あなたのご家庭では暖房端末に何を選んでいますか?必要な時だけ動作させられるルームヒーターも人気がありますが、雪国など「常に暖かくしておきたい」というような場合に人気なのはパネルヒーターや床暖房です。
特にパネルヒーターは精密化していく電化製品とは違い、ダイヤルを回して流量を調整できるというアナログの分かりやすさもウケている要因の一つです。それだけに温まらない場合の厄介さは侮れません。
そこで今回はパネルヒーターが温まらないという場合に考えられる不具合の内容について、ご紹介したいと思います。
パネルヒーターの全体が温まらないときの原因
熱源機(暖房ボイラー)が動いていない
リモコンがあるならエラー表示を確認
パネルヒーターが温まらない要因と言えば、兎にも角にも熱源機が動いてなくては話になりません。特定のパネルヒーターだけが温まらないという場合はこの限りではありませんが、暖房機本体(暖房ボイラーそのもの)がしっかりと動作しているかどうかは重要です。
多くのご家庭では、熱源となっている暖房ボイラーの操作リモコンが取り付けられていると思います。熱源機に不具合がある場合の多くは、この操作リモコンに何かしらのエラー表示が出ているケースが多いです。もしエラー表示がある場合はパネルヒーターそのものではなく、熱源機の方に問題があるので、それを改善してください。
リモコンがない場合は暖房ボイラー本体の燃焼ランプを確認
暖房端末がパネルヒーターの場合、暖房ボイラーのリモコンがないというケースは考えにくいですが…。もし暖房機専用のリモコンが設置されていないという場合や、やむを得ず故障したリモコンで運用しているという場合は、暖房ボイラー本体の燃焼ランプを確認することでもエラーが出ているかどうかが分かります。
詳細のエラーコードこそ分かりませんが、赤いランプが点灯ではなく点滅しているというケースだとエラーを出している可能性が高いです。燃焼ランプの位置は機種によって異なりますが、ボイラー本体を見ればすぐ分かる位置にあります。
パネルヒーターのバルブが開いていない
熱源機が問題なく動作していても、熱源機で温められた循環液がパネルヒーターに流れ込んでこないケースも考えられます。この場合は暖房ボイラーそのものは問題なく動作しているため、エラー表示がないのにパネルヒーターは温まらないという症状になることが多いです。
この症状はバルブやハンドルが開いていないという場合に多く、単純にバルブを開け忘れている場合もあれば、見た目的には開いていても内部的に閉じているという厄介な場合もあります。これは以下のような方法で診断することが可能です(試す場合は火傷に注意すること)。
- バルブの手前までが熱く、バルブの先が冷たい→バルブが開いていない可能性あり(内部で閉じている)
- バルブの手前も冷たい→暖房ボイラーからパネルヒーターまでの間に原因がある
バルブの手前まで熱い循環液が来ているのであれば、パネルヒーターのバルブを閉じたり全開にしたりすることで改善するケースもあるので試してみてください。一方で暖房ボイラーは動いているのにパネルヒーターのバルブ付近で一切の熱を感じないのであれば、何かしらの原因で循環不良が起きている可能性大です。
いずれにしてもパネルヒーターに不具合が生じている場合は、パネルヒーターのバルブの根元までは熱い不凍液がきているケースが多いので、それが確認できれば熱源機~パネルヒーターの目前までは問題ないと言えるでしょう。
正常に動作している場合だと、バルブ付近の金属部分は火傷してしまうほど熱い温度になります。手で触って確認する場合はタオルを用いるなど、細心の注意を払って確認するようにしてください。
パネルヒーターの一部が温まらないときの原因
パネルヒーターの一部分だけが全く温まらない
全体的には温まっていても、特定の一部分だけが温まらないというケースがあります。一軒家のお家であれば2階に設置されている縦型のパネルヒーターによく見られる症状なのですが、右上だけが温まらなかったり、左上だけが温まらないというケースは珍しくありません。
