当社に寄せられる1番多いクレームは「出張点検料が発生するなんて聞いていなかった!」というものです。
個人的にはこういう仕事をしていることもあって「人が動くんだからお金が発生して当たり前」という考えがありますが、世の中には見積もり無料を掲げている業者も少なくないので、消費者には「見積もりは無料」という考えが浸透しているのかもしれません。
それに事前に説明していないという部分について指摘をされるので、事前に説明をすれば防げるクレームなのに、あえてそれをしていないという点についてはこちらに非があることは間違いないでしょう。
そこで今回は出張点検料に関するクレーム事例について紹介していきたいと思います。
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Contents
給湯器修理の出張点検料とは?
出張点検料=出張料+点検料
出張点検料とは出張料と点検料を合わせた金額のことで、出張料は原則として「当社から現場までの距離に応じて発生する料金」で、点検料は「壊れてしまった原因を説明するための料金」を指します。
通常、修理に移行する場合は点検料はゼロになり、代わりに部品代や作業料が発生します。出張料はさて置き点検料というのは理解が得にくく、見積もりなんかもここに含まれています。
例えばE-140で修理訪問した場合に「原因と壊れた部品の説明、修理をするのに必要な金額の提示」をするわけですけど、お客さんによっては「修理でそんなにお金がかかるなら新しい給湯器に交換します」となる場合があります。
そして給湯器交換は知り合いの業者に頼むとなった場合、弊社としては点検料を貰わないと「給湯器が故障した原因と壊れた部品の説明、修理をするのに必要な金額の提示」はタダ働きということになってしまうわけです。
点検内容には責任を持っているので料金を貰う
私たちはお金を貰う代わりに点検の内容には責任を持っています。その内容が間違っていたことによってお客さんに不利益が生じた場合は、責任をもって対応します。
私は責任を負う対価として料金をいただいているという考えで、みなさんも対価無しに責任だけ負わされたら嫌だと思いませんか?もし点検料がタダなら、それはプロとしての判断ではなく、友達に聞いた時のアドバイスと何ら変わらないと言えるのではないかと思います。
例えば給湯器が壊れた時に、知り合いの詳しい人に聞いて「1万円くらいで直るんじゃない?」と言われたのに、実際は10万円かかる修理だったとしても、その知り合いには責任は発生しないじゃないですか?でもその知り合いがお金を取っていれば、その発言には責任が出てくるわけです。
給湯器には機械以外が原因で生じる不具合があるので、その場合に正しい原因を知らずに本体を交換しても状況が改善しない(新しく替えた給湯器がすぐ壊れてしまう)ということがあります。
そんな時、万が一トラブルになった場合に「点検の内容にそんなことは書かれていなかった」と点検した業者を追及するためにも、請求された点検料は払ってほしいんですよね。
なぜ直していないのにお金を払わなきゃいけないのか
出張料についても「金額が高すぎる」などのクレームはありますが、断然「点検料に関するクレーム」の方が多く、そういう場合は「なんで直していないのにお金を払わなきゃいけないんだ!」と言われます。これについては前項で説明したように、自分の点検内容に責任を持つからです。
もし給湯器以外に不具合があったとしたら、給湯器本体を新しく交換しても症状は変わらないわけで、給湯器を交換すれば直ると言った業者に責任が出てくるわけですけど、この時にお金を取ったか取らなかったかというのは大きいと思いませんか?
あまり良くない例えですが、病院に行って検査してもらって「手術が必要です」となったとしましょう。他の病院にも話を聞いてみるってなった時に、そこの病院でも一旦診察料を払いませんか?「なんで治していないのにお金を払わなきゃいけないんだ!」とは言わないでしょ。私にとって診断料ってそういうことです。
出張点検料のトラブルになる原因=事前説明がない
飲食店でも何でも「お金が発生する場合はメニューなり事前に金額の説明がある」という言い分で、修理を依頼した時点で「出張点検料」という名目のお金がかかることを明言しなかったことに怒りを訴えるお客さんも多いです。
結果から言うと、それについては「聞かれなかったから答えなかった」というズルい部分もあって、心の中では「病院にだってメニューはないし事前に診察料がかかりますって説明もないでしょうが」という考えもあります。ただ、事前に説明していればトラブルが防げた問題であることは間違いありません。
これは弊社の場合ですが、社長が言うには修理に行く前からあまりお金の話をすると「こっちはお湯が使えなくて困ってるのに、そっちは第一に金の話をするのか!」というクレームに繋がるから説明しないらしいです。
それと同時に出張診断料がかかるという説明をすると「じゃあいいです」という人が増えることが予想されて、売り上げが落ちるからというズルい目論見もあるようです。
ちなみにどうしても出張点検料を払いたくないのであれば、この「事前に説明を受けていない」という返し方をされた場合が私は1番困るので泣き寝入りする場合が多いです。出張料は意地でもいただきますが、点検料は値引きしたことが何度かあります。
まとめ
個人的には診断料がかからないと思っている人が、病院でも同じようなことを言うのかが気になる
恐らくですけど、病院関連で「診察無料!」と謳っているところがなく、設備屋なんかだと「診断無料!」と謳っているところがあるので、そういうニュアンスの差なんじゃないかと思っています。でもまぁスマホなんかでも、窓口に持ってって「部品交換が必要ですね…」と言われて修理を検討する場合、その場でお金はかからないことの方が多いか…。
でもこの場合は「結果買い替えたけど前の機械も部品が悪かったわけじゃなく、電池が切れてただけだった」なんてことになった場合、診断料を取っていれば新しい機械代金とかを請求できるのかもわかりませんけど、無料で見てもらった場合は責任は問えないですよね。
給湯器などの場合は下手すりゃ建物に損害が出るパターンもあるので、そういう意味でも責任の重さに対して料金をいただいているということで…(だめ?)。