ルームヒーターから温風が出ない|考えられる原因と対策

ルームヒーターから温風が出ない 考えられる原因と対策
  • ルームヒーターから風が出ない
  • ルームヒーターから温風が出ない
  • ルームヒーターから出る風の力が弱い

ルームヒーターを使用しているお客さんからの修理依頼で多いのは「ルームヒーターから温風が出ない」というものです。温風が出ないという症状も多いですし、中には「温風は出るんだけど弱い」という症状もあります。

このページでは「ルームヒーターから暖かい風が出ない時に考えられる不具合の内容」について、できるだけ分かりやすく解説するので、ルームヒーターのことでお悩みの方はぜひ参考にしてください。

目次

ルームヒーターとは?

本記事で取り上げているルームヒーターとは、熱源機に暖房ボイラーと連動して温風を出すタイプのヒーターを指します。

上記画像のようなタイプの温水コンセント型のファンコンや、壁に取り付けられていて動かせないバーチカルタイプなど様々ですが、基本的には「暖房ボイラーかと連動していて、温風が出るタイプのヒーター」と思ってください。

ファンコンベクター(略してファンコン)と呼ぶお客さんもいますが、ルームヒーターはシロッコファンと呼ばれるもので送風する機械で、正確に言うとファンコンとは別物です。

こたろー

でも共通する部分も多いので本記事の内容は参考になると思います。

ルームヒーターから温風が出ない場合にチェックしたいこと

暖房ボイラー及びルームヒーターの電源は入っているか

  • ルームヒーターのコンセントプラグの確認
  • ルームヒーターの温水コンセントを確認
  • 暖房ボイラーとルームヒーターの両方の電源を入れてみる

コンセントプラグと温水コンセントの確認

温水コンセント
温水コンセントの接続方法

意外と「コンセントプラグが抜けていた、温水コンセントが抜けていた」という初歩的なミスは少なくありません。まずはちゃんと動作する環境にあるかどうかという意味で、電源と温水の両方のコンセントを確認してください。

こたろー

子供が触って外していたというケースが意外とあります。ちゃんとハマっていない可能性もあるので、一回外して装着してみてください。

同じ端末をもう一台所有しているなら入れ替えてみる

もし温水コンセント式のルームヒーターを複数台所有している場合は「動かないルームヒーターを別の場所に移した時に稼働するかどうか」と「動かないルームヒーターの位置に別のルームーヒーターを持ってきたら動くかどうか」で、どこに原因があるかを診断することができます。

この時、場所を入れ替えても症状が変わらないならルームヒーターそのものに問題が生じている可能性が高くなりますし、移動して改善するのであればルームヒーターに問題はなく、その設置箇所に問題が生じている可能性が高いです。

どちらかと言うとルームヒーターそのものの修理費用はあまり高額にならない傾向が高いので、特定のルームヒーターが故障しているという状況なら一番被害が少ないパターンかもしれません。

暖房ボイラーとルームヒーターの両方の電源を入れてみる

お家の環境によっては「うちはルームヒーターの電源を入れるだけで暖房が機能する」という人もいると思いますが、ボイラーとの連携に不具合が出ている可能性があります。

「普段のようにルームヒーターだけの電源を入れたら動かないが、暖房ボイラーの電源も入れたら動くようになる」というケースがあるので、あわせて確認してみてください。これで正常に動作するようであれば、暖房ボイラーとルームヒーターを連動させる線に不具合が生じている可能性が高いです。

具体的には「温水コンセント部分の接触不良、E-CON線の腐食」などが考えられますが、線の腐食だとすれば「どこで腐食しているか」によって修繕費用は大きく変わってくるでしょう。手で簡単に手直しできる部分であれば、出張料込みで1万円以内で直せるパターンが多いです。

ルームヒーターそのものから熱気を感じるか

  • 熱気を感じる→シロッコファンが回っていない→モーターか基盤が怪しい
  • 熱気を感じない→ルームヒーターの手前まで循環液が来ているかどうかがカギ

ルームヒーターの仕組みとしては「暖房ボイラーで温められた熱い循環液が流れ込み、その熱気を扇風機のようなもので送る」という単純なものです。そのため基本的な動作をしていれば、温風は来なくても熱気は感じるということになります。

この場合は風が出てくる場所に手をかざせば温かみを感じるはずです。もしそうなら単に送風ファンが回ってないだけという可能性があります。この場合は単純にモーターに不具合が出ている場合もありますし、基盤の不具合が原因でモーターが動かない場合など様々です。

意外と多いのは「小さいお子さんがペンやおもちゃのような物を突っ込んでいて、それが引っ掛かってプロペラが回れない」というパターンです。いずれにしてもプロペラが回れていないだけの場合は、そこまでの高額修理になる可能性は極めて低いでしょう。

熱気を一切感じない

  • ルームヒーターの中まで循環液が来ている→熱動弁の故障、熱交換器内部に詰まり
  • ルームヒーターまで循環液が来ていない→暖房ボイラーに不具合の可能性が高い

一方で熱気を一切感じないという場合は少し厄介かもしれません。この場合は暖房ボイラーで温められた循環液がルームヒーターの中、あるいは外で循環できていないということになります。

暖房ボイラーに原因があるのか、それともルームヒーターに原因があるのか。もしルームヒーターを複数所有していて、特定の一台だけが動かないのであればルームヒーターに原因があるので、この場合はルームヒーターの内部に詰まりがある可能性があります。

多いのは熱交換器の詰まり、あるいは熱動弁が開けていないというものです。熱動弁は熱い循環液に反応して開く部品で、冷たいときには開きません。これに不具合があって「熱い循環液が来ているのに開かない」というケースが考えられます。

