ノーリツ製給湯器のエラーE543｜暖房回路漏水検知

このページではノーリツ製給湯器(暖房機)のエラーE543について、考えられる内容と対策について解説していきます。

E543は暖房回路漏水検知のエラーで、暖房回路内の不凍液が減っているときに表示されるエラーです。

ここで紹介する事例はあくまで「このような内容であることが考えられる」というものであり、絶対にそうだというわけではありませんのでご了承ください。

ノーリツ製給湯器 E543のエラー内容

E543：暖房回路漏水検知(多量)

主に暖房機能付きガス給湯器(あるいはガス暖房ボイラー)で、自動給水システムを利用している場合に表示されることがあるエラーです。暖房ボイラーは不凍液(または暖房水、循環液)がグルグル循環することで機能するのですが、この不凍液の量が一定値以下を下回ると機能しなくなってしまいます。

このとき通常ならE043(不凍液不足)のエラーを出して止まるのですが、一部の給湯器や暖房ボイラーでは不凍液が不足したのを検知した段階で水を追加してくれます。このような行動をしてくれる給湯器の場合、何度も水を追加すると「何度水を追加してもキリがない→水漏れしてるんじゃない？」と判断し、このようなときにE543を出します。

補充が必要な水量によってエラーが変わり、少量の場合はE173、多量の場合にE543が表示されます。

E543で考えられる不具合の内容

• 暖房回路からの不凍液漏れ
• 暖房回路のエアがみ
• 施工不良

暖房回路からの不凍液漏れ

暖房回路のどこかから不凍液が漏れている場合、その都度機械側で頻繁に水を補充することになります。本来、不凍液は水のように蒸発しやすくはないですし、仮に水だったとしても軽く密閉されている暖房回路から簡単に蒸発するとは思えません。

このような状況で頻繁に多量の水を補給することになると、不凍液漏れとして検知されE543が表示されます。

暖房回路のエアがみ

暖房回路に不凍液を入れる際に、どうやっても多少の空気が入り込んでしまいます。暖房ボイラーを取り付ける際、理想としては暖房配管には不凍液だけを入れたいのですが、空気の侵入を防ぐのはまず不可能です。

この空気は暖房ボイラーを動作させていくうちに少しずつ抜けていくのですが、空気が入っている状態で不凍液を満タンにしていても、その空気が抜けていくと徐々に不凍液の総量も減っていきます(正確に言えば不凍液が減っているわけではなく、見せかけの量が減っているだけですが)。

空気が抜けていくタイミングで暖房ボイラーが少しずつ水を補充することになると、場合によってはE173を出すことがありますが、この場合は異常ではありません。

施工不良

• 暖房ボイラーに給水配管を繋いでいない
• 基板の設定を変更していない
• 自動給水用の止水栓を開放していない

設定方法や施工不良に問題があって、給湯器には問題がないのにE543を表示しているというケースも考えられます。代表的なものは上記3点です。

E543は自動給水システムを利用している時に出るエラーなので、給水配管を接続している前提になっています。給湯暖房機なら水を繋ぐのが当たり前ですが、暖房ボイラーの場合は水道配管を繋がずに運用することが多いです。

このような場合は自動給水システムを利用しないような設定にしなければならないのですが、施工業者によってはこれを忘れている場合があります。給湯器、暖房ボイラーを施工して、初めての冬シーズンに出たE543の場合は注意が必要です。

E543が表示されたときの対処方法

• 1回目のE543は様子見でもOK
• 給湯器や暖房配管から不凍液漏れがないかを確認する

1回目のE543は様子見でもOK

初めてE543が表示された場合、単に空気絡みでエラーが出た可能性があります。もしリモコン電源の入り切りで復旧するなら、所見時はスルーしても問題ないです。特に施工後間もない場合は割と出ることがあります。

これが「リモコン電源の入り切りでは復旧しない」ということになれば、施工ミス・設定ミスの可能性が出てくるので、この場合はメーカーではなく施工店に連絡した方がいいかもしれません。もし「初見時はスルーしたけど、ちょっとしてから再度E543が表示された」みたいなことがあったら、その時はメーカーに連絡をして点検してもらうことをおすすめします。

給湯器や暖房配管から不凍液漏れがないかを確認する

まずは不凍液の漏れがないかどうかを確認してください。給湯機本体のフロントカバーを開ける必要はありませんが、機器底部から不凍液が滴っていないかどうかを確認するのが有効です。

あとは目に見える部分だけでいいので、暖房配管や暖房端末から不凍液が漏れていないかどうかを確認しましょう。暖房ボイラーから不凍液が漏れている場合は暖房ボイラーのメーカーへ、暖房端末から不凍液が漏れている場合は暖房端末のメーカーへ連絡してください。

E543の修理金額の目安

• 考えられる故障部品：暖房回路のどこか
• 修理参考料金：6,000円～（出張費：上限3,300円＋故障診断料を含む）

暖房回路のどこかから漏れているというエラーになるので、どこから漏れているかによって修理額は大きく変わります。正直、目安も付けられないくらいピンキリです。

最悪のケースだと「お家の中の床下の暖房配管からの漏れ」なんかが考えられますが、こうなってくると高額の修繕費用が発生してしまうでしょう。一方で施工ミスや設定ミスなら簡単に直せますし、施工店によっては費用が発生しないこともあります。

ノーリツ製給湯器のエラーE543 まとめ

• 給湯器のエラーE543は暖房回路漏水検知だが、漏水があるとは限らない
• 施工ミス、設定ミスの可能性があるため、施工から間もない場合は施工店へ

給湯器の使用開始から何年も経っている場合なら漏水検知の可能性が高いですが、1年目または2年目の場合は施工ミスや設定ミスというケースが少なくありません。このような場合にメーカーに連絡してしまうと、診断と共に出張点検料が発生してしまいます。

場合によっては施工店が「修理費用をこっちで負担する」とか、もしくは施工店が無償で改善してくれる可能性があるので、使用開始から間もない場合はまず施工店に相談してみてください。