よく「給湯器の取替ってDIYが趣味の素人でもできる?」ということを聞かれたりします。
基本的には「人による」「状況次第」という身も蓋もない回答になってしまうんですが、多くの場合で「お客さんが思っているほど、給湯器の交換作業は大変じゃない」ことが多いです。
とは言っても、DIYで色んな工作をするような人ならできるでしょうし、かと言ってじゃあ「誰でもできるか?」と聞かれると…ちょっと困ってしまいますね。
というわけで今回は、この記事を読んでいるあなたがDIYで給湯器の取付が自分で出来る人なのかどうなのかが分かる(判断できる)内容を書いていきたいと思います。
給湯器の接続は主に4箇所
水通路部
燃料通路部
排気通路部(屋内タイプのみ)
電装部
主に接続するのは上記の4点。
排気接続は経験者でないと難しいので、基本的にDIYでおすすめするのは排気筒の施工が不要な外置きの給湯器です。
それからガス給湯器の場合はガス漏れが怖いので、ここに関しては有資格者による施工をお願いします。
以下ではワンポイントアドバイスのようなカタチで書いていきますが「書いてある内容の意味がちんぷんかんぷん」という人だと、DIYで給湯器を交換するのは難しいと思うので、それを基準に読み進めてみてください。
もし「これはどうなの?」というものがあれば、問い合わせフォームから質問を頂ければお答えします(即回答というわけにはいかない場合もあるので、その点についてはご了承ください)。
水通路部の接続
まず給湯器には水が通るための配管があります。給湯専用であれば、入水と出湯の2本。それから追い炊き機能付きであれば、追い炊き配管の往きと戻りで+2本です。
これは、入水を止めて配管を外して新しい機械を繋いでやるというだけの話で、特に難しいことはありません。
現場状況にもよりますが、多くの場合は配管のつなぎ目にゴムパッキンやシートパッキンが入っているはずなので、それを新しいものに交換してつなぎ直してやるというだけです。
このとき、フレキのような曲げたりできて自由の利く配管であれば問題ありませんが、銅配管やステン配管だと「今まで使っていた機械と新しい機械の接続場所が同じとは限らない」ため、そうなると難易度は一気に跳ね上がってしまうでしょう。
あとは給湯器本体の接続口が1/2なのか3/4なのかを確認し、使われている配管のサイズと照らし合わせて、もしサイズが違うようであればアダプターを用意できるような人でなければ、DIYでの取付は難しいと思います。
燃料通路部
石油の場合
石油の場合の多くはオイルコックがあると思うので、そこで灯油の流れを止めて配管を施工します。オイルコックが無ければ、ホームタンク等で送油をストップします。
仮にホームタンクで油を止めたとしても、配管内に残っている油が大量に出てくる恐れがあるので、受け皿を用意するなど各自工夫してください。
屋内ならオイルホース、屋外なら銅管で施工されている現場が多いと思いますが、屋内で銅管を使うのは問題ないです。
銅管はフレア形状になっているので、原則としてパッキンなどは必要ありません。
キツく締めすぎると変形して漏れてくる恐れがあり、緩いと普通に漏れてくることが考えられますが、灯油なので漏れているかどうかは目と鼻で判断可能でしょう。
ただし、屋外の灯油通路部でゴムホースは使用しないでください。日差しなどにやられてゴムが硬化し、亀裂が入ることで灯油漏れを招く恐れがあります。
ガスの場合
ガスの場合は、多くの現場で金属可とう管を使用しているケースが多いのではないかと思いますが、パッキンを使用する場合もあれば、シール材を使用する場合もあります。
いずれにしてもガスを取り扱う場合は資格が必要ですし、ガスは漏れていても目で見て気付くことができないので、いくらDIYに自信があるという人でも資格を持っていない場合は、ガスの接続だけでも専門家に依頼するのをおすすめします。
ちなみに当社でも「給湯器のガスの接続だけお願いしたい」という依頼を受けて訪問することがありますが、出張料と作業料で5000円ほどです。可とう管そのものの料金も合わせたら、もう少し高くなるでしょう。
実際に契約しているガス屋さんに依頼すれば、もっと安くやってくれるかもしれません。
排気通路部