これは「パネル内に空気が溜まっていて、それによってパネルヒーターが循環液で満たされていないために温まらない」という可能性が高く、パネル内の空気を抜いてやれば改善する可能性が高いです。
パネルヒーターには縦型と横型の2種類があるのですが「横型の方は気にならないけど、縦型の方の上の方は冷たい」という症状であれば、ほぼほぼ空気が邪魔になって循環液が流れてきていないという症状です。
エア抜きは密閉式なのか半密閉式なのかによって作業料金が変わってくる可能性があります。もし空気量が多い場合は不凍液の補充も必要になるので、ご自身でやろうとはせずにプロに依頼することをおすすめします。
左右の半分、あるいは上下の半分しか温まらない
一方で、パネルヒーターの半分が綺麗に温まらないというパターンも。一見すると不具合のような気もしますが、パネルヒーターの種類によっては仕様上で問題ないということがあります。
というのは、パネルの種類によっては室温を検知して部屋を全力で温めたい時は全体に循環液が流れますが、そこそこ部屋が暖かいという場合は流量を半分にして温度調整をするという機能がある製品も少なくないからです。
それが左右だったり、あるいは上下だったりというのは、そのパネルの種類によって変わってきます。「半分だけ温まらない」と言っても、それだけで不具合であるとは限りません。仕様であることも十分に考えられますので、修理依頼をする前にまずはパネルヒーターの取扱説明書を確認してみてはいかがでしょうか?
パネルヒーターが温まらないという場合の連絡先
ここで一つ質問です。あなたはこのように「パネルが温まらない」という場合、どこに修理依頼をしますか?恐らくですが、暖房ボイラーのメーカーに修理依頼をするという方が大多数ではないでしょうか。
現場状況にもよりますが、意外と暖房ボイラーのメーカーとパネルヒーターのメーカーが統一されているという現場は少ないので、ちょっと引っかかってしまうと「どこに修理依頼の連絡をしていいか分からない」という人も少なくないはず。
仮に熱源機の暖房ボイラーがリンナイ製で、パネルヒーターがノーリツ製だった場合、修理依頼をする場所を間違うと「出張料だけを取られて、症状は何も改善せずにたらい回しにされる」という可能性すらあります。
いくら修理のプロでも実際に現場を見てみたいことには確かなことは言えませんが、修理依頼をする際にある程度の状況を説明し「こういう症状の場合はリンナイ(あるいはノーリツ)に頼む方向で問題ないですか?」と一言聞いておくといいでしょう。
曖昧な答え方をされることがほとんどかとは思いますが、もし煮え切らないような答え方をされたら「もしこれでおたくが見れない部分の不具合だったら、何もしてもらえないのに出張点検料がかかるんですよね?」と聞いてみてもいいかもしれません。
弊社なら恐らくですが、事前にそのような問い合わせをされたら「自社の管轄かどうかを確認し、そうなら料金説明をしてから不具合の点検・確認、違うなら診断料はなしで出張料だけ貰って退散」という指示が出るような気がします。
パネルヒーターの一部または全部が温まらない まとめ
- パネルヒーターが全く温まらない場合は、熱源機が動いているかどうか、パネルヒーターのバルブは開いているかどうかを確認
- パネルヒーターの上部など一部分だけ温まらない場合は、空気が入り込んでいる可能性を疑おう
- 上下左右の半分だけ温まらないという場合は、もしかしたら正常でパネルヒーターの仕様かも
パネルヒーターが温まらないと一口に言っても、考えられる原因は多数あります。空気が溜まっているだけならエア抜きをするだけで簡単に改善するケースもありますが、配管状況によっては空気を完全に抜くということは難しいのも事実です。
また、綺麗に左右や上下の半分だけが温まらないという場合は、そういう商品である可能性(仕様上)もあるので、まずは取扱説明書を読むことをおすすめします。
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