実は給湯器の種類によっては「ありえないくらい壊れる部品」が存在します。
どのくらいありえないかというと、メーカーからメンテナンス会社に「〇〇って機種の●●って部品が壊れやすいから保証延長します」という文書が回ってくるほどです。
今回はそんな裏話をご紹介します。
給湯器の部品は日々改良されている
最近はスマホアプリなんかでもバージョンアップって聞くじゃないですか?そんな感じで給湯器の部品も日々バージョンアップしています。
実際にメーカーでは商品化する前に通水試験や試運転などは当然してるんですけど、どうしても「数年使用した時にでる不具合」などを見抜くことってできないんですね。
そのため壊れた原因が不明な部品については、我々サービスの人間がそれをメーカーに具体的な症状の説明と共に送り付けて、品質改善に努めているという背景があるんです。
「最近このエラー多いな」と思っていると…
例えば、とある機械のバーナーが使用期間3年くらいで壊れたとしましょう。バーナーの不具合は保証期間を過ぎたら原則として有償なので、私どもとしても「3年で壊れるなんて早いよな…」と思いながらも、お客さんからお金をもらって部品交換します。
当然お客さんは「納得できない!」という人も多く、私たちも「何故壊れたのかという説明がうまくできない」という状況です。ただ最終的には「料金をいただけないのであれば修理はできません」ということになり、怒っているお客さんから文句を言われながら修理をするという流れになります。
それで我々サービスの中でも「〇〇のバーナーの修理、最近多くない?」という話になるんですよ。そうやって喋っていると、ちょっとしてから社外秘の文書が回ってくるんです。
部品の保証延長
最近、〇〇のバーナーがエラーを出す不具合が多発しています。
原因は▲▲で、これを改善した部品を明日から発送する予定です。
このエラーの発生現場においては、保証期間を5年に延長することとします。
お客様には具体的な事情は述べず、速やかに対応してね(はあと)
こんな感じの文書が回ってくることがあります。保証延長が5年にまで引き上げられるというケースはまだ良心的で、ひどい場合だと「壊れるって事例はあるけど、まぁお金は貰ってきて」というパターンもありますから、本当に誠実じゃないなと感じることがあります。
ここで問題なのは「これまでに修理費を払ってきたお客さんには何も保証されない&そのお客さんのバーナーは改善されていないものである」という点です。この文書が回ってきてから保証延長が5年に延長されたのであって、それまでに修理したお客さんに返金するなどの対応はないんですよ。
さらにそんなお客さんの給湯機についているのは改善されていないバーナーですから、また同じくらいの期間で壊れてしまうことが予想できるわけです。ここには「文句を言いながらもお金を払ってくれるお客さんだから、その甘えに付け込もう」というようなメーカーのズルさを感じますね。
「他でもある」とは絶対に言わない
修理をしていてお客さんによく聞かれるのが「他のお家でもこんなことってありますか?」という質問。我々は「最近多いんですよね」とは口が裂けても言いません。言い方を変えると「あなたの家でしか起きていないので、製品の欠陥ではありません」ということを暗に伝えているんです。
修理費用が発生しない場合はまだいいのですが、これでお客さんからお金を貰わなきゃいけないという時はさすがに心が痛みます。そして「製品の欠陥じゃないなら何が原因なの?」と聞かれるのが非常に困る質問です。
もし「明らかに早い時期に壊れてしまい、なぜ壊れたかの説明にも納得がいかない」という場合は、メーカーに直接聞いてみるのもいいかもしれません。そういう人が多ければ、数日後に社外秘の文書が回ってくるということなのかもしれませんし。
まとめ
- たまに「壊れることが非常に多い部品」が使われている給湯器がある
- それはあるタイミングで、お金のかかる人とかからない人が出てくることがある
- なぜ壊れたかのハッキリとした説明がない場合は、納得できるまで折れないことも重要
世の中には10年を超える給湯器を使っておきながら「親戚の家では20年使えた!」と不満を言ってくるユーザーもいれば、3年程度で修理になって文句も言わずにグッと堪えてお金を払うユーザーもいて、本当に世の中不公平だなと思います。
多くのケースでは早い年数で壊れた機械でも「実際に燃えた時間は一般家庭の10年分」などの理由がちゃんと説明できるんです。それが説明できないってことは、修理業者がメーカーに都合の悪い何かを隠しているのかもしれません。
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