「前日にお風呂に入ってお湯をそのままにしてたら、朝起きたら浴槽からお湯が溢れてた」という修理依頼がそこそこ寄せられるのですが、これも給湯器が経年劣化してくると散見される不具合の1つです。
おそらくその症状であれば注湯電磁弁と呼ばれるお湯張りの部品に不具合が出ていることが予想されるのですが、今回は「お風呂の循環口からポタポタ水が漏れてくる」という不具合の内容について説明していきたいと思います。
症状の内容
上記画像の矢印に示した部分から水が漏れてくる
エラーは無く、お湯も出るし、追い炊きもお湯張りもできる
基本的に「水が出てきてしまうということ以外には不具合がない」という症状であれば、今回私が説明する注湯電磁弁の不具合に合致する可能性が非常に高いです。
もしこの内容であれば、とりあえず危険だということはありませんし、騙し騙し使用することも可能です。
ただ、漏れているお湯は微量だとしても24時間出っ放しということを考えると、どうしても水道料金が気になるという人も多いでしょう。
故障の原因
給湯器の内部には、注湯電磁弁と呼ばれるお湯張りの為の電磁弁があります。ふろ自動ボタンを押したときだけ開き、それ以外の時は閉まっているという部品です。
それが経年劣化によって、閉まっているにも関わらず微妙に隙間ができ、そこから微量に水が漏れてきていると推測されます。
ちなみにメーカーや機種の違いによって、注湯電磁弁と呼んだり湯張り電磁弁と呼んだり、水量サーボと呼ばれる部品がその役割を果たしたりしていますが、基本的には「お風呂にお湯を張るための部品」のことです。
これはお湯の蛇口と一緒で、ある程度の水の流量がないと点火動作には入りませんから、ちょっと漏れているくらいであれば、勝手に機械が燃焼し始めるということはありません。
修理金額について
注湯電磁弁だけの交換であれば、どんなに高くても25000円以内で済むことが多いです。
機種によって部品の金額に開きがあるので一概には言えませんが、20000円以内で済む場合もあります。
ちなみに「パッキンだけ交換すれば何とかなるんじゃないか?」と思う人がいるかもしれませんが、簡単に交換できるようなパッキンではなく、もしそれを交換するとしたら精密部品の分解作業を伴います。
部品代は安く済んだとしてもその分作業料が高くなりますし、現実的な話ではありません。
何より今後電磁弁自体が壊れてしまう可能性も考えて、注湯電磁弁は丸ごと交換した方がいいでしょう。
修理しなければどうなるか
最初はポタポタ漏れてくるだけのものが、徐々にその水量が増えていきます。
さすがに燃焼動作に入るほどの水量が漏れている現場は見たことがありませんが、そのうち「こんなに水が漏れているのを放置するくらいだったら、修理料金を払って直した方がいいや」と思えるくらいまで、水漏れの量は増えていくと考えて間違いないでしょう。
大半の現場で、最初は「よく注目してみていないと漏れているのも分からない」「循環口の周りをしっかりと拭いたのに、あとで触ってみると濡れていて水の線が残っている」という程度の漏れから始まります。
話を聞いていると「前日の残り湯をそのままにしていたら、朝になってお風呂が溢れていた」とか「前日の最期にお風呂を掃除して空っぽにし、栓をしてスタンバイしていたら、いざお湯を張ろうと思った時に少し水が貯まっていた」という部分から気付く人が多いようです。
酷くなってくると「注目して見てなくても、明らかに少量の水が流れ続けている」という状況になるので、このような場合は水道料金のこともあるので、早めの修理をおすすめします。
エラーがでないのはなぜ?
注湯電磁弁には、562というエラー番号が設けられています。
今回の症状は「注湯電磁弁がしっかりと閉まっているにも関わらず、隙間から水が漏れている」という症状なので、給湯器は正常動作だと思い込んでいるという背景があります。
「お湯張りボタンを押したのに開かない」という場合などであればエラーが出るのですが、ちょっと漏れている程度であれば異常として検出できません。
そのため「給湯器の部品が悪いのであれば、エラーが表示されるんじゃないの?」と思い、ユニットバスのメーカーや水道屋さんに修理を依頼する人も多いようです。
しかし、今回ご紹介した「循環口から水が漏れてくる」という場合であれば、給湯器のメーカーに修理依頼をするのが手っ取り早いと思います。
ただし直接メーカーに依頼する場合と、地元の水道屋さんや設備屋さんに依頼する場合とで、メリットとデメリットがあるので、どこに連絡しようか悩んでいるという場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事プロが教える「給湯器の修理依頼はどこにするのがいいのか?」について【完全保存版】
まとめ
循環口からの水漏れは注湯電磁弁の不具合の可能性が高い
修理しなければ水漏れの量がどんどん増えていく
使用年数5年を超えるような現場では、比較的多く見る症状です。
この内容であれば単独で発生することが多く、放置することによって他の不具合を誘発するということもないため、もし使用年数が7年を超えているような場合は、買い替えを含めて検討してみてはいかがでしょうか。
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