ただしサービスや技術などの目に見えない部分は、安い方がいいとは言い難い部分もあります。

病気になって手術するのに、A病院だと10万円でB病院だと3万円なんて言われたとして「B病院に頼もう!」という人ばかりじゃないと思います。

値段も重要な要素ではありますが、あまりに安すぎる場合は変な罠だったりもするので、即決する前に「どうしてそんなに安くできるのか」について考えてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

コメント

コメントする

目次