給湯器が水漏れしながらも使用できる場合、修理は急ぐべき!?

機械や電子機器、電化製品において、調子が悪いというのは分かりつつも「一応使えてるし、このままでもいいか」と思ったことってありませんか?

私は給湯器などの住宅設備を修理する仕事をしていますが、中でも「給湯器からポタポタ水が漏れているのは知ってたけど、お湯は使えてるし、そのうち修理しようって思ってたら急に使えなくなってしまった」という依頼は頻繁に遭遇します。

 

特に給湯器の修理の場合だと「修理金額の相場が分からず、不安がありながらもつい後回しにしてしまう」とか「業者を呼ぶだけでも出張料を取られるので、お湯が使えているうちは修理を先送りにしてしまう」という人も少なくありません。

しかし、給湯器の内部から水が漏れているということが分かった場合、すぐにでも修理依頼をした方がいいです。これは間違いありません。

というわけで今回は「給湯器が水漏れしながらも使用できる場合、修理は急ぐべき!?」というテーマで、給湯器内部の水漏れを放置してしまうリスク・デメリットについて解説します。

目次

水漏れは早期発見、早期修理が重要!

給湯器からの水漏れは早期発見が重要です。というのは「漏れた水が他の部品に掛かることで二次被害、三次被害に繋がってしまう恐れがある」からです。

水漏れに限らず、給湯器の不具合に関しては早期発見が重要なのですが、異音や異臭だと簡単に気付けないことも多いです。

「音がちょっと大きい気がする/煙突から出るニオイがちょっと強くなった気がする」という、気のせいかもしれないという状況で修理依頼をできるというお客さんはほとんどいません。

しかし水漏れであれば、被害の大小はさておき「給湯器に不具合が出ている」ということはほぼ断言できる状況なので、メンテナンスに従事している立場としては「なるべく早く修理をした方が、被害は最小限に食い止められる」と断言します。

 

給湯器からの水漏れに関するプチ情報

洗面所に設置されている場合は早期発見できる可能性あり

給湯器が設置されている場所は、各家庭によって異なります。お家の中に設置されている現場もあれば、お家の外に設置されているパターンも。

しかし、お家の中に設置されている場合であれば、設置場所の相場は8割以上が「洗面所」です。

そして洗面所に設置されている給湯器であれば、給湯器本体から水が漏れているという場合、割と早い段階で発見することができるでしょう。

 

水漏れには症状の重いものと軽いものがある

給湯器の内部から水が漏れている場合、どこからどの程度漏れているのかによって、症状の大きさはだいぶ変わってきます。

大量に漏れているという場合(数時間でバケツが満杯になるというレベル)であれば、どこから漏れていても湿気によって電装部に悪影響がありそうなので、ただちに修理依頼して欲しいというのが本音ですが、タチタチ・ポタポタ程度であれば場所によっては放置していてもさほど問題なかったりもします。

 

【重症】

  • 熱交換器の内部からの水漏れ
  • パイプや部品そのものからの水漏れ
  • 上部にある部品からの水漏れ

 

【軽症】

  • 部品とパイプの接続部からの水漏れ
  • 下部にある部品からの水漏れ

 

ものすごく大雑把に言うと「部品の繋ぎ目から漏れているならセーフ、部品そのものから漏れているならアウト」であることが多いです。

繋ぎ目から水が漏れている場合の多くは、Oリングやパッキンなどのゴムが劣化していることによって水が漏れているケースが多いので、そこまで重症ではないことがほとんどだと言っていいでしょう。

ただしこの場合であれば、修理費用もそんなに掛からないケースが多いので、後回しにすることのメリットはほとんどないような気もします。

 

更には「上の方に搭載されている部品からの水漏れはアウト、下の方に搭載されている部品からの水漏れはセーフ」となることが多いです。

上の方から漏れている場合、下にある部品に水が掛かってしまうリスクが増えます。基板などの電装部に水が掛かるとショートしたり漏電の可能性も出てきますし、配線の腐食に繋がってしまうことも珍しくありません。

一方で底部に搭載されている部品からの水漏れであれば、他の部品に水が掛かるという心配はほとんど無くなるので、どっちかと言えばリスクは低いと言えます。

 

お客さん自身が給湯器のどこから水が漏れているのかを判断するのは難しい

これは私が住んでいるアパートの給湯器の写真ですが、給湯器の内部のどこからか水が漏れている場合、水は下に下に流れていくので、給湯器の底のどこからか水がポタポタ漏れてくることになります。

しかし実際には、そこからポタポタ漏れている水は「給湯器のある部分から漏れた水が、パイプや部品などを伝ってたまたまそこから逃げてきているだけ」なので、この状況では「給湯器の内部から水は漏れているのは間違いないけど、どこから漏れているのかは不明」という状態です。

 

どこから漏れているかを判断するには、フロントカバーを開けて内部を見て確認することが必要になりますが、給湯器は複雑な構造をしているので何処から水が漏れているのかを見つけるのも案外難しかったりします。

そして「重症=一刻も早く修理した方がいい、軽症=放置しててもそんなに問題はないが、修理しても高額修理にはならないはずなので早めに修理した方がいい」となるような気がするので、水漏れを発見した際は直ちに修理依頼をするのがおすすめです。

 

水漏れしながら使っていて危険ということは無い?

例えば修理依頼をしても、その日のうちに来てもらえて直してもらえるとは限りません。

もし翌日の訪問となった場合「一応お湯は出るんだけど、使っても危険じゃないのかな?」と気になる人は多いのではないかと思います。

結論から言うと「給湯器の症状が悪化してしまう可能性はありますが、危険な状況になればエラーを出して停止するので危険ではない」です。

 

例えば排気通路部に水が貯まった状態で給湯器を動かしてしまうと、給湯器の内部でショートサイクル(本来は外に出すための排気が外に出ていけず、排気を使って燃焼動作に入ってしまう)が起こり、機器内部で酸欠になります。

酸欠になると煤詰まりを起こしたりするので、これが原因で本来であれば交換の必要が無かったバーナーの交換が必要になってしまうというケースも珍しくありません。

 

水漏れしている箇所によっては使っても問題ない場合もありますし、使ったことで二次被害が出る可能性もありますが、どちらにせよエラーが出ていないのであれば危険ということは無いので、そこを心配する必要はないです。

 

まとめ

水漏れは早期発見・早期修理で被害を最小限にしよう

水漏れしていてもお湯が使えるという状況であれば、騙し騙し使うことで故障レベルが高くなることはあっても、それが事故に繋がるという危険性はない

お家の外に給湯器が設置されている場合は、ほとんど見に行くことがないという人が大多数だと思いますが、そういう人にも「たまには給湯器の様子を見に行って欲しい」と思えるくらい、給湯器の不具合(特に水漏れ)において早期発見は重要です。

「次壊れたら修理せずに買い替える」くらいの勢いで心を決めている人は別ですが、修理を検討するという場合はなるべく早い段階で修理することをおすすめします。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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