最悪のケースは「熱交換器に詰まりが生じている」という場合です。原因は循環している不凍液の劣化の可能性が高く、この場合は詰まっている熱交換器の交換だけでなく、不凍液も交換しなければなりません。

こたろー

不凍液も年々劣化します。ノーリツでは2年~3年に一度、リンナイでは2年に一度の交換を推奨しているので注意してください。

ルームヒーターの風が弱いという場合にチェックしたいこと

ルームヒーターの風が弱いときに考えられる原因

  • 循環液が十分に温められていない
  • ルームヒーターに流れ込む循環液の流量がわずか
  • モーターの動力が弱い、プロペラ部分の破損
  • フィルター詰まり

ルームヒーターは「暖房ボイラーで熱された循環液がルームヒーター本体に流れ込み、熱くなったルームヒーター本体から風を送る」というシンプルなものです。

そしてルームヒーターに流れ込む循環液が全く温まっていない場合、冷たい風すら出てこないという製品が多いので、基本的には「少しでも風が吹いてくる=熱源機は問題が無い」というケースが多いです。

もちろん「熱源機のポンプが弱いせいでルームヒーターに循環液を送れていない」などの例外はありますが、熱源の暖房ボイラーのポンプが悪いなら然るべきエラーを出す場合も多く、基本的にはルームヒーター側に原因があると考えていいでしょう。

循環液が十分に温められていない

帰ってきてすぐにルームヒーターの電源を入れ、動作を今か今かと待ちわびている場合は数分間が鬼のように長く感じるものです。ルームヒーターはある程度の熱い不凍液が流れ込んで来て初めて動作するので、不凍液が完全に温まっていない状態での動作は不安定でフル稼働しないという製品も珍しくありません。

そうなると「時間が経過→循環液が完全に熱くなる→フル稼働する」という極めて自然な動作になるのですが、人によっては「最初の風が弱い」と感じることがあります。これについては仕様上であることが多く、特に気にする必要はないでしょう。

恐らく製品の取扱説明書にある「故障かと思ったら?」の項目でも軽く触れられているんじゃないかと思います。初動からフル稼働というスタンスではないルームヒーターも多いので、時間が経てば正常に動作するというのであればそこまで不安に感じる必要もありません

ルームヒーターに流れ込む循環液の流量がわずか

暖房ボイラーでちゃんと不凍液が熱くなっていても、それが何かしらの原因でルームヒーター内に流れ込んでいなければ意味がありません。全く流れ込まないのであれば温風が全く出ないという症状が出るのですが、中途半端に流れ込んでいるといつまでも暖機運転のような中途半端な動作になる可能性が高いです。

その原因としては「配管のどこかに詰まりがある、循環ポンプの力が弱まっている」などが考えられますが、多いのは熱動弁と呼ばれる「温度に応じて循環液の流量を調整している弁」が正常動作していないというケースです。

本来なら「設定温度に近付いた時だけ流量を絞って動作を停止させる」というものなのですが、劣化してきたり故障すると、本来なら全開にならなければいけないのに少ししか開かないというケースがあります。この場合はエラーも出ないので、ルームヒーターから出てくる温風が明らかに弱い場合はメーカーに連絡してください。

モーターの動力が弱い、シロッコファンの破損

経年劣化でよくあるのは、モーターの動力が低下が原因による送風能力の低下です。それ以外に多いのが、小さいお子さんがいたずらをして、シロッコファンを破壊しているケースです。

シロッコファンが破損した場合は、空気抵抗を受ける部分が無くなるので正常に風を送ることができなくなります(空回りしてしまいます)。この場合は割れた破片が出てくるのでユーザーも「破損したんじゃないか?」と気付くはずですが、小さいお子さんが棒やペンを突っ込んで壊してしまうというケースは非常に多いです。

特に「左側は風が来るんだけど右側から風が来ない」というような場合には、右側のシロッコ部分だけ破損してしまっているという可能性が考えられます。部品そのものはプラスチックのような感じでもあり(カーボン等かもしれません)、割れた破片となると鋭利な状態であることが多いのでケガなどしないように注意してください。

風が弱い場合はフィルター掃除してみる

ルームヒーター - フィルター掃除方法

ちなみに「風が全く出ないのではなく、なんか弱い(気がする)」という場合は、フィルターを掃除してみるのも有効です。フィルターの掃除方法については取り扱い説明書にも記載されています。

「あまりにも風が弱すぎる」という場合はフィルターだけが原因である可能性はほとんどないと思いますが、修理依頼をする前に自分で確認しておきたい部分では外せない項目なので、まずはフィルターの掃除を行ってみてください。

ルームヒーターから温風が出ない時に考えられる原因と対策まとめ

電源プラグや温水コンセントがしっかり差さっているかどうかを再確認しよう
ルームヒーターそのものが温まっているなら最悪のケースは無さそう
ルームヒーターから一切の熱気を感じない場合は循環液が回っていない可能性大
経年劣化で風量が落ちるケースは十分に考えられる
風量が弱い場合はまずフィルターのチェック

暖房ボイラーの修理となると青天井ですが、ルームヒーターの故障でそこまでの高額修理になるケースはそこまでありません。温風が出ないケースでルームヒーターから熱が感じられる場合も、大きな不具合である可能性は低いです。

実際に見てみないと何とも言えない部分はありますが、もし「熱は感じられるけど風がこない」という場合で、小さなお子様がいらっしゃるというご家庭の場合は何か突っかかるような物を入れていないか等チェックしてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

コメント

コメントする

目次