屋内タイプだと「壁から最低でも離さなくてはいけない距離」などが法律で決められていて、これも有資格者じゃないとできなかったような…。ちょっとここに関しては曖昧です。
いずれにしても、火事などの可能性を考えたら自己責任で済まされる問題でもないので、屋内タイプの給湯器の場合は、専門家に任せることをおすすめします。
外置きの場合は、排気筒が不要なので特に考える必要がないです。ただし、変に囲っている場合はショートサイクル(排気を吸ってしまう現象)に注意してください。
あとは、排気の出る先に壁があって排気が当たるというような場合は、排気カバーなどを取り付けて、排気が壁に直接当たらないようにしてやるなどの工夫が必要です。
参考「屋外タイプの給湯器を囲う」という行為はあまりおすすめできない
電装部
給湯器のリモコンは本体からの電圧で動いているため、給湯器から出ているリモコン線が家の中に入っていき、床下や壁を通ってリモコンと接続されています。
リモコン線自体は単なる二芯線で、特に極性などもありません。ショートさせないように電源を落とした状態で作業を行えば問題ないでしょう。
ただし、リモコン線は床下を通ってそこからリモコンと繋がっていることが多く、ほとんどの現場で「リモコン線が壁の中に吸い込まれて行ってしまうと、最悪の事態に発展する」ため、古いリモコンから線を外す場合はリモコン線が壁の中に入っていかないように注意してください。
そういう事故を先回りして、上からリモコン線を垂らしてくれているような現場もありますが、ほとんどの場合は床下から上に伸びてきているパターンなので、線を壁の中に落とさないように注意しましょう。
取付作業の金額は5万円程度が相場か
当社では、当社で給湯器を購入してくれたお客さんに対しての取付作業料は、大体5万円前後で見積もりを出しています(給湯専用機の場合は少し安く、暖房機能付きの場合は少し高くなるのが相場です)。
実際には給湯器からの値引きなんかとゴチャゴチャになるので、あくまでカタチ上での形式にはなりますが、私がこれまで見てきた設備屋の見積もりでは5万円くらいのところが多いです。
ただし、あくまで当社の場合に限って言えばですが、給湯器の販売価格からの利益も見込めるから取付を5万円で承っているという背景があるので「給湯器はこっちで用意するから取付だけお願い」というお客さんには、取付工料を8万円くらいで見積もったりもします。
現場状況にもよりますが、中には「取付だけで5万円は割に合わない」と思うくらいの作業だったりもするので、DIYに精通しているという人でも実際に給湯器の交換は初めてだという人の場合は、若干苦戦する可能性が高いんじゃないかと思いますね。
外置きの壁掛けは楽勝な場合が多い
マンションとかではなく、一軒家のお家周りに取り付けられている壁掛けタイプの給湯器は、簡単に取り付けられるケースが多いです。
水漏れなども気にする必要がありませんし、作業スペースも広い場合が多く、配管もフレキなどで施工されている現場が多いですからね。
例えば上記画像のような施工現場で、給湯+お風呂の追い炊きという本体であれば、個人的には5万円も取らなくてもいいかなと思ったりもします。恐らく作業時間は1時間半もあれば終わるんじゃないかと。
もしこのような現場で、DIYが得意な人が給湯器の交換に挑戦する場合であれば、挑戦してみるのもいいかもしれません(ガス接続だけはプロへの依頼をお願いします)。
まとめ
給湯器の取替作業は、そこまで難しいものでもないが現場によって大きく左右される
DIYが得意な人なら、挑戦してみるのもアリ
ガスと排気はプロによる点検を受けること
給湯器の交換作業は、もし私がそこまで仲の良くない友人に依頼をされた場合(かつ作業が楽な現場)、1万円~2万円くらいでやってもいいと思えるほど、そんなに難しい作業ではありません。
仲の良い友人や身内なら無料でもいいし、ご飯でもおごってもらえれば十分と考えるくらいの作業だったりもします。
ただ、中には「なんでこんなやりにくい現場なんだ」と思う場所もあるので、そういう現場なら黙ってプロに任せるのが無難だと思いますが、もし「自分でもできるんじゃね?」と思う場合は、挑戦してみてもいいと思いますよ。
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