「出張料なんか払いたくない!」という人は意外と多い

お客さんのお家を回って生活設備の修理をする仕事をしていると、切っても切れない関係であるのが「出張料」です。私自身はこの仕事をしていようがしていまいが、人を動かすのにはお金が掛かるものだと思って育ってきたので「出張料なんか取るの?」と怒るお客さんの気持ちがあまり理解できません。

例えば「ボイラーの調子がおかしい」「ガスコンロの調子がおかしい」となったときに修理業者を呼ぶとしましょう。結果「修理するとお金が掛かるから修理はやめて買い替えることにします」ということも十分に考えられます。こんな時に修理に来てくれた業者に対して「修理はしないんだから、お金は払わない」という人が一定の割合で存在するのです。

今日はそんな出張料について説明したいと思います。

目次

修理業者が言う「出張料」とは?

修理業者はボランティアではない

まず初めに、私が在籍している会社では様々な住宅設備のメンテナンスや修理を行っていますが、お客さんから「〇〇が壊れた」という依頼があれば県内どこにでも駆けつけています。

10分で行ける所から車で数時間かかるような遠い所まで、会社の車を使って、作業員である私が勤務時間内にお客さんの家にお伺いしているのですが、なぜこれで「出張料が掛からないと思っているのか」が私には理解できません。

確かに私の会社の隣のお家が現場だったとかなら「出張料とるのか!?」っていう気持ちはわかりますが、車で動く以上は出張料は掛かって当然ではないでしょうか。

 

当社では初動経費が安くても5000円弱発生する

初動経費=出張料+点検料=約5000円

当社では修理依頼があれば、私のような作業員がお客さんのお家にお邪魔させてもらい、実際に不具合の内容を確認し、お客さんに対して「不具合の内容、不具合が起きてしまった原因、これを直すのに必要となる金額の見積もり」などを説明します。

当然ながら「修理でそんなに掛かるなら新しいのに買い替える」というケースもありますし、不具合の程度によっては「とりあえず危なくないなら騙し騙しこのまま使うから、今回の修理は無しで」という結論に至ることも。

そのようなケースでは「お客さんの家に向かうまでに掛かった費用=出張料」と「不具合の内容を点検し説明した費用=点検料」が掛かります。

出張料は当社から20km圏内であれば2000円程度。それを超えると3000円以上となり、どんなに遠くても上限は5000円以下となっています。点検料は2000円~3000円程度で、これは修理をする場合は発生せず、あくまで「お客さんの都合で修理をしない場合」に発生します。

 

なぜ出張料を払いたくないのか

事前に料金説明を受けていないから払いたくない

私が修理で回っていて、1番厄介だと考えているのがこの言い分です。「事前に、例え修理をしなくても出張料いくら、点検料いくらかかりますっていうのが普通じゃないですか?」と言われてしまうと、こちらとしては結構厳しいんですよね。

心の中では「じゃあお前は医者に身体を診てもらってもお金を払わないのか?」とか言いたいんですけど、そんなことを言ってしまうと私の態度の悪さに矛先が向いて当社が折れることになるので、そういう事は口が裂けても言えないわけです。

そして実際になぜ事前に説明していないかというのは、当社の女性事務員(電話応対するオペレーター)がそういう説明をしていないからなんですが…。そもそも「お金は掛かって当然」という考えがあるんですよね。身体の調子がおかしくて病院に行くじゃないですか?受付時に「診察料がかかりますが宜しいですか?」って説明されないですよね?それと一緒です。

で、実際にこういうトラブルが多いんだから「事前に説明した方がいいんじゃないか?」という改善案も出てます。ただ、当社の社長は「それだと、じゃあいいですって言う人が増えるから、お客さんから聞かれたときだけ答えよう」と言うスタイルをとっています。…ぶっちゃけそういうズルい部分もあるんです。

機械を直してないんだから払いたくない

1番聞くのはこれです。修理に伺った結果「そんなにお金を掛けて修理するくらいなら買い替える」という結論になり、修理で呼んだ業者が修理をしていないのにも関わらず、なぜその業者にお金を払わなくてはいけないのかという理屈です。

これは「お客さんの家に来るまでに車のガソリン代も掛かってるし、こうして点検させてもらっている間の私の給料を稼がなきゃいけないので」ということを、すごく下から説明しているのですが、納得してもらうまでに時間が掛かる場合も。

私としてはラーメン屋さんでラーメンを頼んで、ちょうど席に運ばれてきたタイミングで「あ、用事思い出したからやっぱいらない。ラーメン食べてないんだから、お金は払わないけどいいよね?」という言い分に近いような気がしています(もちろんこんな説明はお客さんにはしませんが)。

 

出張料が高いから払いたくない

これも結構聞きます。ガソリン代の話をすると「リッター何キロの車に乗ってんだ?」とか「車で来るのはそっちの都合だから、こっちはあなたが歩いてきても構わない」というお客さんもいましたね…。

これに関しては「メーカーで決められている料金なので」という毅然とした態度で対応しています。同じ町内のお客さんからこれを言われてしまうとややツライ部分もありますが、基本的にこれを言ってくるお客さんというのは、難癖を付けてお金を払いたくないだけであることが多いので、最悪の場合でも「2000円のところを1500円にするから払ってくれ」と言えば大丈夫であることが多いです。

 

払ってくれないお客さんにはどうしているのか

基本的には作業員の未回収現場ということになり、お客さんに納得してもらえるまで何度も足を運んでお話するというカタチになります。私が新入社員だった頃はこれが本当に嫌で、いくつか自分の財布から出した現場もありました。

今では何度か説得に行っても払ってもらえない場合は、当社で管理するブラックリストに名前を載せて、以後そのお客さんの現場には行かないという対策を取っています。早い話が泣き寝入りですね。

ただし当社では、給湯器、電気温水器、IH、ガスコンロ、システムキッチン、ユニットバス…などなど。複数のメーカーを取り扱っている会社になるので「以前に給湯器の修理でお伺いした際の出張点検料をお支払いいただいていないので、今回のガスコンロの修理は引き受けることができません」というような感じで断っています。

 

まとめ

  • 事前に説明が無かったとしても、人が動けばお金が掛かることが多い

とある業者が「お見積り無料!」と言い出したことがキッカケで、消費者の中に見積もりは無料という考えが浸透しているのかもしれませんが、それはその業者が他との差別化を図るために言い出したことであって、それが当たり前だとは考えない方がいいです。

そしてその見積もり無料というのもしっかりカラクリがあって、実は無料じゃなくて「契約した人が、契約しなかった人のツケを払わされているシステム」であることが多いんですよね。それはまた次の機会に。

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この記事を書いた人

給湯器や暖房機、ガスコンロ、IH、システムバス、システムキッチンなどなど、住宅設備を修理したり取付交換する仕事をしています。

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