給湯器や暖房ボイラーのアース線の役割|繋がないとまずい?

給湯器や暖房ボイラーのアース線 役割は?繋がないとどうなる?

修理で各家庭を回っていると色んな水道屋さん、工務店さんが施工した現場を見ることがあるのですが、配管全てに保温材を巻いたり丁寧な仕事をしている施工店もあれば、その逆もまた然り。

そしてお世辞にも丁寧とは言い難い施工店さんが取り付けた現場では、繋がれていないことが多いのがアース線です。そもそも電気関係に全く詳しくない人は「アース線って何?何のために必要なの?」と思うことでしょう。

そこで今回は「給湯器や暖房ボイラーのアース線って繋がなくていい?」という疑問に答えていきたいと思います。

こたろー

結論から言えば繋がなくても特に問題はありませんが、繋いだ方が望ましいのも事実です。本記事の内容を踏まえて、あなた自身に判断してもらえればと思います。

目次

給湯器や暖房ボイラーのアース線とは?

アース線とは電化製品などに付いているコンセントプラグではない緑色の線のことを指します。コンセントプラグは黒だったり白だったりしますが、アース線はどの機械に使用する場合でも必ず緑色です。電化製品とは言っても付いてるものと付いていない物があって、最近はパソコンやゲーム機器なんかにもアース線が付いてたりしますよね。

私自身、パソコンやゲーム機のアース線は無視していますが、主に台所や洗面所などの水回りで使用することが予想される機械のアース線はなるべく接続するようにしています。仕事上では必ず繋ぐようにしていますが、自分のことや家族のことならそこまで固執していません。

洗濯機や食洗器、給湯器なども水を使用する機械なのでアース線が取り付けられていますが、アース線をちゃんと繋いでいるというご家庭が多いかどうかは謎です。

こたろー

数えてちゃんとデータを取ったわけではありませんが、私が見ている限りだと6:4くらいで接続している家庭が多いのではないかと思います(ただし、家庭用コンセントに接続できる状況下にある場合です)。

アース線を接続する意味、アース線の役割

アース線というのは文字通り地球を意味していて、地中に電気を逃がす役割を持っている線のことを指します。万が一給湯器から漏電していた場合に、その給湯器を人間が触ってしまうと感電してしまうことになるのですが、アース線をつないでいれば地中に電気が逃げていきます。しかしアース線が接続されていなければ、触った人間が感電してしまうというものです。

そこまで大々的な感電をしたことがないので、感電の衝撃がどれくらいのものなのかは想像もできませんが、人間の動作は脳からの電気信号で行われています。アース線を繋いでいない漏電した給湯器に触れてしまうと「給湯器から手を離したいのに離せない」という状況になってしまう可能性があるらしいです。

家庭用のコンセントは100Vですが、さすがに手が離せなくなって感電し続けるのは危険だということで、出来れば万が一の場合を考えてアース線は接続しておくのをおすすめします。「万が一、機器から漏電してたら事故に繋がるからとりあえず繋いどけ」という線がアース線です。

給湯器のアース線は繋がなくても問題ない?

給湯器のアース線は繋がないとどうなる? 繋がない場合のリスク

給湯器のアース線は繋がないよりは繋いだ方が良い

「繋ぐor繋がない」で言えば繋いだ方がいいです。万が一の時の対策ですし、そもそも手間が掛かるようなものでもないので、やるかやらないかで言ったらやっておいた方がいいでしょう。ただし家庭用コンセントにも、アース線を簡単に接続できるものとそうでないものがあるので、簡単に繋げない場合は無理して繋ぐ必要はないと思います。

お家の鍵で「外出するときは上の鍵も下の鍵も閉めて、更にセコムやアルソックなどのセキュリティも…」という心配性な人であれば、間違いなく給湯器のアース線は繋いでおいた方がいいです。ただ「コンビニにコーヒーを買いにいく程度の時間なら、車のエンジンをかけたまま行っちゃう!」という人は、別に繋がなくてもいいんじゃないかと思うレベルのような気もします。

ちなみに私は実家のボイラーや洗濯機は自分で取り付けましたが、給湯器も洗濯機もアース線を接続しませんでした。私個人の意見としては「そこまで神経質になる必要もないのでは?」と思っています。

給湯器のアース線を繋がなかったら感電するのか

給湯器のアース線を繋がない場合 感電するリスクはあるのか

私は給湯器などを修理する仕事に携わって、これまでに数多くの現場を見てきましたが「給湯器本体がビリビリする」というような依頼は受けたことがありません。給湯器から漏電している現場は何件も見てきましたが、アース線を繋いでいた現場ばかりではありませんし、アース線を繋いでいなかったからと言って事故に繋がった現場も見たことが無いです。

今このページに辿り着いた人の多くは、自分のお家の給湯器から出ている緑色の線が遊んでいて不安になり、ネット上で調べてみたという人が多いと思います。そしてネット上で「アース線」と調べると、まぁ教科書通りの情報がずらーっと並んでいることでしょう。

「感電しない為に接続する」なんて言われてしまうと、さも繋がなかったら感電するみたいに聞こえますが、私個人の見解としては繋いでいなくても特に問題はないと考えています。

給湯器のアース線を接続しなくても問題ないと考える理由

給湯器や食洗器などの機械には漏電安全装置というものが取り付けられており、漏電を検知して電源を落とすブレーカーのようなものが取り付けられています。基本的にはこれが機能しているので、漏電している機械は電源が入らないように制御されているはずです。

この文章を読んで「じゃあ漏電安全装置が壊れてたらどうするの?」という人は、アース線は繋いでください。

例え給湯器の漏電安全装置が壊れていても、もし給湯器から漏電しているのだとすれば今度はお家のブレーカーが作動することになると思いますが、このようなレベルの話になってくると「お家のブレーカーも壊れてたら?」という話になるはずなので、そういう人はアース線は繋いでおくのが無難だと思います。

あえて少し乱暴な書き方をしますが、そういう人は車の運転をする際にブレーキが壊れたら危ないので、ブレーキが壊れた時のためのブレーキを搭載しておいた方がいいです。というか、車に乗らない方がいいです。

こたろー

ちょっと言い方は悪かったですが、でも本当にそんな感じのニュアンスなので、アース線を繋ぐ箇所がないなら無理に繋ぐ必要もないです。

給湯器のアース線の役割 まとめ

給湯器や暖房機のアース線は繋いでいないからと言って特に問題はない
気になるなら施工店に連絡して繋げてもらおう

私はお客さんのお家に取り付けた機器はもれなくアース接続するようにしていますが、アース線の接続端子が無い場合などはお客さんにしっかりと説明したうえで他からアースをとったり、繋がないこともあります。

そもそも施工店がちゃんと説明していないせいで不安に感じているお客さんが多いと思うので、そういう人は施工店に連絡して繋げてもらうと良いでしょう。取り付けてくれた業者にお願いするのであれば、普通は料金は取られないはずです。

私は「特に問題ない」という考えを示しましたが、繋ぐに越したことはないんです。この手の類のものは一種の保険のようなものですし、アース線の接続なんてそんなに手間の掛かるものでもないので繋げるのであれば繋いでください。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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